商品やサービスを販売するプレゼンテーションの場合、自己紹介ってどこまで言えばいいのか迷いますよね?

簡単に済ませた方がいいのか・・・?
それとも、ちゃんと自己紹介したほうがいいのか・・・?

まずは結論からお伝えします

先に結論をお伝えすると、時間がなかったり、無難に終わらせたい場合には、短く簡単な自己紹介をおすすめします。

ですがもしも、商品の価値をさらに高めて伝えたいのであれば、少し長めの自己紹介で物語を語る必要があります。

どちらを選択するかは自由ですので、こっちじゃないとダメ!という話ではないんですが、記事を読んでもらって、簡単に自己紹介をすませるか、自己紹介で物語を語るかを判断していただければと思います。

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プレゼンで短い自己紹介はどういった印象を与えるのか?

短い自己紹介でもOK

プレゼンは、時間が決まっていることが多いですよね?
時間が決まっていなかったとしても、自己紹介をダラダラと話してしまっては、聴き手を飽きさせてしまいますし、真剣にプレゼンを聞いてもらえなくなってしまいます。

だとすれば、長い自己紹介は必要なさそうですよね。

「本日はプレゼンテーションの機会をいただきありがとうございます。株式会社プレゼンサポート 開発事業部の山下太郎と申します。本日はどうぞよろしくお願いいたします。」

といった自分の会社、所属部署、フルネームを伝えるだけの簡単な自己紹介でもなんの問題もありません。
もちろんプレゼンの主役は提案内容ですから、自己紹介は必要最低限でもいいと思いますし、これでマイナスな印象を与えることはまずないでしょう。

つまり、一番無難で安全な自己紹介の方法だと言えます。

ただし、必要最低限な自己紹介の一番の問題点は
「印象にまったく残らない」
ということです。

聴き手からすると、自己紹介はされたけど、そこで話しているのはあくまでも「プレゼンをしている人」としか認識できません。

自己紹介を簡単に済ませることは、余計な時間を使わず、不要な話をして聴き手を不愉快にさせる心配もないので、一番リスクのない方法ではありますが、一方で、まったく印象に残らず、名前すらも覚えられていないという可能性があります。

自己紹介で覚えられない

自己紹介で自分の物語を話す

自己紹介でも物語

自己紹介で、必ずあなたの印象を残す必要があるか?
と問われれば、決してそんなことはありません。

だったら、自己紹介では会社名と自分の名前だけを言えばいいのか?
と聞かれたら、それも決してそんなことはないんです。

じゃあどっちがいいのか?
その判断は非常に難しいですが、あなたが語るべき物語があるのなら、自己紹介で自分のことを伝える方がいいと思います。

なぜ、自己紹介で個人的な話をする必要があるのか?

面接時やセミナーなどのプレゼンでもないのに、プレゼンで個人的な話をする必要があるんでしょうか?

少し前から、ビジネスの世界では、

「何か商品が欲しいと思ったら、どんなものでも簡単にインターネットで値段が比較できて、クリックするだけで購入することができる現代において、モノを買うときには、『何を買うか』よりも『誰から買うか』が非常に重要な要素になっている」

と言われています。

どこでも売っていてる同じような商品なら値段の安い方を選びますが、価格で判断しないような商品の場合、「誰がその商品を売っているのか」は非常に重要な要素になっています。

例えば、あなたの会社で新入社員教育のためのコーチを探していたとき、
A:新人社員研修実績100社のコーチ
B:新人社員研修実績50社であるが、自分が新入社員の時にちゃんとした教育をしてもらえなかったことで苦労した経験を活かしてコーチングをしているコーチ

さあ、あなたならどちらのコーチに新入社員教育を依頼したいですか?

おそらくBを選ぶ人が多いんじゃないですか?
なぜなら、その人の物語に少し触れることで、共感や信頼を感じることができるからです。

自己紹介で自分の物語を伝えるというのは、こういった付加価値を生むことができるんです。

では、具体的にはどのような話を自己紹介ですればいいのでしょうか?
また、どのような話は自己紹介では避けた方がいいのでしょうか?

本当に個人的な自己紹介

「私は、埼玉県出身で美術大学出身です。血液型はB型で家族は5人家族です。好きなものは読書と散歩で、嫌いなものはピーマンです。」

といった本当に個人的な自己紹介をされて、
「この人から商品を買いたい!」
となるでしょうか?

だから、なに?
って思いませんか?

もしかしたら、出身地や好きなものなどで共感してもらえることもあるかもしれませんが、このような自己紹介で商品に魅力を感じることはありません。

意味のない自己紹介

よく、
「プレゼンテーションは好きな人に対して話をするように」
と言ったりしますが、それは、好きな人のことを考え、好きな人の立場に立って、わかりやすく自分の思いが届くように語りかけることを言っているのであって、お見合いのような自己紹介をすることではないんです。

要するに、聴き手が知りたいことは、「あなたにどんな経歴があって、どんな経験をしてこのプレゼンを行っているのか」ということです。
あなたの好き嫌いや出身地に興味なんてないんです。

自分の物語を語る

プレゼンテーションは何時間でも何回でも繰り返しできるわけではありません。

限られた時間のなかで、限られた機会のなかで、ベストなプレゼンを行っていかないといけません。

だとすれば、1枚1枚のスライドの大切さが重要だということに気づくはずです。
そのなかで、無駄なスライドは1つもないんです。

あなたが自分の物語を語る時、それが無駄な時間だと感じさせてはダメですよね?
あなたが自分の物語を語ることで、聴き手にどのような印象を与えるのか、商品の魅力をアピールできるのかを考えて自己紹介する必要があります。

そのためには、
なぜこの商品やサービスが生まれたのか?
どのような経緯で開発されたのか?

などを伝えなくてはいけません。

先ほどの新入社員教育のためのコーチの例と同じで、ただ商品・サービスの素晴らしさや特徴を伝えるだけではなく、そこに付随する物語を語ることで、より魅力的に感じてもらえるようになります。

たとえば、

「私の会社は5年前、倒産の危機を迎えておりました。と言いますのも親会社にある時、急に取引を打ち切られたからです。
そうです。私の会社は親会社に捨てられたのです。
まるで、テレビドラマ「陸王」のような話ですが、現実にそのようなことが起こってしまったのです。

それでも私には守らなければいけない社員とその家族、さらに下請け業社がありました。そこで、私は弊社の技術力を活かして、弊社オリジナルの商品を開発することにしたのです。〜〜〜本編へ続く」

といった物語を伝えることで、グッとその商品に惹き込まれますよね。
「そんな苦労をして作られた商品とは一体どんなに良いものなんだろう?」
と期待してしまいます。

このように自分に実際に起こった物語を伝えることは商品・サービスの価値を最大限に引き出してくれるんです。

もちろん、こんなドラマチックな話じゃなきゃいけない、ということではありませんし、あなたが開発した商品でなくてもかまいません。

大切なのは、あなたが提案する商品・サービスにはどんな価値があって、なぜ皆さんに使ってもらいたいのかを、自己紹介の物語に絡めながら伝えることなんです。

物語のある自己紹介

自分の物語を語る際に、まずは自分自身の物語を整理してください。

以下の項目をヒントに自分の物語を整理してみるところからはじめてみましょう。
【見直し項目】

  • 商品・サービスへの想い
  • 商品・サービスが生まれたきっかけ
  • 商品・サービスを形にするまでの苦労
  • まわりからの非難や否定
  • 挫折したこと
  • 挫折を乗り越えたこと
  • 誰にも理解してもらえなかったこと
  • 自分のこれまでの経歴
  • この商品・サービスで今後、どのような夢があるか

自己紹介の順番について

自己紹介の順番について

よほどインパクトのある物語や、共感を生むことのできる物語であれば冒頭から伝えることで、聴き手を一気にプレゼンへ引き込むことができますが、そのような物語はなかなかありませんから、自己紹介で、自分についての物語を語る場合、最初から長い自己紹介は避けた方がよいと思います。

なぜなら、聴き手がまだあなたの商品を詳しく認識していない場合、
「なぜ、このプレゼンを聞かなければいけないのか?」
ということを把握していないのに、急に長い自己紹介をされても、興味がわいてこないからです。

その場合、しっかりと冒頭で聴き手の心を掴み、そのあとに、詳しい自己紹介に入っていくのが、一番スムーズだと言えます。

このプレゼンで得られる聴き手にとってのメリットを伝えて、商品に興味を持ってもらったところで、商品が作られた背景などの物語を語っていく流れにしましょう。

【冒頭の流れ】

  1. 【挨拶】プレゼンの機会を与えてくれた感謝と挨拶
  2. 【自己紹介】会社名、フルネームだけの簡単な自己紹介
  3. 【つかみ】このプレゼンで、聴き手が得られるメリット
  4. 【自己紹介】自分自身の物語

冒頭での「つかみ」について詳しく知りたい方はこちら↓↓↓

⇒参考:「最初が肝心!プレゼン冒頭での相手の心のつかみ方!」

自己紹介についてのまとめ

プレゼンテーションは普通のお客さんだけではなく、企業に対しても行いますよね。

そのとき、企業相手だから個人的な話は避け、機能や性能、特徴だけを伝えようとしてしまいます。

なぜなら、
企業には血が通っていないからです。
企業には感情がないからです。
企業には合理性だけが求められているからです。

でも、よく考えてみてください。
あなたの話を聞くのも、
あなたの提案を受け入れるのも、
あなたの印象を決めるのも、

全ては企業で働いている「人」です。

あなたが相手にしているのは、企業ではなく「人」なんです。

企業ではなく人

もちろん、コストや合理性などが求められるのは間違いありません。
だからといってそのことだけにフォーカスして、人の「感情」を無視してしまっては、あなたの商品・サービスの本当の価値を伝えきれなくなってしまいます。

どうすれば、価値を最大限伝えることができるのか。

そのことを念頭において、自己紹介に物語を取り入れてみてはいかがでしょうか。

監修者

監修者の写真

Null Japan株式会社 代表取締役

高村 勇太

プレゼン資料クリエイター/プレゼン資料の専門家

Microsoft® Officeスペシャリスト 認定

<略歴>

武蔵野美術大学卒業後、東京都港区赤坂の設計事務所にてプレゼンテーション業務に従事。数億円のオフィスビルから数百億円の都市開発事業などの提案書およびプレゼンテーション資料の作成を手がける。
2016年より会社を設立し、2018年よりマーケティング、セールスライティングを取り入れたプレゼンテーション資料制作、コンサルティング事業を開始。
現在はプレゼンテーション資料を中心に広告やチラシ、営業資料などの様々な資料を手がけ、資料制作講座も開き、資料制作の方法なども伝えている。
⇒主な制作事例はこちら

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