プレゼンでは様々なことを伝えますよね。
- 商品の特徴
- 素晴らしい機能
- 他社との違い
- 革新的な技術
どれもプレゼンでは大切なことですけれど、特徴や機能だけではなく、どんなプレゼンでも必ず伝えてほしいことがあるんです。
それが「ベネフィット」です。
ベネフィットとは、簡単にいってしまうと、その商品・サービスを使うことでお客さんが得られる「メリット」のことです。
お客さんが商品・サービスを購入するとき、商品そのものではなく、その商品を使うことで得られるメリットや未来のことを想像して購入を決めます。
たとえば、栄養サプリメントは、栄養を補給するために飲むわけです。
決してサプリメントの味が好きだから、とか見た目がキレイだから、といった理由では飲みません。
このように、商品自体に価値があるのではなく、「結果」に価値があるので、お客さんは自分がそれを使った時のこと、つまり未来を想像して商品を買うか買わないかを決めます。
ですから、特徴や機能だけを伝えるのではなく、ベネフィットを伝えることが大切なんです。
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目次
プレゼンで伝える大切なことを考える前に
まずは自社商品を知る
ベネフィットを見つけ出すためには、あなたが扱っている商品やサービスの特徴(機能)を十分に理解しなくてはいけません。
なぜなら、ベネフィットは商品・サービスが持つ特徴(機能)の延長線上に見えてくるものだからです。
なので、まずは自社商品・サービスの特徴や機能をすべて書き出していく必要があります。
今回は、車のオイル添加剤を例に、A社が提供するオイル添加剤にはどんな特徴があるのかを列挙していきたいと思います。
【A社オイル添加剤の特徴】
- エンジン内の金属表面をコーティングする
- エンジンオイルの寿命を伸ばす
- 燃費が向上する
- 値段が通常の添加剤より少し高い
- 2万キロ以上効果が持続する
- 日本車も外国車も使用可能
- 軽自動車もトラックも使用可能
など、とにかく思いついた特徴をすべて挙げていきます。
この作業はとても重要なので、「これはあまり特徴にならないかも」と思うものでも挙げていきましょう。
もしかしたら、あとで競合他社商品にはないベネフィットが見つかるかもしれませんので。
まずは思いつく限り、特徴を挙げていくことに集中しましょう!
聴き手を知る
次に必要なことは、プレゼンをする相手、つまり聴き手となる見込み客のことを知っておくことです。
具体的には次の項目についてよく知る必要があります。
【見込み客がのことを知るために】
- 見込み客が腹を立てていることは何か?
- 見込み客が恐れていることは何か?
- 見込み客にとって大切なことは何か?
人はポジティブな状況を手に入れるよりも、ネガティブな状況からの脱却に強く反応します。
つまり、「幸せになれるよ」と言われるより、「その悩みを解決できるよ」と言われた方が強く惹かれるんです。
だからこそ、あなたの見込み客が抱えている悩みをしっかりと理解することに努めなくてはいけません。
車のオイル添加剤の例でいうと、車に乗っているユーザーは
- 燃費が悪い
- エンジンから異音がする
- 古い車だからエンジンパワーが落ちてきた
- 大事に乗りつづけたい
- エンジンの調子が悪い
などの悩みが見つかるかもしれません。
実際にあなたの見込み客に聞ければそれが一番良いですが、それができない場合には、身近にいる同じような人に話を聞いて、どんな悩みや怒りを持っているのか聞き出したり、インターネットで関連するキーワードで検索してみたり、Amazonで関連書籍のレビューを見て、どんな悩みがあるのかを確認しましょう。
ベネフィットの作り方
聴き手にとってのメリット
特徴をすべて挙げたら、その特徴は何をしてくれるのかを考えましょう。
たとえば、サプリメントで1日分のビタミンCを摂取することが特徴だとしたら、その特徴からどんどんと深掘りをしていきます。
「ビタミンCを摂取することで、筋肉量減少などを予防できます。」
「筋肉量が減少すると、疲れが取れないなどの原因にもなるからです。」
と具体的にどんな良い効果があるのかを深掘りしていきます。
さらに、このメリットがどのような人にとって必要なのかを考えていきます。
「適度な運動をしていないと、疲れが取れにくくなります。
また、筋肉量が落ちてしまうと、姿勢がどんどん悪くなり、腰痛などを引き起こす可能性があります。
なので、あまり運動する機会のないデスクワークをしている人にオススメです。」
と具体的に対象を絞っていくことで、その人に向けてのベネフィットが出来上がります。
先ほどのオイル添加剤の例でいうと
特徴 | エンジン内の金属表面をコーティングする |
---|---|
それは何をしてくれるのか | エンジン内部の摩耗を軽減する効果があり、エンジンを長持ちさせることができる |
それは誰にとってのメリットなのか | 自分の愛車を長く乗りたいと思っている人に対して、いつまでも良い状態で車を乗り続けられる |
といった感じで、機能や特徴についてどんどん深掘りして、それが見込み客に対してどんなメリットがあるのかを見つけていくことで、見込み客の悩みにマッチした言葉を伝えることができようになります。
ベネフィットでありがちな注意点
ベネフィットでよくある間違いは、ベネフィットっぽいけど、ベネフィットではないベネフィットです。
早口言葉みたいになってしまいましたが、たとえば、ビタミンCの効用について
「毛細血管を正常に保つことができます」
と言われても、日々の生活の中で、毛細血管を気にして生活している人はほとんどいないんじゃないでしょうか。
だから、毛細血管のことを言われても、あまりピンときませんよね?
それよりも
「毛細血管を正常に保つことで、体全体の老化を防ぐことができます。」
の方が具体的にイメージできるため、わかりやすいですよね。
このように、一見するとお客さんのメリットになっていそうなものでも、よく考えてみると具体的なメリットになっていないことがあるので、しっかりとわかりやすいベネフィットになるように注意しましょう。
そのベネフィットはほかにどんな側面があるか
プレゼンや営業トークをするお客さんが1人であれば、その人だけに向けたベネフィットを語ればいいですが、相手が複数の場合、そうはいきませんよね。
人それぞれ、悩みや気になる点は違うはずです。
それなのに、1つのベネフィットしか語らなかったら、多くの人の反応を逃してしまうかのしれません。
そうならないためにも、1つの特徴(機能)に対して多面的なアプローチが必要になります。
先ほど例に挙げたオイル添加剤の特徴の1つに
「金属表面をコーティングする」
というものがありましたよね。
そのベネフィットは
「自分の愛車を長く乗りたいと思っている人に対して、いつまでも良い状態で車を乗り続けられる」
でした。
では他には
「金属表面をコーティングする」
ことでどんなベネフィットが考えられるでしょうか?
「エンジンがスムーズに動くので燃費が向上する」
「エンジンがスムーズに動くのでパワーダウンを防ぐことができる」
「金属同士が滑らかに動くので、エンジン音が気にならなくなる」
「エンジンオイルの交換周期が長くなる」
などが考えられます。
あくまでも、これらすべては、
「金属表面をコーティングすることで、金属の摩耗を低減できる」
という目的によるものですが、捉え方や伝え方によって、様々な人が共感できる特徴へとなっていくのです。
広告も同じですが、商品の特徴を伝える時、基本的にはお客さんに
「この特徴なら、どういったことができるのかな?」
と考えさせてはいけません。
考えさせる前に、こちらからベネフィットを伝え、お客さんの共感を得ることが大切です。
プレゼンで大切なことのまとめ
今回はプレゼンでベネフィットを伝えることについてお伝えしてきました。
ベネフィットを見つけ出す方法は次の通りです。
- 自社商品の特徴をすべて擧げる
- 見込み客が悩んでいることを知る
- それには誰にとってどんなメリットがあるのか
- その特徴は他にどんな伝え方ができるか
これらを順番に行っていけば、見込み客に対して魅力的なベネフィットができるはずです。
まずは、自社商品の特徴を知るところから始めてみてはいかがでしょうか。 監修者 <略歴> 武蔵野美術大学卒業後、東京都港区赤坂の設計事務所にてプレゼンテーション業務に従事。数億円のオフィスビルから数百億円の都市開発事業などの提案書およびプレゼンテーション資料の作成を手がける。
2016年より会社を設立し、2018年よりマーケティング、セールスライティングを取り入れたプレゼンテーション資料制作、コンサルティング事業を開始。
現在はプレゼンテーション資料を中心に広告やチラシ、営業資料などの様々な資料を手がけ、資料制作講座も開き、資料制作の方法なども伝えている。
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