会社案内の作成が決まったら、その予算を組むために費用の相場を知る必要があります。
「制作費の内訳は?」「どんなところへ頼んだらよいのか?」「少しでも安く作る方法はないのか?」
今回はそうした疑問にお答えすべく、制作費の項目別内訳や依頼先選びのポイント、料金を抑えるコツについて詳しく解説します。
読む人にアピールする、美麗で内容充実の会社案内をリーズナブルに制作したい担当者の方はぜひご一読ください。
目次
【種類別】会社案内作成の費用相場
会社案内の作成費用の相場は、種類別に異なります。
それぞれ見ていきましょう。
なお、会社案内はパンフレットスタイルが一般的ですので、ここではその呼称に統一します。
二つ折りパンフレット
もっとも簡易な二つ折りパンフレットの作成費用は、5万〜20万円ほどです。
安価な理由は、“1枚の紙に折り目をつける”“ほかの種類と比べて工程が少ない”ためです。
ただし、サイズが大きい場合や、デザインが複雑なものは費用が跳ね上がることがあるので、企画の段階でサイズとデザインを決めたら変更なしでいきましょう。
三つ折りパンフレット
三つ折りパンフレットを作成する場合は、8万〜20万円ほどかかります。
丈夫でコンパクトに収納できるため、二つ折りよりも作成コストのボトムが高くなります。
扱いやすい3分割の体裁のため、飲食店や観光業界などのパンフレットでよくみられるタイプです。
中綴じパンフレット
中綴じパンフレットの作成費用は、20万〜40万円と一挙に跳ね上がります。
ホチキスやノリなどで綴じる作成工数がかかる分、コストが高くなるためです。
安っぽく見えない本格的なパンフレットになるので、会社説明会で自社の紹介や、商品やサービスをプレゼンテーションする資料として使えます。
【会社規模別】会社案内作成の費用相場
会社案内の制作費の相場は、制作会社の規模(従業員数)によっても異なってきます。
大きく3つに分けて、見ていきましょう。
小規模会社(従業員5人程度)
小規模会社は人数が他の企業よりも少ないので少数精鋭となる分、デザインのクオリティには安定感があります。
小規模でも会社形態ですから、フリーランスよりは依頼する側も安心でしょう。
会社案内を依頼した場合の制作費用は、10万~20万円程度です。
なお、大量発注に対応できない傾向にあるため、事前に確認する必要があります。
中規模会社(従業員10~50人程度)
中規模会社は従業員数が小規模会社よりも多いため、クオリティも一定以上のものが期待できます。
制作費用の相場は20万〜30万円程度です。
小規模会社より人件費がかさむ分、費用は高めとなります。
大企業(従業員50人以上)
大企業は部署に分かれているため、さまざまな広告の種類に対応可能です。
会社案内以外にも。あらゆる広告を依頼することができます。
会社案内の制作費用の相場は、50万〜80万円程度と、会社規模の大きさから、小規模会社、中規模会社をはるかに上回ります。
必要な部数を念頭に、自社の会社案内制作にもっとも適した規模の制作会社に依頼することが費用を抑えるコツです。
【会社形態別】会社案内作成の費用相場
会社案内の制作を請け負っている会社には、いくつかの種類があります。
どこへ依頼するかによっても、制作費用は大きく変わってきます。
高い安いにはそれぞれ理由があるので、こだわりたいポイントと予算を天秤にかけて依頼先を決めましょう。
デザイン会社
デザイン会社に依頼すると、一般的に30万〜80万円ほどかかります。
依頼前に、以下のメリット・デメリットを確認しておきましょう。
【デザイン会社に制作依頼するメリット・デメリット】
・デザイン品質が非常に高い
・希望するイメージやレイアウトへの対応が柔軟
・品質が高い分、制作費が高額
デザイン会社は、デザインを専門としているため、洗練されたクオリティの高い成果物が期待できますが、その分、制作費も高くつくというわけです。
初めて会社案内を制作する場合は、多少の予算オーバーに目を瞑ってもデザイン会社を選択することをおすすめします。
実績やノウハウが豊富で、ディレクションも行ってくれる会社が多いため、予算を伝えればお任せで進行してくれます。
今後、パンフレットを制作するうえでの技術的・コスト的指標(上限)ともなるでしょう。
印刷会社
印刷会社に依頼した場合にかかる費用は15万〜30万円と、デザイン会社の半額程度の相場です。
【印刷会社に制作依頼するメリット・デメリット】
・印刷費を安く抑えられる
・制作〜納品まで短納期で対応している
・デザインのクオリティが安定しない場合がある
多くの印刷会社が自社直営の印刷工場を保有しているため、デザインから印刷までスピーディーに対応してもらえます。
印刷会社にも専任デザイナーを抱えるところがありますが、デザインデータは持ち込みで、というところや、グラフィックデザイナーに外注している会社も多くあります。
デザイン会社と比べると、デザインのクオリティや安定度、創作性が劣るのは否めず、その点がデメリットです。
限られた予算と期間のなかでパンフレットを制作したい場合には、おすすめの依頼先です。
広告代理店
パンフレットの制作を広告代理店に依頼すると、50万円以上の費用がかかることが多い傾向にあります。
広告代理店に依頼すると、コンサルタントとしてデザイン会社に外注することが一般的ですが、企業によっては自社でデザインを行ったりもします。
【広告代理店に制作依頼するメリット・デメリット】
・パンフレットに限らず、ウェブサイトの広告やプロモーション施策も依頼できる
・マーケティング力に優れ、宣伝効果に関するノウハウが豊富にある
・基本的に大部分を外注するため費用が高い
広告代理店に依頼すると、仕様変更時にスピーディーな対応が難しいという難点もありますが、予算を気にしなければ広告宣伝のプロに依頼する安心感は大きいはずです。
フリーランス
フリーランスで活躍している個人のデザイナーに依頼すると、費用は5万〜30万円程度と、デザイナーによって開きがあります。
【フリーランスに制作依頼するメリット・デメリット】
・企業への依頼よりも安価なケースが多い
・経験や実績が豊富なデザイナーに依頼できる場合がある
・デザイナーによるクオリティの差が大きい
個人で制作する分、人件費が抑えられ、中間コストなども発生しないため、制作会社に依頼するよりも安くつくことが多いですが、デザイナーによって料金はまちまちです。
個々のクオリティの差も大きく、突然連絡が取れなくなったりすることもままあります。
フリーランスのデザイナーを検討する場合は、過去の実績や評判をよく調べたうえで依頼したほうがよいでしょう。
パンフレット制作会社
パンフレットに特化した制作会社もあります。
なかでも、会社案内の作成に強みを発揮するのはフルオーダーのパンフレット制作を依頼できるタイプです。
このタイプであれば、紙面の企画、デザインだけでなく、事業内容に関するインタビューや原稿作成も任せられます。
専門用語に頼らず、事業内容をわかりやすく伝えられるパンフレットを求めている企業におすすめです。
費用は印刷費込で25万~30万円程度です。
また、パターン化したデザインのテンプレートを利用して、手軽かつリーズナブルにパンフレットを作成できるセミオーダーの制作会社もあります。
会社案内にかける予算を抑えたい場合や、仕様・構成がある程度決まっている場合などにはよい選択肢かもしれません。
費用は概ね20万円以下です。
会社案内の制作費用の内訳
次に、会社案内の制作に関わる費用の内訳を見ていきましょう。
個々の費用項目はおおよそ次の通りです。
会社案内制作費の項目別費用
費用項目 | 数量/単位 | 単価相場 | 合計金額概算 |
ディレクション費 | 3~5日 | 2万〜8万円 | 6万~40万円 |
デザイン賞 | 20ページ | 2万~3万円 | 40万~60万円 |
原稿制作費 | 18ページ | 1.5万〜3万円 | 27万~54万円 |
校正費 | 8ページ | 0.5~30円/字 | 1万~2万円 |
取材費 | 2日として | 1.5万〜5万円 | 3万~10万円 |
撮影費 | 2日として | 5万〜10万円 | 10万~20万円 |
印刷費 | 1,000部 | 100〜250円/部 | 10万~25万円 |
なお、ページ制作費と印刷費を含めた料金体系で運営している会社と、制作費、印刷費を別で提示している会社があります。
また、原稿制作費やディレクション費、写真撮影費はオプションとしている会社がほとんどです。
ディレクション費
ディレクション費には幅がありますが、パンフレット制作の企画から完成するまでの進行管理にかかるのは2万〜8万円ほどです。
具体的には以下の業務を依頼できます。
【ディレクターの主な役割】
・打ち合わせ(ヒアリング)
・プランニング・コンセプト設計
・企画書・提案書の作成
・デザイナー・カメラマン・コピーライターへの指示
・クリエイターのヒアリング対応
・進行管理業務(納期・スケジューリング)
・デザイン作成・原稿コピーライティング作成
・各工程の進捗管理(納期・スケジューリング)
・デザイン作成・原稿コピーライティング作成
・訂正・修正の管理業務など
ディレクターは、プロジェクトを統括する監督業務のような仕事です。
仕事範囲は非常に多岐にわたり、コピーライターやアートディレクターを兼任している人も多いです。
デザイン会社に依頼する場合は、パンフレット制作費用の10〜25%程度の金額と見積もりしておくとよいでしょう。
このディレクション費を削減してしまうと、全体の総括指揮がいなくなる分、クオリティの低下は避けられません。
デザイン費
デザイン費の相場は、依頼先によって幅があり、1ページあたり2万~3万円のところもあれば5万〜20万円というところもあります。
制作会社によって、1ページごとに費用を設定しているケースや日数で費用を設定しているところもあり、価格設定はさまざまです。
オリジナルのキャラクターやロゴ、イラストを作成する場合は、別途費用がかかります。
デザイン費が極端に安い制作会社は、修正回数が制限されていることが多いので、依頼する前に確認が必要です。
ページ数(ボリューム)が多くなればなるほど、1ページあたりのデザイン制作費の単価は安くなります。
コストとクオリティの、バランスが取れているデザイン会社を選びたいところです。
原稿制作費
原稿製作費は、1ページあたり1.5万〜3万円ほどです。
10ページ単位で値段が変動することが多く、デザイン費と同様にページ数が多いほど、1ページあたりの単価は低くなります。
原稿を自前で用意すれば、その量に応じて費用削減が見込めるほか、ライターにリライト(加筆・修正)を依頼してコストと労力削減を図る手もあります。
逆に、制作会社に掲載内容の企画から、ライティングを丸投げ依頼すると製作費は高くつきます。
校正費
校正費は、文字校正や色校正にかかる費用です。
依頼内容などによって変動しますが、1文字あたりの費用相場はそれぞれ次の通りです。
【校正作業別の費用相場(1文字あたり)】
・簡易チェック:0.5~2円程度
・文法チェック:2~5円程度
・ファクトチェック:5~10円程度
・英文などの対訳校正:3~30円程度
・薬事法関連の校正:5~15円程度
パンフレット制作の場合、これらの校正費用はデザイン料金に組み込まれているのが一般的です。
原稿制作費は、印刷入稿用の校正チェックなどさまざまな工数も加味したパッケージ料金というところが多いです。
ただ、校正を第三者に依頼する場合は別途項目で請求されます。
取材費
取材費の費用相場は1.5万〜5万円で、ディレクション費に含めている制作会社もあります。
取材は、コピーライティングを行うにあたり、より詳細な記事を作成するためのヒアリングです。
制作会社から派遣されたライターが、1日ないし2日ほどかけて原稿作成用の取材をしますが、その過程で資料開示や自社の担当者との共同作業を求められることもあります。
撮影費
撮影費は1日あたり、5万〜10万円かかります。
その内訳は概ね以下の通りです。
【撮影費に含まれる項】
・商品やサービスの撮影個数
・社員の撮影人数
・カメラマンの交通費
・カメラマンの宿泊費
プロのカメラマンに頼むと費用はかかりますが、会社のイメージアップになる会社案内ですから、この出費は予算に組み込んだほうがよいでしょう。
カメラマンとアシスタント、ディレクターと同道することも多くあります。
会社案内の多くは出張撮影となりますが、その場合はカット数よりも、日数単位で換算される料金システムになります。
印刷費
印刷費は印刷会社によって異なりますが、1,000部あたり10万〜25万円といったところが相場です。
印刷費用はカラーかモノクロ、サイズによって価格が変動します。
たとえば印刷の“色味”にこだわる場合は、彩度や明度などもオーダできる制作会社を選ぶとよいでしょう。
印刷する原稿の版下作成費がかかる印刷会社もあります。
会社案内の制作会社を選ぶ際のポイント
制作会社を選ぶ際には、プロジェクトに関わる人数、制作物の内容などを前提に、規模的にこなせそうな会社をいくつか選んで見積もりをとってみましょう。
時間がある場合には、直接話を聞いたほうが間違いありません。
見積もりをとったら、費用の安さだけでなく、その先の費用対効果も加味して制作会社を決定します。
またホームページを見て「ピンときた」というケースも意外と多く、その会社との相性が良い証拠かもしれません。
心惹かれる訴求内容であったら、まずその会社から検討してみてもよいでしょう。
制作会社を選ぶ際のポイントを、以下に列記していきます。
ポイント①制作する意図を明らかにする
どの会社に依頼するとしても、会社案内を新たに作る場合には、その目的を明確にしておきましょう。
具体的には、その会社案内はなんのために制作するのか、主に何に使用する前提なのか、といった目的・意図を明らかにすることです。
それによって、制作会社選びの大きな方針を決める第一歩となります。
ポイント②依頼内容を明確にする
制作会社にどこまで依頼するつもりなのか、事前に社内でコンセンサスを固めておきたいところです。
原稿作成や資料集めは自社で行うのか、依頼した企業に任せるのかなど、ある程度決めておかないと、最適な制作会社を選ぶことができません。
「制作する意図を明らかにする」「依頼内容を明確にする」など、この2点を踏まえて自社の会社案内制作に適した制作会社を選びましょう。
ポイント③依頼する会社の制作実績や強みを確認する
会社案内制作を依頼する前に必ず確認したいのが、その会社の過去の制作実績です。
制作会社ごとの実績を確認しておけば、デザインのクオリティレベルをおおよそ把握できますし、実績が多ければ信用が高い会社の証にもなります。
自社と同じ業種の制作実績が、ホームページに多数掲載されている会社が理想的です。
同業種の制作実績が多ければ多いほど、当該業種に対するノウハウが蓄積されているはずなので、有効な提案を豊富にしてもらえる可能性があります。
また、制作会社はそれぞれ強み=得意とする分野が異なるので、各社のデザイン実績を確認し、得意とする分野やデザインのテイストを見極めておきましょう。
会社案内制作の依頼先を、デザイン会社と印刷会社のどちらにするのかも重要です。
クオリティにこだわるのであれば、プロのデザイナーが在籍するデザイン会社がおすすめです。
そのうえで、制作したい会社案内のイメージと得意分野が近い会社を選ぶと間違いありません。
ポイント④デザイナーやカメラマンの作品例を確認する
デザイナーやカメラマンの作品例がある場合は、制作会社を絞り込むうえで最高の判断材料となります。
作品例が自社のイメージと合致するか、会社案内のコンセプトから外れていないかといった点を確認しましょう。
斬新なデザインや派手な作風は目を引きますが、それだけをポイントに制作会社を選ばないほうが無難です。
ポイント⑤担当者が迅速に対応してくれるかを確認する
自社とデザイナーのあいだに立って、調整してくれる担当者のレベルは成果物のクオリティに大きく影響します。
矢継ぎ早に出す可能性がある修正依頼や要望に対して、担当者が迅速に対応してくれるか、デザイナーへ適切に伝えてくれるかどうかは重要なチェックポイントです。
見積もり提示や提案のタイミングで、反応を確認してください。
会社案内の制作費用を抑えるコツ
クオリティにこだわりたい会社案内とはいえ、制作費用はできるだけ安く抑えたいものです。
それにはいくつか方法があるのでご紹介します。
原稿は自社で作成する
制作費用を抑えるコツの一つは、原稿の作成を自社で行うことです。
原稿作成は会社案内・パンフレットの核となる部分であり、手間のかかる工程です。
クライアントの事業やサービスを理解するために取材に時間を要し、それを原稿にするライティングスキルも必要になります。
当然、記者を手配、あるいは自前で用意しなければならずコストがかかるため、制作会社はかなりの費用をライティングに割いています。
このため、多くの格安パンフレット制作会社は「原稿作成費は別途」という条件を付けているはずです。
会社案内の作成費用を比較するときは、この原稿作成費用が入っているかどうかを確認してください。
文章を制作会社に依頼すると、取材費や校正費などの原稿制作費が発生するので、大きく経費が変わってきます。
制作費を抑えたい場合は自社で完全原稿を作成して、制作会社へ渡しましょう。
掲載する写真は自社で準備する
会社案内に使う写真も自社で用意できれば、カメラマンによる撮影費用を抑えられます。
撮影機材やスタジオがある場合は、使わないと損なので検討をおすすめします。
ネット印刷会社に依頼する
印刷代を抑えることも制作コストの抑制に効果的です。
制作物をデータのみで納品してもらい、ネット印刷会社へ持ち込んで印刷する方法です。
印刷会社の選定や発注の手間はかかりますが、制作会社に対応してもらうより低コスト・短納期で納品できるので、印刷工程だけ別会社という選択は検討の余地があります。
会社案内の作成費用は経費計上できる
会社案内などのパンフレットの作成費用は、経費として計上できます。
勘定科目は“広告宣伝費”、または“接待交際費”で処理するのが一般的です。
制作物を配布する対象が“不特定多数の一般消費者”である場合は、広告宣伝費として仕訳し、取引先や企業の場合は接待交際費で仕訳します。
どちらの勘定科目に該当するのか、計上する際は注意が必要です。
会社案内制作にかかる費用は高額のため、適切な勘定科目で計上し、税負担額を減らすことが肝要です。
会社案内の制作費に相場はあるが変動要因多い
今回は会社案内の作成費用の相場や、料金の内訳についてお伝えしました。
こうしたパンフレット類の制作費はどこに依頼するか、どの作業まで依頼するのかによって大きく変動します。
限られた予算内で、ブランディングや商談に効果的な会社案内を制作するために、業者選定時のポイントはしっかり押さえておきましょう。
制作意図、制作内容をきちんと伝えることはなにより大切です。
もちろん、その業者の得意分野を把握し、デザイナー、カメラマンのクオリティ、担当者の対応も確認しておくことが望まれます。
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