質問力にはいくつかの種類があります。
- 的確な質問で本質を学ぶための質問
- 仕事の目的を達成するための質問
- コミュニケーションを円滑にするための質問
の3つです。
どの質問力も、あなたの生活を向上させる手助けとなってくれますが、今回は、「コミュニケーションを円滑にするための質問」に的を絞ってお伝えしていきたいと思います。
会社関係や初対面の人と会う機会の多い人は、是非とも参考にしていただきたいと思います。
今まで、人と話すことが苦手だった人も、まずは質問力を磨くことで、その悩みを解決してみませんか?
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目次
仕事関係の人と良い関係を築くための質問力
初対面の人との会話を終え、
「あ〜、あの人と話すの楽しかった」
と思わせるには、面白い話をたくさんするのではなく、聞き手に回ることが大切です。
- 悪い人じゃないんだけど、話していて楽しくない
- よく話してくれる人なんだけど、なんか疲れる
- 会話を盛り上げてくれるんだけど、あまり好意を抱けない
そんな印象を受ける人は、ほとんどの場合、「聞く力」がない人たちです。
自分はたくさん話すけど人の話を聞いていなかったり、人の話を遮って自分の話にしてしまったりする人たちとは、一緒にいても全く面白くありません。
では、どんな人と会話するのが楽しく感じるのかというと、先ほどお伝えした「聞き手に回ってくれる人」です。
ただし、聞き手に回るといっても、ただ話を聞いているだけではだめです。
それなら、ペッパー君でも代役可能です。
聞き手にとって重要なスキルは「質問する力」なんです。
相槌を打ったり頷いてあげることは大切なことですが、さらに質問を取り入れることで、話し手は自分の話を聞いてくれて、しかも質問するほど興味を持ってくれている、という喜びを感じることができるんです。
だからこそ「質問力」を磨くことが、相手にとって楽しい印象を与えることができるんです。
質問するためには、会話の内容を理解しなくてはいけません。
見当違いの質問をしてしまったり、先ほど聞いたばかりの話に対して、同じ質問をするといった行為は、相手を不愉快にしてしまいますし、あなたの信用を損なうことになります。
質問するためのコツは5つあります。
- 途中で質問を挟まない
- ひとつのことを深掘りして質問する
- 質問内容を精査する
- 自分の意見を少しだけ織り交ぜる
- してはいけない質問
途中で質問を挟まない
話を聞いている最中に疑問に思ったことを質問することは良いことなんですが、話の途中で何度も質問されると、いちいち話が中断され、話が先に進まず、相手にストレスを与えてしまいます。
ですから途中で何回も質問を挟まず、疑問に思ったことは覚えておいて、あとで話がひと段落したところで、質問するようにしましょう。
ひとつのことを深掘りして質問する
ひとつのことについて話をしていても、その中で色々な情報に触れることができます。
たとえば、あまり面識のない人と休みの日の過ごし方についての話になったとします。
相手「私は、釣りが好きなんですよ。休みの日は息子と朝から車で近くの川までいって、昼ぐらいまで釣りして、帰りに蕎麦を食べて帰るのが好きなんですよ」
という話をされたとき、話の中でたくさんのキーワードが出てきました。
「釣り」「息子」「車」「川」「蕎麦」などです。
このとき、色々と質問が浮かびますよね?
・釣りはいつからはじめたのか?
・息子は何歳なのか?
・車の車種はなにか?
・近くに川があるというのは、住まいは何処なのか?
・蕎麦は十割蕎麦なのか?更科蕎麦なのか?
これらの質問全てをする必要はありません。
なぜなら、全てについて質問するということは、それだけ全てのことに興味がないことを宣言しているようなものだからです。
初対面での会話の場面では、無言だと気まずい空気が流れるのが嫌で、質問する場合があります。
その時に、色々と質問することは、
「この人は、会話を楽しみたいんじゃなくて、この沈黙が気まずいから、しょうがなく質問してきているんだろうなぁ」
というのがバレバレになってしまいます。
釣りについての質問に答えた瞬間、次に息子のことについて質問されては、相手は
「あれ?釣りの話、終わっちゃったけど、あまり興味なかったのかな?」
と感じてしまいます。
そのかわり、
自分「釣りはいつからはじめたんですか?」
相手「高校の時に釣り堀行ってからですね」
自分「そうなんですね!そんな長く続く趣味があって羨ましいです。ずっと川釣りなんですか?」
相手「大学の頃はブラックバスもやっていたんですけど、今は川釣りですね。」
というように釣りなら釣りについて深く聞いていくことで、
「この人、自分の話に興味持ってくれている」
と感じてもらえます。
ですから、短い時間での会話だった場合、ひとつのことについて深掘りして質問していきましょう。
質問内容を精査する
先ほどの休日の過ごし方についての話で、質問がいくつか挙がりましたよね?
釣りのことや息子のことなど、いくつかの質問が思い浮かびました。
その中で、どれについて質問することが正しいんでしょうか?
正解はあるのでしょうか?
正解を的確に導き出すことは難しいですが、質問がたくさん浮かんだ場合には、基本的には最初に相手が話したことについて質問すると良いと思います。
この例では、相手が最初に話し出したのは「釣り」についてでしたよね?
最初に話し出すということは、一番興味があることである可能性が非常に高いです。
あなたの好きな色を3つあげてください。
と質問されて、おそらく1番目の答えが、もっとも好きな色だったと思います。
それと同じように、質問する場合にも、最初に話されたことについて聞くようにしましょう。
ただし、釣りについてまったく興味がなかったり、質問が浮かばない場合もありますよね?
「量子力学を勉強することが好きで、よく図書館に行ったりしています」
と言われても量子力学についてわからないことが多すぎて、質問内容が浮かばない、といったこともあると思います。
そのときには、正直に量子力学について何も知らないことを伝え、どういったことなのか教えてもらうようにしましょう。
「教えてください」と言われて嫌な気分になる人は少ないと思うので、こころよく教えてくれるはずです。
質問内容を精査する注意点
もう一度、先ほどの話の質問内容について振り返ってみましょう。
・釣りはいつからはじめたのか?
・息子は何歳なのか?
・車の車種はなにか?
・近くに川があるというのは、住まいは何処なのか?
・蕎麦は十割蕎麦なのか?更科蕎麦なのか?
この質問の中で、避けた方がいい質問があります。
それは
・車の車種はなにか?
・蕎麦は十割蕎麦なのか?更科蕎麦なのか?
の2つです。
よく、車好きの人だと何の車に乗っているか?
という話になったりしますが、この質問はよく考えると、お金の話に近いものがあります。
どんな車に乗っているかで経済状況を判断する人もいます。
腕時計なんかも同じ部類ですね。
住まいが賃貸か分譲かもそうです。
相手の資産につながるような、お金に関係するような話はなるべく避けましょう。
もしも、相手から「時計が好きで色々集めてる」といった話になった場合にも、どんな時計を持っているのかを聞くのではなく、オススメの時計を聞くなどして、話しのポイントを少しズラすようにします。
それでもまだ話したそうなら、どんな時計を持っているのかを聞くようにして、直球でいきなり、どんな時計を持っているのかを聞かないようにしてください。
もちろん他意はなく、純粋に車種を聞きたいだけだったとしても、中古の軽トラックに乗っていたとしたら、答えたくないかもしれません。
しかもこの場合、「車が好き」と行ったわけではなく、話の流れ上、出てきたキーワードですよね?
それが、あなたに車の知識が少しあるからと言って、深掘りして質問することは避けましょう。
「蕎麦は十割蕎麦なのか?更科蕎麦なのか?」
という質問も同じ理由です。
相手は、たまたま美味しい蕎麦屋さんを見つけただけで、特にこだわっているわけではないかもしれません。
それなのに、蕎麦について詳しく説明を求められても、答えられません。
ですから、詳しくないと答えられないような質問はしないようにしてください。
知識が豊富な場合に困らせる質問をしない
もしも共通の趣味などを発見したとしても、喜ぶのはまだ早いですよ!
いきなり、趣味について質問攻めにするのではなく、じっくりと聞いていくようにしてください。
なぜなら、同じ趣味でも知識差や種類があるからです。
たとえば、あなたも相手も、バイクが趣味だったとしましょう。
そこで、相手の乗っているバイクについて
「そのバイクだと、86馬力でトルクが8.5kgあるんですよね?確かパワーウェイトレシオは2.8kgでしたっけ?」
といった専門用語での質問をいきなり投げかけるのは絶対にダメです!
もしかしたら相手はそこまでバイクについて詳しくないかもしれません。
その場合、相手に恥をかかせる結果となってしまいます。
また、バイクといっても、オンロードやオフロード、スクーター、アメリカンといった種類が豊富です。
その中で、いきなり自分の知識を押し付けられても、まったく理解できないかもしれません。
ですから、同じ趣味や、同じ嗜好があったとしても、ゆっくりと時間をかけて質問していきながら、相手の趣味の理解度を把握していくようにしましょう。
ちなみに、これが逆の場合、あなたにあまり知識がなく、相手に豊富な知識があった場合、決して知ったかぶりなどせず、素直にわからないことはわからないと言うようにしてくださいね。
自分の意見を少しだけ織り交ぜる
質問して相手の話をただ聞いていれば、相手は満足しているかといったら、そう単純ではありません。
もちろん、色々と質問してくれて、一つの事に対して深く質問してくれることは、相手にとって良い印象を与えます。
でも、もっとあなたとの会話が楽しかった、と思ってもらうには、ちょっとだけあなたの意見を入れることが良いスパイスになります。
相手「この案件は、お客さんがなかなか首を縦に振らなかったから、大変だったんですよ」
自分「じゃあ、どうやって契約してもらったんですか?」
相手「何度も何度もお客さんのところに行って丁寧に説明したんですよ」
自分「そうだったんですか。僕だったら2、3回断られたら諦めていますよ。どうして諦めなかったんですか?」
といったように、質問に自分の感想や意見を挟むと、より真剣に相手の話を聞いていることが伝わります。
もちろんここで、「自分だったらもっといい方法がある」などと、相手を否定するような意見はダメですよ!
してはいけない質問
先ほど、お金に関するような質問は避けるべき、とお伝えしましたが、初対面の場合、他にも避けた方がいい質問があります。
ざっくり言えば、いきなり個人情報を聞き出すようなことをしない、ということです。
- 何歳か
- 既婚か未婚か
- 子供はいるか
- 趣味は何か
などです。
歳を聞くのは、会話を広げるチャンスでもあります。
同じような年代だったら、昔流行ったモノなどで盛り上がることができるからです。
でも、いきなり年齢を聞くのは失礼です。
年齢を聞いて、「対応を変えるつもりなのか」と勘違いされてしまいますし、女性に対しては絶対にダメですよね。
結婚や子供の事に関しても、間違いなく最初から質問することではありません。
結婚や子供のことで悩んでいる人かもしれないので、触れないようにしておきましょう。
趣味を聞くのは良さそうですが、趣味がない人もいますし、人に言いたくない趣味を持っているかもしれません。
このようにいきなりパーソナルな部分に関しての質問は避けるようにしましょう。
もちろん、少し時間が経ってお互いに気が合いそうなことが確認できたら、パーソナルな質問もいいんですが、最初からそのような質問はやめたほうが無難です。
こうなってくると、
何を質問すればいいんだ!
ということになりますよね・・・
これは相手の仕事やその場の雰囲気、環境で変わってくるので、「これが正解」というものはないんですが、私が初めて会う人に対してする質問は、「相手の仕事を敬う」ということです。
例えば相手が化学メーカー営業の仕事をしている人だったら、
「化学商品を扱うのって難しそうですよね?」
などと質問し、相手の仕事に対して敬意を表することから始めます。
間違っても、
「化学商品って売れなそうですよね?」
といった、小馬鹿にするような質問や
「営業って大変そうですよね?」
といった漠然とした質問はしないようにしましょう。
相手を喜ばせる質問
よく、「うん、それは良い質問だね」
なんて台詞を聞いたりすることがありますが、質問される側にとって良い質問とは「自分の経験から導き出される自分独自の答え」を表現できることなんです。
たとえば、相手が写真家だったとしたら
「これからの若手写真家にひとつアドバイスするとしたら、なんですか?」
大手企業の部長だとしたら
「何十人もの部下を持つリーダーとして大切にされていることはなんですか?」
といった、その人の経験値でしか話せない質問をすることが、最良の質問であり、相手にとっては答える甲斐のある質問なんです。
自分の経験をアウトプットすることで、質問者やその他の人のためになるような答えを届けようと、相手も真剣になってくれます。
しかも、こういった質問は相手からすると、「こんな質問をしてくるなんて、見所がある」
といった印象を与えることができ、頭の良さをアピールすることができるのです。
これが、
「昨日、何食べましたか?」
「好きな歌手はだれですか?」
といった質問なら、いくら質問されたところで、面白いとは思いませんし、充実した時間を過ごしたとは思えませんよね。
質問者の教養も疑われてしまいます。
ですから、相手を喜ばせる質問とは、相手の経験を引き出し、その人だけの答えを導き出すことのできる質問なのです。
漠然とした質問はしない
答えに困る質問ってありませんか?
代表的なのが、めちゃめちゃ漠然とした質問でです。
「最近仕事どう?」
「夏休みどうだった?」
「あの新入社員どう?」
といった質問です。
これには
「普通です」
とか
「まあまです」
といった答えしか出てこないですよね?
もちろん少し考えれば、いろいろな答えが出てきますよ。
「最近仕事どう?」
には
「最近は新しいソフトが導入されたので覚えるのが大変です」
とか
「今度このプロジェクトが動き出すので、今準備しているところです」
などといった仕事に関する答えを言えばいいんですから。
でも正直面倒くさいですよね?
質問の意図を汲み取り、どんな答えを言えばいいのかを考えるのが。
だからこそ質問はある程度、具体的にするべきなんです。
具体的ではない質問は、相手に負担をかけさせてしまいます。
漠然とした質問は、答えの範囲が広すぎて、相手を困らせてしまうのです。
また、漠然とした質問では、質問の意図とは違う答えが返ってきてしまうかもしれません。
相手が夏休みは実家に帰ると聞いていたから、「久しぶりの実家どうだったか」知りたかったのに、
「夏休みどうだった?」
と聞いたために
「あの映画観てきました。」
という意図しない答えが返ってくる場合があります。
これが普通の会話なら、あまり問題にならないかもしれませんが、仕事に関する場合
「今朝お願いしたアレやった?」
という質問に対し、質問者はプレゼン資料作りのことを聞いているかもしれませんが、聞かれた方は社内会議資料のことを聞かれたと勘違いするかもしれません。
このように、質問の内容を省略した場合にも、思わぬ落とし穴がありますので、「質問を投げかければ、あとはそっちの責任」と無責任な考えではなく、相手が答えやすいようにしっかりとした質問をすることが質問する側の責任なのです。
質問力についてのまとめ
質問はただすればいい、というモノではありません。
しっかりと質問したあとのことを考え、どうすれば相手が答えやすいかを想像しながら質問していくことが大切です。
会話はキャッチボールとはよく言ったもので、質問を投げるときには、相手の胸を目掛けて取りやすいボールを投げてあげてください。
とんでもない方向への悪送球(的を射ない質問や漠然とした質問)は相手を困らせ、疲れさせるだけです。
コミュニケーションは相手のことを考えるとことろから始まります。
良い質問をして良い関係を築けるようにしていきましょう。
コミュニケーションの取り方についてもっと知りたい方はこちら↓↓↓
⇒参考:「職場や仕事で最高の関係を築く!ビジネスコミュニケーション術」
監修者
<略歴>
武蔵野美術大学卒業後、東京都港区赤坂の設計事務所にてプレゼンテーション業務に従事。数億円のオフィスビルから数百億円の都市開発事業などの提案書およびプレゼンテーション資料の作成を手がける。
2016年より会社を設立し、2018年よりマーケティング、セールスライティングを取り入れたプレゼンテーション資料制作、コンサルティング事業を開始。
現在はプレゼンテーション資料を中心に広告やチラシ、営業資料などの様々な資料を手がけ、資料制作講座も開き、資料制作の方法なども伝えている。
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