プレゼン資料作りを難しく感じている方は、ちょっとしたルールを知らないだけかもしれません。
今回紹介するのは、プレゼン資料を制作するうえで非常に大切な基礎です。
本記事では、レイアウトや色使いやデザインなどの基本的なルールや、自分で納得のいく資料作成の手順を解説しています。
【この記事がおすすめの人】
- プレゼン資料の作り方やポイントを知りたい
- プレゼン資料の構成を考える手順を知りたい
- ネットで調べても資料の作り方がよくわからない
プレゼン資料だけではなく、営業資料やIR資料などさまざまな資料にとって必要なことを伝えているので、
資料の作成で困っている会社員の方は、ぜひ最後までご覧ください。
誰でも簡単にきれいなプレゼン資料が作れる
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目次
資料を作成する前に押さえておきたいポイント
まずは、資料を作成する前に押さえておきたいポイントから見ていきます。
基本的には、たったの2つ。
- 主役は話者
- プレゼン資料と企画書は別物
- プレゼン資料はメインメッセージが重要
これらさえ念頭におけば大丈夫です。
それぞれ詳しく解説していきます。
ポイント①主役は話者
「主役は話者」とは、プレゼンテーションにおいて、資料はサポートツールとして利用することを示す言葉です。
つまり、プレゼンの主役は資料ではなく、話者自身であり、資料は情報を補完する役割を担います。
そのため、プレゼン資料を作成する際には、話者のスピーチを引き立てるようなわかりやすい資料を作成することが大切です。
ポイント②プレゼン資料と企画書は別物
「プレゼン資料と企画書は別物」とは、プレゼンテーションで使用する資料と、ビジネスプランを伝えるための資料は目的や方法が異なるということです。
プレゼン資料では、聴衆の興味を引き、理解しやすいように情報を整理し、視覚的にわかりやすく伝えることが大切です。
一方で、企画書は、詳細なビジネスプランを説明するため、細かなデータや理論的な説明が必要です。
ポイント③プレゼン資料はメインメッセージが重要
メインメッセージに必要な要素
プレゼンでは、一番伝えたいメインとなるメッセージがなければ、何が言いたいのかわからない中途半端なプレゼンになってしまいます。
例えば、新しく開発された翻訳機をプレゼンするとしましょう。
翻訳機が欲しいユーザーにとって一番重要なことは、「翻訳精度の高さ」と「使いやすさ」です。
なのに、
「翻訳の他にも、国語辞書が豊富に入っている」
「実は日本を代表する文学作品も沢山収録されている」
など一度にたくさんのことを説明されても、聞いている方は混乱してしまいます。
もちろん豊富な機能を伝えることは必要です。
ですがそれらの説明はあくまでも、メインメッセージを引き立てる脇役なんです。
さて、それでは「メインメッセージ」とはどんなことを指すのでしょうか?
それは、たった1分しかプレゼンの時間がなかったとしたら、何を伝えようとするのか?ということです。
限られた時間で一番伝えたいことが、あなたのプレゼンにおける「メインメッセージ」になります。
メインメッセージには以下の要素が含まれます。
- 聴き手にとっての強力なメリット(聴き手のメリットに関しては後ほど説明します。)
- 他社(他商品)にはない独自性
- 聴き手にとってわかりやすい表現・言葉使い
例えば、先ほどの翻訳機の場合でしたら、1分間の説明で「国語辞書が豊富に入っている」といった機能を説明することはないでしょう。
その代わり、翻訳精度が高く、ストレスなく使うことができることを説明するはずです。
以上の要素が1分間で伝えようとしている内容に含まれているのでしたら、それは魅力的で強力なメインメッセージとなります。
プレゼン資料の構成を考える手順
次に、プレゼン資料の構成を考える手順を紹介します。
基本的には、以下の6つの手順が効果的です。
- 必要な情報を洗い出す
- 情報を整理して構成を組み立てる
- 聴き手のメリットを伝える
- 構成に沿ってストーリーを組み立てる
- 人の視線の動きを意識する
- 見やすいフォントとフォントサイズを使用する
それぞれ順に解説します。
手順➀必要な情報を洗い出す
伝えたいポイントや目的に合わせ、必要な情報を選別し、きちんと整理してプレゼン資料に取り込むことが大切です。
また、不必要な情報を省いたり、追加で必要な情報を補完したりすることも考慮する必要があります。
1スライド1メッセージ
この「1スライド1メッセージ」というルールは、さまざまな方が紹介しているので、もうご存知かもしれません。
なぜ、1スライドに1テーマでないといけないのか?
それは、1つのスライドにいくつも言いたいことを詰め込んでしまっては、何を伝えようとしているのか、聞き手が一生懸命考えなくてはいけないからです。
人間の脳は電気を使って情報伝達をしています。脳は使えば使うほど、電気を消費し、疲れを感じ、最後には充電(睡眠)を必要とします。
人は、なんとか脳の電気を節約しようと、考えることを好みません。 あなたも昼食に何を食べるか考えるのが面倒で、結局同じメニューを食べてしまうという経験はありませんか?
脳は常に楽をしようとしています。
ほとんどの大人なら、靴ひもは何も考えずに結ぶことができます。毎日、靴ひもの結び方を学ばなければいけないとしたら、他のことを学んでいる余裕はありませんよね。
ですから、あなたのプレゼンで余計なことを考えさせてはいけないんです。
パッと見て理解できるようなスライドでなくては、プレゼンが終わる前に聴き手の脳が疲れてしまい、最後までプレゼンを集中して聞いてもらえなくなってしまいます。
多くの要素があり、なにが一番言いたいのかわからないので、見ていて疲れてしまうスライド
一番言いたいことを目立たせ、無駄な文言を削除することで、考えなくてもわかるスライド
手順②情報を整理して構成を組み立てる
次に、必要な情報を整理し、どのようにプレゼン資料を構成するかを考えましょう。
目的や伝えたいポイントに合わせて、効果的なスライドの順番やレイアウトを決め、情報を整理して構成を組み立てます。
⇒参考:「プレゼンの構成で起承転結が使えない理由とおすすめ構成パターン」
プレゼンは聴き手目線で作る
プレゼンは自分の業界でしか使っていない言葉や専門用語をなるべく使わないようにしてください。
たとえば広告業界では、狙ったターゲットに向けて、文章とビジュアルだけで見込み客の感情を刺激して、行動してもらわなければいけません。
そのために気をつけなければいけないのが「言葉の選び方」です。
自分の会社や業界、コミュニティの中では当たり前のように使われている言葉でも、他の人にはわからない言葉かもしれません。
もしもプレゼンでそのような言葉を使って聴き手が理解できないとしたら、それは聴き手の問題ではなく、あなたの言葉選びの問題です。
特にビジネスの世界では無理やり横文字を使おうとする人がいますよね。
なにかの呪文!?
と言いたくなりますが、このようにわからない言葉で聴き手にストレスを与えてはいけないのです。
アメリカマーケティング界の大御所である ダン・ケネディは
と言っています。
まあ、8歳というと、小学校3年生ぐらいですから、これは少し大げさに感じますけどね・・・ (英語と日本語の習得難易度の違いですかね?)
また、科学的な広告の先駆者でもある ジョン・ケープルズは
と言っています。
いずれにせよ、広告では難しい言葉を使うことがよくないこととされているんです。
これは、プレゼンでも当てはまる指摘なので、もし、機会があればあなたの作ったプレゼン資料を、何も知らない家族や友人、知人に見せてみてください。
きっと、あなたも気づかなかったアドバイスをくれることでしょう。
手順③聴き手のメリットを伝える
先ほどの言葉選びと同じことですが、プレゼンをする時、多くの人が自分本位のプレゼンをしてしまいがちです。
それは自社製品の素晴らしい機能や特徴、または自分の提案の優れた点や思慮深さをアピールしようしてしまうからです。
もちろん、これらのことを伝える必要はありますが、もっと大事なことは聞き手にとってのメリットを伝えてあげることです。
その提案を受け入れることで、
- お金を儲けることができるのか
- お金を節約することができるのか
- 時間を短縮できるのか
- 省エネなのか
- 痩せられるのか
など、聴き手はどんなメリットを得られるのかしっかりと伝えてあげてください。
ほとんどの人はプレゼンを聞きたいと思っていません。
朝起きて「今日は久しぶりにプレゼンを聞きたい気分だなぁ」
などと思う人はいないと思います。
疑問に思ったことをインターネットで調べるときにも、検索がしたくて検索してるのではありません。
もしもすぐ横に、その疑問に答えられる人がいたら、わざわざインターネットなんて使わないで、その人に聞きますよね。
プレゼンテーションも同じです。
プレゼンが聞きたいのではなく、プレゼンを聞くことで、「自分にとってどんなメリットがあるのか」を知りたいからプレゼンを聞こうとしてくれるんです。
ですから、自分本位なプレゼンをしてはいけません。
あなたの提案を受け入れてくれることで、聴き手にどんなメリットがあるのか、どんな素晴らしい未来を約束できるのかを伝えるためのプレゼン資料を作っていくようにしましょう。
手順④構成に沿ってストーリーを組み立てる
「構成に沿ってストーリーを組み立てる」とは、プレゼン資料の構成に従って、聴衆が想定どおりに話を理解できるように、整然とまとめ上げることです。
キーメッセージや目的を明確にし、最適な順序で情報を提示し、視覚的な手法を活用して、聴衆に訴求力のあるストーリーをつくりあげましょう。
プレゼン資料を作成するコツ
いよいよ、プレゼン資料を作成するコツを解説します。
押さえるべきは以下の4つです。
- スライド1枚あたりの文字数を決めておく
- 文字サイズ・行間を揃える
- なるべく図を入れて説明する
- 人の視線の動きを意識する
- 見やすいフォントとフォントサイズを使用する
それぞれ確認してください。
コツ①スライド1枚あたりの文字数を決めておく
スライド1枚あたりの文字数を決めておくと、聴衆がスライドの内容を把握しやすくなります。
長文やたくさんの情報を詰め込むと、聴衆の興味を引き離してしまうため、注意が必要です。
スライド1枚あたりの文字数を決めて、スッキリとした資料を作成しましょう。
コツ②文字サイズ・行間を揃える
統一されたフォントサイズや行間は、聴衆がスライドを見やすく理解しやすくします。
また、視覚的にも美しく見せる効果があります。
また、同じようなレイアウトが2ページ以上にわたって続いている場合に注意してもらいたいのが、スライド間で図版やテキストの位置が微妙にずれていることです。パワーポイントでスライドが変わった際に、微妙にずれるのを気にしない人がいますが、見ているほうは、無意識的にストレスを感じます。
プレゼンを聞いてもらうときには、聴き手の小さなストレスをなくしていく作業が大切ですので、必ずスライド間でのズレが生じないように気をつけてくださいね。
一見するとこのふたつのスライド内にある画像やテキストの位置がぴったりあっているように見える
だが、2つのスライドを重ねてみると微妙にずれていることがわかる。
このようなズレはプレゼンでスライドをめくっていくと、とても気になる
図形やテキストの整列
案外テキトーにやってしまいがちなのが、図形やテキストの整列です。
図形の大きさを合わせたり、位置を合わせたりすることが、綺麗なレイアウトを作るうえで非常に大切です。
なぜ、大切なのかというと、文字の位置や図版の大きさがバラバラだと、ひとつの塊として見づらいですし、なによりも人は、秩序立ったものに好意を抱きます。
つまり、整頓されているレイアウトには良い印象を受けるんです。
意図的にバラバラに配置するデザインもありますが、デザインに慣れていなければ、キチッと整列したレイアウトを心がけましょう。
【整列前】
画像の大きさも位置もバラバラで、テキストも画像から離れた位置にあるため、ひとつの塊として見えづらい
【整列後】
画像の大きさ、位置も揃っていて、画像に付随したテキストがひとつの塊として読みやすい
コツ③なるべく図を入れて説明する
レイアウトと聞くとデザイナーの仕事のようで、難しそうに感じますが、プレゼン資料の場合まったく難しくありません。
なぜなら、チラシや提案書と違って、さまざまな要素を1スライドに詰め込むことはないからです。
情報は少なく、絵や図版は大きく、文字だけの場合は文字を大きく!
これがプレゼン資料の作り方の基本です!
テキストと画像のレイアウト
プレゼンスライドはシンプルに作る、ということはすでにお伝えしましたね。
ですから、自然とレイアウトパターンは決まってきます。
・図版(画像)とテキスト
・テキストのみ
・図版(画像)のみ、または図版の上にテキスト
といった形が主なレイアウトパターンになります。
それぞれを配置するバランス感覚は必要になってきますが、余白を保ちながら一番伝えたいことを意識しておけば、レイアウトが崩れることはありません。
ただし、図だけで説明するのではなく、適切な説明も併せて行うことが重要です。
【図版とテキスト】
テキストは詰め込みすぎず、ポイントとなる言葉だけ見せるようにします。詳しい内容は口頭で説明するようにしましょう。
【テキストのみ】
テキストのみの場合、スライドが寂しいと感じて、文字に影をつけたり無意味なイラストを追加したくなりますが、その場合には背景に色をおくだけにとどめておいて、あまり過度な装飾は避けましょう。
なぜなら過度な装飾はスライドを見づらくしてしまうからです。
【図版の上にテキスト】
画像の上にテキストを置く場合には、画像とテキストの色のコントラストに気をつけましょう。
この場合、画像を少し暗く調整して、白い文字のテキストがはっきりと見えるようにしています。
コツ④人の視線の動きを意識する
レイアウトに関して、人の視線の動きを知っておく必要があります。
知っている人も多いかもしれませんが、それが「Zの法則」です。
デザイン業界や広告業界ではこの法則がよく使われていて、最初に視線がいく左上にもっとも言いたいことや、強いメッセージをおきます。
Zの法則とは、左上→右→左下→右と「Z」の順番に視線が動く法則のことをいいます。
また、Webデザインの世界では「Fの法則」も存在します。
「Fの法則」ではまず左上に視線がいき、次に右へと視線が動き、また左に視線がいき、下に視線を下げてからまた右へと視線が動く運動を繰り返すことです。
どちらにしても、最初に画面の左上に視線がいきやすいということです。
つまりスライド上部の左側は一番視線が集まりやすい場所なんです。
スライド上部に魅力的なタイトルを設置する
多くの場合、スライド上部にはタイトルを置く場合が多いですが、タイトルがつまらないものでは関心を引くことができませんよね。
といったありきたりで、つまらないタイトルをつけるのはやめて
など、聴き手の興味を引くタイトルをつけるように工夫するようにしましょう。
なぜなら、最初に目が行く場所なので、ここで聴き手の興味を引くことが目的だからです。
また、テキストと画像が並列している場合には、先に画像に視線が誘導されます。
先ほどのZの法則やFの法則を思い出してください。人は基本的に左上に最初に視線が行くようになっています。
ということは、テキストが左で画像が右に配置されていると、無意識的に視線を向ける先が混乱してしまいます。
ですから、テキストが左で画像が右の配置よりも、画像を左、テキストを右に配置した方が、目線がストレスなく誘導されることになります。
画像とテキストを上下に配置する場合には画像が上で、テキストを下に置くようにしてください。
ぜひ、この点を意識してレイアウトしてみてくださいね。
コツ⑤見やすいフォントとフォントサイズを使用する
これは最初に結論を伝えておきます。
フォントサイズは26pt以上
フォントの種類は
Windows→日本語:メイリオ 英語:Arial
Mac→日本語:ヒラギノ角ゴ 英語:Helvetica Neue
をおススメします。
これらは視認性を重視したフォントなので、とても読みやすいです。
(フォントに関してはどのサイトでもWindowsはメイリオを推奨しているので、よっぽどのことがない限り、メイリオで決めてしまいましょう)
フォントサイズは会場の大きさにも関係しますが、私の経験上一番小さい文字でも26pt以上を推奨します。
これ以下では会場の後ろの方では見えなくなります。
26pt以下のフォントサイズでつくるというのは、パワーポイントで作ったスライド資料を印刷して配布することを前提に考えているのだと思います。
ですが、スクリーンに映すスライド資料と印刷して配布するための資料は別ものと考えてください。
配布資料についてはのちほど詳しく説明します。
スライドデザインのコツ
フラットデザインでスライドをスッキリさせる
「フラットデザイン」とは明確な定義 があるわけではないですが、3D表現ではなく2D表現で、グラデーションや影、複雑なオブジェクトで表現することを避け、 余計な要素を排除したデザインのことです。
最近ではWindowsやAppleも採用しており、様々な企業やデザイン事務所などのホームページもフラットデザインを採用しています。
【Windows10のインターフェイス】
グラデーションや影が排除されシンプルなデザインになっている。
【Googleロゴ】
上の古いロゴではグラデーションが使用されているが、下の新しいロゴではグラデーションは使用せずシンプルになっている。
【iPhoneのインターフェイス】
iPhoneのインターフェイスも左側の古いOSではグラデーションや影を使用しているが、右側の新しいOSではグラデーションを減らし影をなくしている。
プレゼンは聴き手のすぐ近くで行う場合もありますし、距離が遠くなってしまう場合もあります。
距離が遠くなればなるほど、図版や文字に施されたグラデーションや影といった要素が見づらさを助長してしまいます。
なかには事前に資料を配布するから、それを読んでもらえればいい、といった考え方の人もいますが、だったら何のために、わざわざプレゼンテーションをするのでしょうか?
文字や紙資料から、あなたの熱量を伝えるのは容易ではありません。
直接あなたが話し、身振りを交え、抑揚をつけることで、提案の素晴らしさに情熱を宿すのです。
ですから、配布資料に頼ってはいけません。
プレゼンで全てを伝えるようにしてください。
そのためには余計な装飾をせずにシンプルに見やすくすることを心がけることが大切なんです!!
視認性を考えると余計な効果を取り除いた下図の方が見やすい
グラデーションや影を取り除いたシンプルなスライドデザイン
スライドデザインについてもっと知りたい方はこちら↓↓↓
メインカラーとアクセントカラーを決めよう
統一感のないプレゼン資料になってしまう原因の一つが「色を多く使いすぎてしまうこと」です。
そんな場合には使う色を2色だけに絞ってみると、それだけで統一感がありセンスが感じられる資料へと変わっていきます。
色をたくさん使っているようでも、メインカラーとアクセントカラーの2色でまとまりのあるスライド資料になっている
では、その2色はどのように決めていけばよいのでしょうか?
それには「メインカラー」と「アクセントカラー」を決めておく必要があります。
「メインカラー」とは上記のスライドでいうと「緑色」のことで、そのプレゼンで一番多く使われる色のことです。
「アクセントカラー」とは特に強調したい部分に使用することで、より印象付けることができる色のことをいいます。
上記のスライドでいうと「赤色」のことです。
アクセントカラーはあくまで”アクセント”に使う色ですので、「ここを目立たせたい!」というところで使うようにしましょう。
アクセントカラーの決め方は「補色」を使うのが一般的です。
アクセントカラーで使う「補色」とは、「色相環」における反対側にある色のことで、お互いの色を最も目立たせる色の組み合わせのことです。
【色相環】
色相環とは色を環状に配置したものです。
水色をメインカラーに使うのであれば、色相環の反対に位置する赤色を使うと色がより強調されます。
環境に関係するプレゼンなら「緑系」を使用したり、元気な印象を与えたければ「オレンジ」などの暖色系を使ってみてもいいでしょう。
また、色に迷うのであれば、グレーなどを使ってもいいと思います。
配色についてもっと知りたい方はこちら↓↓↓
⇒参考:見やすいパワーポイントを作成するコツは色・フォント・配置!
画像を使い、より印象的で記憶に残るプレゼンに
画像には言葉で伝えるよりも多くの情報を伝えることができます。
「百聞は一見にしかず」という言葉にもあるように、言葉で何度も説明するなら、映像や画像を見せてしまった方が、簡単に伝わります。
心理学の分野では「画像優位性」と呼ばれ、ワシントン大学医学部の分子生物学者ジョン・メディナによると、文字と言葉だけによるプレゼンテーションは、72時間後、聴き手はその10%しか記憶していないが、これに絵を加えると、65%が記憶に残るというのです。
ですから、プレゼンをする時には、できるだけ視覚的な情報を与えることが聴き手の理解を深める手助けとなるので、画像やイラストを使えるスライドでは、なるべく画像やイラストを使うようにしましょう。
言葉だけのスライドよりも、右側のように実際に画像を見せた方が、想像しやすくわかりやすい
グラフはシンプルに強調したい箇所を明確にする
どんなプレゼンでも、一回はグラフが出てくるのではないでしょうか。
なぜならグラフは、多くの情報を整理して与えるのにとても有効だからです。
ですからグラフを見やすくすることは、とても大切なことですが、グラフはどうしても複雑になりがちで、わかりやすく作る努力をしても、なかなか伝わらないことがあります。
そこで、覚えておいて欲しいことは、グラフは「読むもの」ではなく「見るもの」だということです。
ごちゃごちゃとしたグラフを読み込んで理解するのではなく、見て直感的に理解できるグラフでないと、プレゼンでは通用しません。
では、どのようにすれば、直感的に理解できるグラフを作ることができるのでしょうか?
それは、「言いたいこと以外は全て排除するか、目立たせないこと」です。
これができるようになれば、かなりスッキリしたグラフが作れるようになるはずです。
グラフでは余計な情報はすべてカットする努力をしてください。
【ダメなグラフ】
グラフとして必要な情報は入っているが、グラデーションや、立体表現、色の使いすぎなど多くの問題点があるグラフ
【見やすいグラフ】
余計な装飾をなくし、シンプルに一番言いたいことを目立たせることを意識したグラフ
シンプルなグラフの作り方についてもっと知りたい方はこちら↓↓↓
パワポの資料を作る際に他に気をつけるべきこと
表紙のデザイン
表紙はそのプレゼンで一番最初に目にするスライドです。
ですから、できればしっかりとデザインされたものを用意できるとベストです。
プレゼンがどのような状況で行われているかによりますが、自分以外の提案者がいる場合やコンペ案件の場合、まずは表紙で他者との違いを出すことが大切だと私は考えています。
ですが、そういったデザインはプロでないとなかなか難しいものです。
なので、デザインに頼らず興味がひかれる表紙を作るためには「タイトルのつけかた」を工夫することです。
タイトルで興味をひくためには、まず何のプレゼンなのかがはっきりとわかるようなタイトルをつけましょう。
たまに、ひねりすぎて意味がよくわからないタイトルがあったりますが、ストレートな表現の方がほとんどの場合、聞き手の興味をひくことができます。
タイトルをつけるときの注意点は以下の通りです。
- 具体的かつ短めにつける
- かっこつけて英語などは使わない
- 漢字とひらがなのバランスを考える(漢字だらけは読みづらい)
タイトルのつけ方についてもっと知りたい方はこちら↓↓↓
最初から興味が惹かれるようなインパクトのある表紙
添付資料は必ず必要
添付資料とは、プレゼンが終わった後の質疑応答などに対応するためのスライドで、補足資料ともいいます。
プレゼンはシンプルに作るべきだと既に説明しましたが、そこで削ってしまった内容や、他に補足しておきたいこと、詳しい根拠や数字など、とにかく思いつくことは全て盛り込み、どんな質問にも答えられるようにしておきましょう。
添付資料では、特に見せ方やデザインなどにこだわる必要がないので、気負わずどんどんとスライドを作っていきましょう。
配布資料は全く別物と考える
プレゼン当日、聴き手の手元資料として、スライドを印刷した資料を配布することがよくあります。
例えば商品やサービスの購入・検討を目的としたプレゼンの場合などでは、聴き手側に意思決定者が出席していない場合など、その資料を一度持ち帰って、検討することもありますので、配布資料が必要となってくる場合が多いかもしれません。
そんなとき、いつもはどうしてますか?
パワーポイントで作ったプレゼンテーション用のスライド資料をそのまま印刷していませんか?
おそらくそういった方は多いかと思います。
それが一番効率的な方法ですからね。
でも、その方法はあまりオススメできません。
なぜなら、プレゼンスライドは一つのスライドでの情報を極力シンプルにし、テキストや画像を大きく配置するため、それを印刷して使うには無理があるのです。
シンプルに作られたプレゼンスライドは、話し手が説明しながら見ていくことを想定して作られているので、それ単体で全てを理解してもらうことは難しくなってしまいます。
そのため、シンプルスライドを紙に印刷して配布資料として使っても、その資料だけで提案の全てを理解することはできません。
じゃあ、配布資料にすることを想定してある程度、情報を詰め込んで作ればいいじゃないか!
と思われるかもしれませんが、それでは、シンプルで研ぎ澄まされた内容のプレゼンスライドを作ることができなくなってしまいます。
ではどうすればいいのか??
こればかりは残念なことに、スライド資料と配布資料を別物と考えて作っていくしかないのです。
もちろんそれでは時間もかかるし、労力もかかります。
ですが、両方の役割を備えた資料を作ろうとすると逆に時間がかかってしまいます。
スライドでも配布資料でも使えるように意識しながら、文字の大きさや写真やグラフの大きさ、レイアウトに試行錯誤するならば、いっそのこと分けて考えてしまって、スライドでは大きく、余計なものを排除して作成し、配布資料では、誰の説明もなしに伝わるような資料を作っていくほうが、結果的に早く作業が終わります。
どっちつかずの中途半端な資料では、あなたが伝えたいことが伝わらないという最悪の結果を招いてしまいかねません。
配布資料では、詳細な説明を入れる。
スライドと同じように、一番伝えたいことを紙面上部に配置し、図版や文字の位置が揃うように気をつける。
また、見出しや強調文字を使い、読みやすさに考慮する。
配布資料の作り方についてもっと知りたい方はこちら↓↓↓
⇒参考:「プレゼンで効果的な配布資料とは?制作方法と扱い方を解説!」
よいプレゼン資料とはシンプルで分かりやすい資料
プレゼンはとてもシンプルに伝える必要があります。
なぜなら、聴き手はいきなり多くのことを説明されても、ついていけない状況になり、理解できなくなってしまい、途中から飽きてしまうからです。
シンプルに伝えるにはどうすればいいかというと、一度作った資料をどんどん削っていく作業が必要になります。
プレゼン自体の意味が変わらないただの補足内容であれば、どんどん削ってしまった方がよいです。
難しく考えずに、
「わかりやすいか」「わかりにくいか」
「余分ではないか」「余分か」
の判断基準を持っていれば、聴き手に理解してもらえる資料を作ることができます!
シンプルスライドについてもっと知りたい方はこちら↓↓↓
⇒参考:「シンプルこそ最強!プレゼン資料をシンプルデザインにする理由とその方法」
プレゼン資料の作り方のまとめ
ここまで読んでいただき、プレゼン資料の作り方について色々な発見をしてもらえたら光栄です。
プレゼンスライド資料とは、とてもシンプルでいいんです。
ただし、シンプルといっても、それは何も付け加えないことではありません。
刀鍛冶の話を思い出してください。
何度も何度も繰り返し修正し、無駄を削ぎ落としていくことこそが最良の資料を作ることができる最短の道なんです。
余計な情報や装飾を排除することは手抜きではなく、よーく考えた結果なのですから、シンプルで味気ないスライドに不安になることはありません。
そして聴き手目線で作ることも忘れないでください!
言葉選びに注意し、聴き手のメリットを伝えてください。
さらに色の使い方を覚えることができれば、あなたの資料は今までとは全く違った資料を作ることができ、今までとは違ったプレゼンを行うことができるでしょう。
最後までお付き合いいただきありがとうございました。
あなたのプレゼンが成功することを願っています!
さらにプレゼンの基本を知りたいという方はこちらを一読することをお勧めします。
プレゼンの基本について知りたい方はこちら↓↓↓
⇒参考:「プレゼンの基本は聴き手の立場に立って伝えること」 監修者 <略歴> 武蔵野美術大学卒業後、東京都港区赤坂の設計事務所にてプレゼンテーション業務に従事。数億円のオフィスビルから数百億円の都市開発事業などの提案書およびプレゼンテーション資料の作成を手がける。
2016年より会社を設立し、2018年よりマーケティング、セールスライティングを取り入れたプレゼンテーション資料制作、コンサルティング事業を開始。
現在はプレゼンテーション資料を中心に広告やチラシ、営業資料などの様々な資料を手がけ、資料制作講座も開き、資料制作の方法なども伝えている。
⇒主な制作事例はこちら