「営業資料の作り方を構成別に知りたい」
「営業資料作りのポイントは?」
「サービス紹介の具体的なアプローチ方法は?」
営業資料は、企業の価値や商品・サービスの価値を伝えるための大切なツールです。
たとえば、資生堂のホームページがダサかったらどうでしょうか。
レクサスのホームページが古臭かったら。
購買意欲はいくばくか削がれてしまうでしょう。
営業資料も同じく、デザインの良し悪しが信用に直結します。
料理でも考えるとよりわかりやすいでしょう。
見た目がぐちゃぐちゃなら食欲は落ち、逆に綺麗に盛り付けられた料理は期待感を生み出します。
プロの料理人が、味だけではなく見た目にもこだわるように、プロのビジネスマンは営業資料の内容を読んでもらうために、見た目にも最大限こだわります。
本記事では、営業資料の作り方やポイントをわかりやすく解説していきます。
プレゼン資料の作成で困っている会社員の方は、ぜひ最後までご覧ください。
誰でも簡単にきれいなプレゼン資料が作れる
↓↓↓
目次
【構成別】営業資料の作り方
- 私が考える、優れた営業資料デザインの条件は下記の3つです。
- 見やすい
- 余計な説明を省く
- 期待感を抱かせる
このような
条件を満たしたデザインの営業資料を作るために、
ここでは、網羅的に以下の15個の項目を見ていきます。
- 表紙
- サービス概要 / 会社概要
- 部署の課題
- 担当の課題
- サービス紹介
- サービス紹介詳細(強み・特徴)
- 競合比較表・ポジショニングマップ
- 導入効果
- 事例紹介
- 料金
- 費用対効果・コストシミュレーション
- ご利用の流れ
- FAQ
- 会社概要
- CTA
それぞれ見ていきましょう。
表紙
営業資料の表紙は、最初に見る部分であり、大切な役割を持っています。
表紙には、企業のロゴや名前、タイトル、イメージ写真などを配置することが一般的です。また、資料の見どころや目的を明確に伝えることで、相手に興味を持ってもらうことができます。
一方で、飾りすぎたり、情報が複雑すぎたりすると、逆にややこしくなってしまうので注意が必要です。シンプルで、伝えたいことが一目でわかるデザインを心がけましょう。
さらに、色使いにも注意を払い、優れた表紙を作成することで、好印象を与えることができます。サービス概要 / 会社概要
営業資料のサービス概要 / 会社概要は、企業やサービスについて詳しく説明するための重要な構成です。
サービス概要では、提供するサービスや商品の特徴や利点、新製品や改善点などを明確に伝え、顧客がどのようなメリットを得られるかを説明します。
また、会社概要では、創業経緯、会社の強み、業績などを紹介することが多く、顧客からの信頼や好感度を高めるために大切な情報となります。
ただし、過度に自己アピールをしてしまうと、顧客からの反感を招く場合もあるので、適切な説明の仕方にも注意が必要です。
部署の課題
営業資料の部署の課題には、企業の営業成績を上げるために、営業部署の課題や問題点を詳しく説明する項目が含まれます。
具体的な数字や事例を用いて、営業活動における課題や改善すべき点を明示することで、営業成績の向上につながります。
また、部署の課題に対して、どのような解決策があるのか、またその効果がどのように見込まれるかを提示することで、具体的なアクションプランを提案することも重要です。
担当の課題
この項目では、その担当者が抱える問題を明確にし、解決策や改善案を提示することで、営業チームの生産性向上、ひいては担当者個人の能力や責任感を高めることができます。
担当の課題は、営業チーム全体の生産性を向上させるために、重要な構成です。
サービス紹介
「サービス紹介」は、その企業や商品・サービスについての情報を詳しく説明する項目です。
この項目では、サービスの特徴や利点、提供される価値や付帯サービス、料金体系、利用方法などの詳細を伝えることが重要です。
また、競合他社と比較しながら、自社のサービスの優位性をアピールすることも必要です。
顧客が企業のサービスに理解を深め、興味を持つためには、分かりやすく簡潔な文章とわかりやすい図表・画像等が含まれていることが大切です。
サービス紹介詳細(強み・特徴)
この項目では、顧客の問題やニーズに対してどのような価値提供ができるかを説明し、サービスの特徴を強調します。
具体的な実績や成功事例、顧客からのフィードバックなどを示し、サービスの信頼性を高めることが求められます。
また、競合他社との比較や差別化点を明確にすることも重要です。
そのため、多角的な視点からの強みの分析が必要になります。
競合比較表・ポジショニングマップ
この項目では、各競合サービスとの違い、自社サービスの利点、他社との差別化ポイントなどを明確に示すことが必要です。
また、ポジショニングマップは、自社と競合他社を比較した上で、自社の戦略的な位置づけを可視化したもので、ビジュアル的に共通認識を持つことが容易になります。
導入効果
「導入効果」は、自社の商品やサービスを導入することでどのようなメリットがあるかを説明する項目です。
具体的には、コスト削減効果や生産性向上効果、顧客満足度向上効果などを示すことで、顧客に対して自社の商品・サービスの価値を訴求します。
また、過去の事例や顧客の成功体験を交えて、説得力を高めることが重要です。
導入効果を説明することで、顧客が自社の商品・サービスに興味を持ち、導入を検討するきっかけになることが期待できます。
事例紹介
「事例紹介」は、自社が提供する商品やサービスを実際に利用して成功を収めた顧客の事例を紹介する項目です。
具体的なケーススタディを紹介することで、商品やサービスの効果や利用方法を実証し、顧客の信頼を獲得できます。
また、事例があることで、すでに顧客にその商品やサービスの利用を検討している場合には、より具体的な成功事例に触れ、導入の決心を促すことができます。
料金
「料金」は、自社の商品やサービスに対する料金プランや価格設定に関する情報を掲載する項目です。
料金の詳細について明確に示すことで、顧客が自社の商品やサービスを選ぶ際の判断基準として確認できます。
また、料金プランは、初めて商品やサービスを利用する顧客にとって選びやすくするために、明快な表や比較シートで示すことも有効です。
さらに、価格に対する競合他社の情報を加味し、自社の商品やサービスがコスト面でも優位に立つような比較表も作成できます。
費用対効果・コストシミュレーション
「費用対効果・コストシミュレーション」は、自社の商品やサービスを導入した場合に、顧客が得られるメリットとそれに対する費用やコストを比較する項目です。
これにより、顧客にとって自社の商品やサービスがどのようにコスト削減や効率化に貢献するかを示し、導入を促すことができます。
ご利用の流れ
「ご利用の流れ」は、顧客が自社の商品やサービスを使うために必要な手続きや流れを示す項目です。
具体的な利用方法や手順、必要な文書や申請書類、提出期限などを示し、顧客がスムーズにサービスを受けられるよう支援することを目的としています。
また、対象とする顧客層や利用目的によって異なる場合があるため、明確に表記し、わかりやすく説明することが重要です。
FAQ
「FAQ」は、顧客からよく寄せられる疑問や質問に対する回答をまとめた項目です。
よくある疑問や誤解を解消し、顧客とのコミュニケーションを円滑にし、製品やサービスの理解を深めることができます。
また、FAQの作成によって、顧客からの問い合わせに対応する負荷を軽減することもできます。
FAQは、商品やサービスの詳細について理解を深めたい顧客、返品やクレームについて疑問がある顧客など、幅広い層の顧客にとって有益な情報源となります。
会社概要
「会社概要」は、自社の基本的な情報をまとめた項目です。
企業名、所在地などを改めて記載します。
これを紹介することで、自社の信頼性や社名などを印象深く伝えることができます。
CTA
「CTA(Call To Action)」は、読者に直接的な行動呼びかけをする項目のことです。
たとえば「お問い合わせはこちらから」「カタログのダウンロードは以下のURLから」など、具体的なアクションを促す文言を記載することで、読者の反応を促します。
CTAはボタンやリンクにすることもあり、その場合はデザインや色の工夫がされます。
営業資料作りのポイント
次に、営業資料作りのポイントを紹介します。
以下9つのポイントを押さえることで、営業資料が格段に見やすく、わかりやすくなります。
- 顧客のニーズを明確にする
- 顧客に商品やサービスを導入後のイメージをさせる
- リスクやデメリットも記載する
- ストーリー設計を考える
- 1スライド1メッセージにする
- ビジュアルをメインにする
- 数字でインパクトを与える
- フォントと文字の大きさに注意する
- Zの法則、Fの法則を意識する
それぞれ解説していきます。
ポイント①顧客のニーズを明確にする
自社の商品やサービスがどのような問題や課題を解決できるかを明確にし、それに対する顧客のニーズや要望をしっかりと把握することで、顧客が抱える問題や課題に対して適切な提案ができ、顧客からの信頼を得ることができます。
また、顧客ニーズを把握することで、商品やサービスの改善点や新たな開発の方向性を見つけることもできます。
ポイント②顧客に商品やサービスを導入後のイメージをさせる
顧客に商品やサービスを導入後のイメージをさせることは、自社の商品やサービスを導入した顧客が得られるメリットや効果を、具体的にイメージさせることを指します。
具体的な顧客の声や、事例を紹介することで、顧客にとっての価値やメリットを伝え、商品やサービスに対する需要を高めることができます。
ポイント③リスクやデメリットも記載する
自社の商品やサービスを紹介する際、その利点だけでなく、デメリットやリスクについても客観的に説明しましょう。
これは顧客との信頼関係を構築するうえで重要なポイントであり、顧客が自社の商品やサービスを導入する際のリスクを最小限に抑えることができます。
ポイント④ストーリー設計を考える
魅力的なストーリーは、商品の利点を示すだけでなく、顧客の問題や課題を解決する方法を提供し、購入の必要性を説得力があるものにします。
ダサいデザインでは、がっかり感を抱かせてしまいますが、洗練されたデザインというのは、読み手に期待感を抱かせてくれます。
そしてその期待感というのは信頼感にもつながります。ですから、そのために優れたデザインにすることが大切なんです。
では、次の章から優れたデザインにするための方法をお伝えしていきます。
-
ストーリー設計は、営業資料だけでなく、プレゼンやマーケティングにも応用できます。
ポイント⑤1スライド1メッセージにする
営業資料をはじめとしたすべての資料は、見やすいデザインでなくてはいけません。
ごちゃごちゃとしたわかりづらいデザインで読み手を迷わせたりしてしまっては、読み手の脳に負担をかけてしまいストレスを与えてしまうだけです。
できるだけ見やすく、読み手にストレスを与えないデザインが好ましいといえます。
1スライドに1メッセージにすることで、相手に伝えたい情報が明確化され、相手にとって煩わしい情報の過多を避け、わかりやすいプレゼンテーションが可能となります。
また、印象に残りやすくなるので、覚えてもらいやすくなることもメリットです。
ポイント⑥ビジュアルをメインにする
- たとえば、美味しいパンケーキを友人に紹介するとき、いろいろと説明して言葉だけで伝えるよりも、
1枚の写真を見せてしまった方が、遥かに多くの情報を伝えることができます。
言葉だけで説明する場合、自分のイメージを共有することは難しいですが、写真やグラフ、イラストを使って説明することで、
より多くの情報を簡単に正確に伝えることができるんです。
このように優れたデザインは、視覚で訴え、余計な説明を省き、資料を読む人の脳の負担を減らしてくれるものなんです。
ただし、あまりに派手なデザインや画像になりすぎると、逆に情報を伝える効果が下がってしまうこともあるので、程よいバランスを保つ必要があります。
ポイント⑦数字でインパクトを与える
数字は客観的で説得力があり、相手が納得しやすいため、営業資料に盛り込むことにより信頼性や説得力を高めることができます。
ただし、数字だけを示すのではなく、その数字が意味する背景や目標を明確にし、相手にとって重要な数字に絞って提示することが重要です。
ポイント⑧フォントと文字の大きさに注意する
大きすぎたり、小さすぎたり、読みにくい書体を使用すると、相手に伝わらず、逆に印象を悪くすることにもなりかねないため、注意が必要です。
また、適切な行間や文字間隔も重要です。
ポイント⑨Zの法則、Fの法則を意識する
「Zの法則・Fの法則」は、読者の視線移動に合わせたレイアウトを作るための考え方です。
Zの法則は、左上から右上、右下へと読み進むラインでレイアウトを構成する方法で、Fの法則は、上部から下部にかけての重要な情報を配する方法です。
このような法則に基づくレイアウトは、読者の理解をスムーズにし、情報を効果的に伝えることができます。
営業資料は9つのポイントでレベルアップ
見やすい営業資料を作成するポイントは、フォントや文字の大きさ、レイアウト、色使いなどを適切に調整し、読者の視線移動に合わせたデザインにすることです。
また、画像やグラフを活用して数字や情報を視覚的に理解しやすくすることも重要です。
読み手にとってわかりやすく、興味を引くデザインが、貴社のメッセージを伝える力を高めます。
デザインで気を付けるべきポイント
デザインで大切なのは第一印象です。
よく、人でも「第一印象が大切」なんて言われますが、デザインの場合もっとシビアです。なぜなら、第一印象はあまり良くなかったけど「ちゃんと話してみると良い人だった」というのとは違い、デザインの場合、第一印象が最悪ならその後に読み進めてもらえたり、商品を購入してもらえる機会を失い、その後戻ってくることがほとんどなくなってしまうからです。
人の場合とは違って、そのギャップに好意を感じることはほとんどないんです。
では、どんなデザインを避けるべきなのでしょうか?
第一印象の悪いデザインとは次のようなデザインです。- 色の組み合わせが悪い
- 文字が読みづらい
- 一貫性がない
- 視線の動きが考慮されていない
こうやって見てみると、明らかに良い印象は受けないですよね。
逆に言えば、これらのデザインを避けることができれば、印象の良いデザインを作れるようになります。
色使いは難しくない
色使いって難しいと思いますよね。
でも大丈夫です!使う色を黒やグレーを除いた2色に絞ることで簡単に色を扱うことができるんです!
使う色を2色に限定することで、色に悩むこともありませんし、ごちゃごちゃとした印象の色使いになることもありません。
じゃあ、どうやって使う色を選ぶのかというと、まずはメインカラーを決める必要があります。
メインカラーは営業資料の場合、あなたの会社のコーポレートカラーを使うことが一番ベストです。
コーポレートカラーを使うことで、一貫性が保てますし、ブランドイメージの強化にもつながります。ただし、扱う商品やサービスによってコーポレートカラーを使わない場合もあります。
コーポレートカラーがコカコーラのように「赤色」だったとして、環境に関する商品を扱っている場合、「緑色」や「青色」を使った方が、違和感のない営業資料を制作できるかもしれません。メインカラーを選んだら次にサブカラーを選びます。
サブカラーとは、表現の幅を広げるために必要な色であり、色を変えて強調したい部分に使用する色です。サブカラーの選定方法は補色を選ぶことで、印象の良い色使いを実現できます。
補色とは下図にある色相環のなかで反対に位置する色のことを指します。
たとえば、水色の反対には赤色が位置していますよね。そしてこれらが補色の関係となります。
紺色の場合に黄色が反対にあるので、これらが補色の関係です。あなたの会社のコーポレートカラーが水色だったら、赤色を補色として使うことで、見やすい色使いができるんです。
ただし、気をつけていただきたいことが1点あります!
それは、補色同士は相性が良いと同時に、喧嘩もしてしまうということです。
補色同士が良い位置関係にいる場合にはそれらの良さを引き立ててくれますが、補色同士が重なった位置にあると目がチカチカして逆に見づらくなってしまうことがあるので、気をつけてくださいね。(補色同士を重ねても喧嘩しない色の組み合わせもあります。)
彩度について
もうひとつ色について知っておいていただきたいのが色の彩度をコントロールすることです。
◾️彩度とは
「彩度」とは色の鮮やかさを表す属性のことです。彩度が高い色は鮮やかな原色となり、彩度が低くなるにつれて、くすんだ色味に変化します。
彩度をコントロールすることで、多彩な表現を可能としながら、統一感のある色使いをすることができます。
彩度の変更方法については、使用するソフトで異なってきますが、パワーポイントでしたら下記方法によって変更することができるので、是非参考にしてみてください。
【パワーポイントでの彩度の調整方法】色の使い方についてもっと知りたい方はこちら↓↓↓
一貫性のあるデザイン
デザインは全てのページを通して一貫している必要があります。
デザインが一貫していないと、チグハグな印象を与えてしまい、見ていて疲れるだけではなく、会社としての信頼も損なってしまう恐れがあるからです。
デザインを一貫させるためには、まずは色使いが重要です。
先述したように黒とグレーを除いた2色のみを使い構成していけば、大きな間違いを犯すことなく、一貫したデザインの資料を制作することができます。もちろん、4色を使ったり、あるページではデザインのテイストがガラッと変わったりするデザインもあります。
ですが、あまり慣れていない場合には、2色のみを使うことに集中した方が良い資料を制作することができます。
また、一貫性という意味では、色だけではなく、イラストや写真にも気をつけなければいけません。
このようにイラストや写真でも、それぞれのテイストが揃っていないと、バラバラな印象を与えてしまいます。
さらに、言葉の一貫性にも気をつけるようにしましょう。
同じ資料のなかで、「お客様」と書いてあったり、「御社」と書いてあったり、「クライアント」と書いてあったりと、同じ意味だとしても、読み手を混乱させてしまいます。
他にも、尊敬語と丁寧語を混同して使わないようにしましょう。
「来てください」と「お越しください」のように表現が違うものも混乱させてしまいますので気をつけてくださいね!そんな細かいこと気にするな、と思われるかもしれませんが、そういった細かい部分を修正していくことで、良質な資料へと変わっていくんです。
デザインとは引き算で制作すること
デザインというのは、どんどんと要素を足していって綺麗に仕上げていくイメージがあるかもしれません。
デザインに慣れていない人は紙面に空白があるとそれを埋めようとデザインしていきます。しかし多くの場合、装飾を足していった結果、ごちゃごちゃとした印象を与えるデザインになってしまうことがあります。
そうならないためにも、デザインの引き算、つまり装飾を取り除いていく作業が必要になってくるんです。
必要ではないものを取り除いていくことで、すっきりとして見やすいデザインにすることができるんです。
紙面という限られたスペースに余白があるともったいなく感じ、空白をなんとか埋めようとする気持ちもわかりますが、情報が詰め込まれた資料は読み手をうんざりさせてしまいます。
デザインにとって余白とは、恐るべき対象ではなく、歓迎すべき対象です。
余白があることで、伝えたいことがより強調されますし、空白があることで読み手のストレスも軽減してくれます。
真っ黒な紙に、真っ黒な字を書いても読めないですよね。
余白があるから、文字がはっきり読めるようになるんです。だから、余白を恐れず、余白の存在を受け入れてみましょう!
きっと、それまでのデザインとは違った、素敵なデザインを生み出すことができると思います。
デザインの引き算とは、シンプルにするということです。もしもシンプルなデザインや表現についてもう少し詳しく知りたい方はこちらの記事をご覧ください
文字は読みやすいことが大前提
営業資料の目的は、商品やサービスの価値を十分に伝え、理解してもらうことで、商品やサービスを購入してもらうことです。
絵画やアート作品であれば、内容を理解されなくても、価値を見出すことができますが、営業資料の場合は、情報を間違いなく受け取ってもらうことが大切なんです。
そのためには営業資料に記載されている文字は読みやすくなくてはいけません。
「いやそんなの当たり前でしょ!」
と思われるかもしれませんが、案外この間違いを犯してしまいがちなんです。確かに画像の上に文字を配置すると、デザイン性が高くなりますが、上図のように、ただ画像の上に文字を置いた状態だと、読みづらいデザインになってしまいます。
この場合には、写真の中で文字が読みやすくなる位置を探して配置したり、思い切って写真から外して文字を配置するということも検討する必要があります。
このように対処することで、文字の視認性が高まりますし、写真の邪魔をすることもありません。
そして、もうひとつ注意してもらいたいことがありますっっ!
それは文字にフチをつけない、ということです。
文字に白いフチや黒いフチをつけると確かに文字は読みやすくなります。ですがっっ!!
それはデザイン的にカッコ良いとはいえず、野暮ったい印象を与えてしまうんです。
AppleもGoogleも高級ブランドのホームページなどを見てみると、文字にフチをつけたりしていませんよね。
どうしても画像の上に配置したいという場合には、文字を置く背景の画像を暗くしたり薄くしたり調整して、視認性を高めるようにしましょう。
どうすれば見やすくなるのか。
営業資料を読んでくれるお客さんの立場に立ってデザインを考えるようにしましょう。レイアウトの原則について
何もない真っ白な紙面にレイアウトしていくのは難しく感じますが、ちゃんとルールを作っておけば、レイアウトは決して難しくないので、一緒に見ていきましょう。
まずは、ページごとの上下左右の余白を決めます。
次にページ内のカラムを設定していきます。
カラムとは段組みのことです。だいたい2カラム〜4カラムで作成するとデザインしやすいと思います。
カラムを設定する場合には各カラムの隙間をある程度開けて、カラムがちゃんと独立して見えるようにしましょう。
カラムが設定できたら、この中に収まるようにコンテンツを配置していきます。
カラム数はページごとに合わせる必要はありません。
1ページ目は2カラムで、2ページ目は4カラムだったとしても問題はないんですが、カラム同士の隙間だけは全て揃えておくことで、統一感を演出することができます。
カラムを設定することで、バラバラとした印象のレイアウトを避けることができますし、制作する方も、あまり悩まず楽に作業することができますので、必ず設定するようにしてくださいね!
視線の動きを考慮する
私たちは雑誌や広告を見るとき、Z型に視線が動きます。
これを「Zの法則」といいます。
はい。そのままです。このZの法則は広告業界でよく使われている言葉で、多くの媒体ではこの法則に従い、一番伝えたい言葉を上部へ配置しています。
Zの法則とは、左上→右→左下→右と「Z」の順番に視線が動いていく法則のことです。
また、Webデザインの世界では「Fの法則」も存在します。
「Fの法則」ではまず左上に目線がいき、次に右へと視線が移り、また左に目線がいき、下に目線を下げてからまた右へと視線が移る運動を繰り返すことです。
ここまででお分かりのとおり、どちらにしても一番最初に左上に視線が注がれるということです。
つまり、そのページで一番伝えたいことは上部に配置することが望ましいということなんです。
これはライティング技術の考えでも同じで、結論を先に伝えてから説明する、というものがあります。結論を先に伝えることで読者の興味をひくことができ、先を読み進めてくれるからです。
レウアウトする際には、是非この法則を活用してみてくださいね。
営業資料のデザインについてのまとめ
デザインは決して難しいものではなく、ちょっとしたルールを覚えてしまえば、そんなに凝ったデザインを作る必要はないんです。
でも一つだけ、これだけはお伝えしておかなければいけません。
それは最初から簡単に作ったものが最高の営業資料になるわけではない、ということです。本当にシンプルで見やすく理解しやすいデザインというのはたくさんの試行錯誤の中から生み出されます。
最初から、簡単に作ってしまうのは、ただ手を抜いているだけです。どんな構成が良いのか、どんなデザインが良いのか、どんな内容が良いのか、どんなレイアウトが良いのかなどを、たくさん考えて考え抜いた結果、お客さんに伝わる営業資料ができあがるんです。
デザイン自体を難しく考える必要はありませんが、簡単に済ませてしまうことだけは避けて制作してもらえればと思います。
監修者
<略歴>
武蔵野美術大学卒業後、東京都港区赤坂の設計事務所にてプレゼンテーション業務に従事。数億円のオフィスビルから数百億円の都市開発事業などの提案書およびプレゼンテーション資料の作成を手がける。
2016年より会社を設立し、2018年よりマーケティング、セールスライティングを取り入れたプレゼンテーション資料制作、コンサルティング事業を開始。
現在はプレゼンテーション資料を中心に広告やチラシ、営業資料などの様々な資料を手がけ、資料制作講座も開き、資料制作の方法なども伝えている。
⇒主な制作事例はこちら - たとえば、美味しいパンケーキを友人に紹介するとき、いろいろと説明して言葉だけで伝えるよりも、