提案内容は完璧なはずなのに、商品を買ってもらえない・・・
ちゃんと全てを伝えているのに、お客さんの反応が悪い・・・
こういったことってありますよね。
それはなぜなんでしょうか?
その原因はあなたが一生懸命、お客さんを説得しようとしているからです。
もちろん説得することは大切ですが、本当に大事なことはお客さんに「納得」してもらうことです。
一生懸命、お客さんを説得して説き伏せても、商品やサービスを購入してもらうことは難しいです。
なぜなら、頭で理解しても感情が動かないからです。
ですから、説得するだけではなく、ちゃんと納得してもらえるようなプレゼンをしていきましょう!
誰でも簡単にきれいなプレゼン資料が作れる
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目次
説得ではなく納得させろ
あなたは喫煙者ですか?
非喫煙者ですか?
もしあなたが喫煙者なら、今から私の話にしっかりと耳を傾けて聞いてください。
タバコには4,000種類以上の化学物質が含まれています。そのうち有害となる物質は200種類以上もあります。
しかもこれらには発ガン性物質が含まれているのです。
また、タバコを吸うことで、体内組織が酸素欠乏になり動脈硬化が進み、脳卒中・急性心筋梗塞などを発症する危険度が高まります。
さらに肺ガンのうちタバコが原因とされる肺ガンの割合は約70%になるのです。
さらにさらに、タバコを吸えば吸うほど、死亡リスクが高まっていくのです!!!
つまりタバコは100害あって1利なしなのです!!!
どうですか?
タバコやめる気になりましたか?
ならないですよね。
「ってか、この前テレビで90歳のヘビースモーカーのおじいちゃん見たし!」
とか言って、タバコ吸い続けますよね?
運動はどうですか?
生活習慣病の予防や集中力の向上、アンチエイジングなど良いことづくめであることに疑いの余地はありませんが、運動できないですよね。
そうなんです。
理屈ではわかっているんです。
タバコにはリスクしかないことも、運動には多くのメリットがあることも。
でも理屈に従いません。
なぜなら、私たちは、説得されても納得しなければ行動しないからです。
なっとく
【納得】
《名・ス他》他人の考え・行為を理解し、もっともだと認めること。 「教授の言葉に―した」
さらに付け加えるなら、納得すれば自分の意思で行動するようになります。
つまり説得だけではなく、納得してもらえない限り、相手に行動してもらうことは難しいので、納得してもらえるように努力しないといけないのです。
お客さんを正論で言いくるめて、議論に勝ったところで商談がまとまらなければ、それはなんの意味もないんです。
理屈だけでは売れない
理屈が正しければ「確かにそうだ」と思わせることはできますが、人を動かす力は持っていません。
争いはよくない、ということは誰でもわかることです。
夜更かししたら、次の日の朝起きるのが辛いというのは誰でも経験しています。
衣食住に不自由していないことは幸せなはずなのに、もっと幸せを欲しがります。
理屈ではわかっているのに、感情がそれを許してくれないんです。
つまり、私たちの行動を司っているのは感情なのです。
そして、感情に働きかけるために、「納得」させる必要があります。
古代ギリシャの哲学者であるアリストテレスは『弁論術』の中で、人を説得するのに3つの要素が必要であると説いています。
それが以下の3つです。
- エートス(話し手の好感度や信頼性)
- パトス(聞き手の感情を誘導すること)
- ロゴス(論理的に証明すること)
1.エートス(話し手の好感度や信頼性)
エートス(話し手の好感度や信頼性)とは見た目や清潔感だけのことではありません。
あなたが何者で、なぜそこに立っているのかを伝えなくていけません。
そのためには、あなたのストーリーを語ることになります。
ある銀座のホステスさんはお金持ちと結婚するのが夢だといいます。
これだけ聞くと「どうしようもねー夢だな」と思うかもしれませんが、彼女は母子家庭で育ち、食べるものに困るほどの貧乏だったそうです。
でも、母親に楽をさせるために、銀座のホステスになってお金持ちと結婚することを決意し、一生懸命勉強し、知識と教養を身につけ、美を追求し、どん底から這い上がり、今では銀座で有名なホステスになったのです。
その人の表面だけを捉えようとすると、見えないものがあります。
中身を見てもらうにはあなたが直接語るしかありません。
どんなビジョンがあるのか、どんな経緯でその仕事をしているのか、どんな想いをもっているのか、などを語ることで、あなたの好感度や信頼性を得ることができるのです。
自己紹介について詳しくはこちら↓↓↓
2.パトス(聞き手の感情を誘導すること)
機能やスペックだけでは、お客さんの感情は動かされません。
感情を動かすためには、お客さんにとってどんなメリットが生まれるのかを伝えるべきなんです。
お客さんが欲しがっているのは、商品そのものではなく、商品を購入することによってもたらされる結果のみだからです。
よく使われる例えですが、私たちは、ドリル自体が欲しいから買うのではなく、木の板に穴を開けたいからドリルが欲しいのです。
ですから、ドリルの形が「かっこいい」とかドリルの回転が「1秒間に何回」とかにあまり興味はありません。
そんなことよりも、どれだけ簡単にこの分厚い板に穴を開けることができるのかを知りたいんです。
このようにその商品のスペックだけではなく、その商品を使用することで得られるメリットを伝えることが大切なんです。
いかに相手の感情に働きかけ、商品・サービスの購入まで自主的に行動をしてもらえるかが大切なので、「説得」して頭で理解してもらうだけではなく「納得」して心で感じてもらうために、お客さんが得られるメリットを伝えるようにしましょう。
聴き手のメリットについて詳しくはこちら↓↓↓
⇒参考:「プレゼンではお客さんのメリットを伝えることが一番重要!」
3.ロゴス(論理的に証明すること)
好感が持てる話し手で、感情を動かされるような提案だったとしても、根拠(証拠)がなければ信用できません。
「運動しなくても、飲むだけで痩せるサプリ」があったとしても、証拠を見せてもらわないと誰も買いませんよね。
だからこそ、なぜそんなことが言えるのかを、科学的根拠や実績、具体的な数字などで、ちゃんと説明していかなければいけないんです。
説得に必要なのは根拠
どんなに感情に訴えかける言葉を並べてもその根拠がなければ
「いや信じられないんで」
となってしまいます。
「このセミナーを受講すれば、あなたのセールストークスキルが格段に向上します。
セールストークが向上すれば、今まで苦手だった営業も嘘みたいに楽しくなりますし、上司の信頼も得ることができますよ!
費用は今なら3万円です」
などと言われたところで、お金を払うわけありません。
なぜなら、『根拠』がないからです。
例えば、パーソナルトレーニングジムのRIZAPはテレビCMで体が劇的に変わったお客さんの実例を見せることで、インパクトを与え成功しました。
どのように体が変化するのか実例で見せたことにより、必ず変われるという根拠を示し、見込み客を納得させたのです。
説得されるのを嫌う人には両面提示
もしかしたらあなたは、
「なんか、コイツいいことばっかり言って、胡散臭いんだよな〜」
と相手を疑ってしまうタイプの人ですか?
騙されることに敏感で、相手に言われて行動するのを嫌うタイプの人を説得するのは相当難しく感じますよね。
この点に関して、瀧本哲史さんは著書『武器としての決断思考(星海社新書)』の中で、「自律的決定にこだわる人」として説明しています。
「自律的決定」にこだわる人とは客観的に見たときに自分の判断が正しいかどうかより、「自分で決めた」ということのほうに重きを置くタイプのことです。
交渉中に「話がうますぎる」と頻繁に疑う人は。このタイプであることが多いでしょう。「自分は騙されているんじゃないか」とすぐに考えて、人から意見されること自体を好みません。
〜中略〜
交渉相手がそういうタイプだった場合は、説得することを諦めたほうがいいでしょう。
説得しようと思うと、「騙そうとしているのではないか」「うまいこと言って、言いくるめようとしている」とますます頑なになりがちです。
では、このような相手を説得することはできないのでしょうか?
瀧本さんによると、こういったタイプの中でも、「情報を自分で使いこなす力」が強い人ほど、自分の頭の良さや判断力に自信を持っているので、できる限りたくさんの情報を集めたうえで、自分で判断して決定したいと思っているとのことです。
そのため、プラスとマイナスの情報を「両面提示」されることを好む、と説明しています。
「この商品にはこういったメリットがあります。ただし、このようなデメリットもあります」
とメリットとデメリットを伝えることで、誠実な印象を与えると同時に多くの情報を与えることで、相手は与えられた情報の中から自分で答えを導き出すという「自律決定」をすることができるんです。
たとえば、
ただ、電気代が多少かかってしまいます。」
とデメリットも伝えてあげるのです。
ただし、これではデメリットが目立ってしまいます。
なぜなら、最後に与えられた情報の印象が強く残ってしまうからです。
ですからデメリットを伝える場合には、メリットとメリットの間にはさむ方法がベストだといえます。
ですが、それよりも水道代が節約できますので、トータルで見るとお得ですし、短時間で洗濯が終わりますので朝の忙しい時間でも洗濯機を回すことができます。」
といった具合にデメリットをメリットではさむように両面提示するようにしてください。
そうすれば、お客さんは、デメリットも考慮したうえで、商品の購入を判断するので、疑い深い人も購入後の後悔が少なく満足度が高まります。
説得の成功率を高める方法
動画を頭にインストールさせる
人は何か説明を受けた時に、自然と頭の中でその情景を想像します。
よく、小説が実写化された時に、
「えっ!主人公は茶髪だったの!」
「想像していたよりも大きな人だった」
といったイメージとの違いが出てきたりしますよね。
自分では意識していなくても、実写化された時にはじめて、「自分はこれとは違うイメージを持っていたんだ」と気付かされるのです。
このように私たちは自然と頭の中で想像してしまう性質があるので、商品やサービスの説明を受けているときに、それを購入した後の自分を想像することも当然のことだといえます。
ロレックスやエルメスなどの高級品はその最たるものですよね。
機能面よりも、購入した後にその商品を持っている自分を想像して、テンションが上がるんです。
なので、商品の説明をするときに購入した後のことを、具体的にイメージできるように伝えて疑似体験させてあげることで、商品の魅力がより伝わりやすくなります。
たとえば次のような宣伝はいかがでしょうか?
悪くはないですよね。
朝から美味しいパンが食べられるところを想像してワクワクします。
では、もっと具体的に情景を描写したらどうでしょうか?
バターを添えれば、まるで高級ホテルの朝食のような芳醇な香りと幸福感で忙しい朝も満たされた気持ちから始めることができます。」
どうですか?
後者の説明の方がより詳しく頭の中で描写することができたのではないでしょうか。
それによってイメージをしやすく、トースターの存在をリアルに感じることができます。
なぜ、情景が浮かぶように詳しく説明する必要があるのかというと、想像してもらうことを相手に委ねてはいけないからです。
人によって想像力やイメージする方向性が変わってしまいますので、本来伝えたいことを十分に伝えきれないかもしれません。
さらに、私たちは脳に負担をかけることをあまり好まないため、より深く想像しようとはしません。
だから具体的に描写することで、伝える側と伝えられる側とでイメージが共有できるように努めるべきなんです。
もしかしたら、「詳しく情景を描写する必要はわかったけど、詳しく伝えようとすると長くなるから、嫌がられるのでは?」
と懸念する方もいるかもしれませんが、そんなことはありません。
もちろんダラダラとわけのわからないことを説明されるのは苦痛ですが、聞いていてワクワクするような説明なら、長くなることは決して悪いことではないのです。
アメリカの広告界で多くの結果を残しているドルー・エリック・ホイットマン氏は
「時間と言葉を多く費やすほど、説得力は増す。」
と言っています。
ただし、確かに長文には危険もはらんでいます。
プレゼンテーションのコーチでもあるカーマイン・ガロ氏は
「長々しくてもったいぶった言葉を使う方が頭がいいと見てもらえると思いがちだが、現実は逆である。」
と言っているように、長々と意味のわからない難しい言葉で説明することは間違ってるのです。
相手の頭の中に情景をイメージさせるためには、難しい表現を使わず簡単な表現で具体的に「色・匂い・肌触り・味・音」など5感を刺激できるように意識して、言葉を考えていきましょう。
保証は強い説得力を発揮する
「保証」は商品やサービスの自信の表れでもあります。
買ってすぐに壊れるような商品に「5年保証」はつけないでしょう。
結果が得られないサービスに「返金保証」はつけられません。
もちろん保証をつけることで、クレームから逃れるためだという否定的な意見もあります。
とりあえず保証をつけておいて、もし壊れたり、満足が得られないのであれば、保証すればいいんだから、という考え方をしている企業もあるかもしれません。
それでも、保証は強力な説得力を生んでくれることに間違いはありません。
私たちが消費者の立場に立ったとき、最も恐れていることは「騙されること」です。
買ってみたけど、全然使えなかったり、痩せなかったり、美味しくなかったり、まったく期待はずれだったということはよくあることです。
でも、それは実際に購入して使用してみないとわかりません。
だからこそ、すでに購入した人たちの意見を知ることのできる「口コミ」には強い説得力が備わっていますし、どの企業も口コミを利用しています。
Amazonのように口コミを利用することが大きなビジネスになるほど、消費者は購入する前に購入しても大丈夫かどうか確認することが当たり前になっていました。
ですから、その心配を取り払うために「保証」をつけることが重要となってくるのです。
保証内容はいくつもありますので自分のビジネスにあった保証をつけるようにしましょう。
- 一部返金保証
- 全額保証
- 返品保証
- X年間メンテナンス無料保証
- 無償修復保証
- 使用X回まで保証
- X回まで修正作業無料
保証がついていれば、購入までの心理的ハードルが下がり、とりあえず購入してみようかという気持ちにもなります。
是非、説得に強い信頼感を与えるためにもどんな保証を付けることができるか、検討してみてください。
説得する時に気をつけたいこと
自信を持って伝える
相手を説得しようとしたら、大事なことは自信を持って伝えることです。
もちろん嘘の約束をすることは絶対にダメですが、多少のハッタリは必要だと考えています。
私は仕事柄、いろいろな起業家のプロモーションを見ていますが、ひとつだけ「絶対嘘だろ!」というものがありました。
それが「私の真似をすれば必ず100億円稼げる」というものでした。
ものすごくお金を使ったプロモーションをしていて、その中で何度もハッキリと自信に満ち溢れた態度で
「絶対に必ず100億円稼げるようになります」
と繰り返していました。
いや、絶対嘘だろ!
そんなことあるはずない!
と思えるのですが「ここまで自信を持って何度も繰り返し伝えているということは本当なのか?」と一瞬信じてしまいそうになりました。
100億円稼げる詳しい方法や根拠についての説明はまったくないにもかかわらず、です。
それほど自信を持って伝えることには強い効果があるのです。
だからこそ、自分の提案や販売しようとしている商品に対して自信があるのでしたら、ハッキリと言い切ることが大切です。
「おそらく、できると思います。」
「そうなると思います。」
なんて言われて、良い印象を受けるわけないですよね?
だったらハッキリと
「できます!」
「そうなります!」
と言い切ってしましょう。
もちろん100%はないかもしれません。
ほんの数%は失敗する可能性があるかもしれません。
それでも言い切ることが大切です。
もしもそれで、ケガ人が出たり、大きな借金を背負うようなことになるのでしたら、言い切ることは危険ですが、そうでない場合なら、気にせず言い切りましょう。
もし、本当に言い切ったうえで、その後失敗してしまったら・・・
全力で謝りましょう。
ハッキリ言ってそれしか方法はありません。
でも何度もいいますが、失敗する可能性に怖気付いて、自信のない言い方になることだけは絶対にやめてくださいね。
それでも言い切ることに恐れがあるのでしたら、言い方を変えるようにしてください。
お医者さんは、「必ず完治する」とは言いません。
ただの骨折などでは、「治る」と言ってくれるかもしれませんが、少し難しい病症や怪我の場合、「必ず」という言葉は使いません。
なぜなら、難しい症例の場合100%は存在しないことを知っていますし、患者さんに過度な期待感を持たせないようにしているからです。
責任逃れだと言えばそれまでですが、お医者さんが完璧では無いことは医者自身が認識しているのです。
でも、自信なさげには伝えませんよね?
「多分・・治ると思います・・」
なんて言われたら、絶対に違う病院に行きます。
絶対に治ることを約束してくれなくても、自信を持って
「100%全力を尽くします」と言ってくれるお医者さんに手術をお願いしたいですよね。
上記の例では、実は論点が変わってきています。
最初は
「治るか、治らないか」
を質問していたのに、いつのまにか
「全力を尽くすか、尽くさないか」
に変わっています。
正直なところ、全力を尽くすのは当たり前で、その先のことを約束して欲しいのですが、そんな疑問も吹き飛ばすほどの態度で発言されたら、信頼してしまいますよね。
もしも必ずできるという約束ができなくても、自信がある態度で、「100%は難しいですが、もしも不具合が出た場合には必ずバックアップします。」などと、自分にとって自信のある分野での約束するようにしてください。
ちなみに冒頭でお話しした「100億円稼がせる」という話は、無料でその方法を教えると言いながらもクレジットカード番号の入力を求めてきたので、この時点で怪しさ100億%になりました・・・
プレゼン・セールス時の説得についてのまとめ
商品やサービスを売る場面では、商品の機能や特徴を伝えて見込み客を説得しなければいけません。
ただし、説得だけでは買ってくれません。
なぜなら「納得」してもらわないと、自発的に行動してくれないからです。
そのため必要なことは、アリストテレスの提唱する
- エートス(話し手の好感度や信頼性)
- パトス(聞き手の感情を誘導すること)
- ロゴス(論理的に証明すること)
が必要なのです。
相手に信頼してもらうために、自分のストーリーを語り、相手にとってのメリットを伝え、感情を刺激します。
さらに、根拠となる証拠を伝えることで、嘘でないことを証明しましょう。
プレゼンやセールストークが苦手だと感じている方は、あまり難しく考えずに、まずはシンプルにこの3つのことに集中してみてはいかがでしょうか?
あなたの商談が成功することを願っています。 監修者 <略歴> 武蔵野美術大学卒業後、東京都港区赤坂の設計事務所にてプレゼンテーション業務に従事。数億円のオフィスビルから数百億円の都市開発事業などの提案書およびプレゼンテーション資料の作成を手がける。
2016年より会社を設立し、2018年よりマーケティング、セールスライティングを取り入れたプレゼンテーション資料制作、コンサルティング事業を開始。
現在はプレゼンテーション資料を中心に広告やチラシ、営業資料などの様々な資料を手がけ、資料制作講座も開き、資料制作の方法なども伝えている。
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