何かを説明する時
何かを伝えようとする時

だらだらと長く話されたら、聞く気が失せますよね。

今読んでいただいているこの記事もそうです。

あなたの貴重な時間をもらっているのに、だらだらと冗長な文章が続いてしまっては、読む気をなくしてしまいます。

ということで、早速、本題へと入っていきます!

プレゼンテーションは時間が決まっていることがほとんどです。
そのなかで余計な説明やそこまで知りたくもない情報を伝えられても、聴き手はプレゼンに真剣に耳を傾けなくなってしまいます。

だからこそ!
シンプルに伝えることが大切なんです!

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プレゼンでシンプルに伝えるということ

シンプルに伝えるということ

シンプルに伝えるということは簡単に伝えるということではない

”シンプル”の意味は手を抜くことではなく、考え抜いた末に余計な情報を削ぎ落として出来上がったモノのことを指します。

例えば、あなたが新しいパソコンが欲しかったとします。
そこでパソコンが詳しい友人に相談してみることにしました。

パソコンの画像

あなた「新しくパソコンを買い換えようと思うんだけど、何がおすすめ?」

友人「新しくパソコンを買うならiMacがいいよ!」

これはシンプルな回答でしょうか?
一見するとシンプルな答えのように感じますが、これはシンプルな答えではありません。

なぜなら、まったく何も伝わらないからです。

iMacがおすすめなのは分かりましたが、それ以外のことはなにもわからないので、この説明ではiMacを買おうとは思いませんよね。

では、詳しく説明されたらどうでしょうか?

あなた「新しくパソコンを買い換えようと思うんだけど、何がおすすめ?」

友人「新しくパソコンを買うならMacがいいよ!最新のiMacは5Kのリテーナディスプレイで画面が綺麗だし、Fusion Driveによってよく使うアプリケーションやファイルは高速なフラッシュストレージに自動的に保存され、ほかのものは大容量のハードドライブにすべて移動されるからいろいろな作業が高速でストレスがなくなるよ!」

さっきよりはかなり詳しく説明してくれているので、なぜiMacがおすすめなのかが分かりますよね。

でも、シンプルだとは言えません。

なぜなら余計な情報(専門用語)が入っているからです。

もしもあなたがパソコンに詳しいのであればよいですが、詳しくなければ専門用語はただ難解なだけで理解できません。

ですから、もっと内容を削る必要があります。

あなた「新しくパソコンを買い換えようと思うんだけど、何がおすすめ?」

友人「新しくパソコンを買うならMacがいいよ!最新のiMacは5Kだから画面が綺麗だし、高性能だからいろいろな作業が高速でストレスがなくなるよ!」

というように、質問者にとっては余計な内容を削り、伝えることで、シンプルな回答ができるんです。

シンプルに伝えるには相手を知ること

先ほどのiMacの例では、相手が何を望んでいるのかを知る必要がありますよね。

・ノートパソコンなのか、デスクトップなのか。
・どんな目的でパソコンを買うのか。
・予算はいくらか。
・いままでどんなパソコンを使っていたのか。

など、相手を知ることで、導き出される答えは全く変わってきます。

ノートパソコンが欲しいのに、デスクトップパソコンをすすめられてもあまりピンときませんよね。

もちろん、相手の用途を知った上でデスクトップパソコンをすすめることがあるかもしれませんが、自分の好みだけですすめられても困ってしまいます。

これは質問に対する回答に限ったことで貼りません。

プレゼンでも同じです。相手が何を知りたがっているのかを汲み取ることがとっても重要で、それができれば、シンプルに伝えることができるんです。

大抵、相手がどんな情報を知りたがっているのかわからないので、あれもこれも説明して、ダラダラと長いだけの説明になってしまうんです。

ですから、まずは相手のことを知る努力をしてみましょう。

もしもあなたが聴き手の立場だったら、何が知りたいのか。
何を聞きたいのか。
そのことを想像するだけで、かなりメッセージの伝え方が変わってくるはずです。

シンプルデザインもシンプルメッセージも同じ

日本の美的観点は「引き算の美学」と言えます。

それは極力無駄な装飾を削っていくということです。

これ以上削っても、足してもダメなギリギリなバランスを保つことで、深みを与えながらも凛とした空気感を放ち、見ていて飽きないスタイルが日本美術の原点とも言えます。

日本の美はシンプル

2016年9月に平成の天皇陛下が、御所にサウジアラビア副皇太子殿下を招いて面会が行われました。
その時の様子を写した写真に対して海外からは意外な反応が見られたんです。

御所は何の飾り気もない部屋で、障子からは柔らかな日差しが差し込み、天皇と副皇太子の間にはたったひとつの花瓶に草花が生けられているだけの、言ってしまえば質素な部屋です。

シンプルな空間

出典:facebook

ですが、海外からはSNSを通じて大きな反響があったんです。

「装飾がなく、衝撃的な写真だ。この謙虚さが美しい」

「最低限のものしかないにもかかわらず、部屋からは美しさや気品が溢れている」

「他の誰もこれほど上品にしようとしないだろう」

「美しい部屋だ」

「部屋の中で最も重要な存在は人だと示している」

引き算の美学による、日本的な様式美が多くの人に感動を与えたんです。

そして、これらはシンプルメッセージも同じです。

これ以上伝えることを削ると相手に理解されず、これ以上情報を付け加えることで冗長と感じてしまうギリギリのところで、見つけ出すシンプルなメッセージこそが、もっともパワフルで鋭く相手の心に届くんです。

プレゼンでシンプルに伝える方法

シンプルな伝え方

ということで、ここまでお読みいただき、余計な情報を伝えないことがシンプルなメッセージを生み出すことがお分かりいただけたと思います。

では、実際にどのようにしてプレゼンでのシンプルなメッセージを作り出せばいいんでしょうか。

そのためには3つのことに留意していただきたいと思います。

  • 余計な情報を削る
  • 相手の立場に立つ
  • 動画をインストールさせる

余計な情報を削る

この点につきましてはこれまでに何度もお伝えしてきましたが、余計な情報や余計な言葉を削ることがとっても大切です。

ただし、シンプルに短く伝えようとしすぎて、相手に伝わらないメッセージになってしまっては意味がありません。

意味が伝わずギリギリのところまで削るということです。

決して短いメッセージが、シンプルなのではありません。

余計な情報や余計な言葉がない状態がシンプルので、多少長くなっても全然問題ないことを覚えておいてください。

相手の立場に立つ

「あの人の言っていることはよくわからない」

と言われてしまう人の特徴は話が長いだけではなく、自分を主体にして話してしまっているからなんです。

プレゼンをするということは、スピーチとは違って、相手に行動してもらうことを目的としています。

・上司に承認のハンコをおしてもらったり
・お客さんに商品を買ってもらったり
・パートナーに提案を受け入れてもらったり

何かしらのアクションを求めてプレゼンするわけです。

ということは、「自分がして欲しいこと」という考え方ではなく、「あなたがこの提案を受け入れたらあなたにとってメリットがありますよ」という相手の立場に立って伝えることが大切なんです。

こうすることで、長々と説明することなく簡潔にメッセージを伝えることができます。

動画をインストールさせる

あなたがスイカを売る時、どのようにシンプルに伝えますか?

「このスイカはとっても甘くて美味しいんですよ!おひとついかがですか?」
と伝えますか?

これはシンプルではありません。
なぜならまったく良さが伝わらないからです。

プレゼンにおけるシンプルは簡潔に伝えながらも、相手に行動してもらうことを目的としています。

では、正解はどんなメッセージかと言いますと、
「このスイカは、シャキシャキと食感がよく、一口食べれば口の中に果汁が広がり、まるでしぼりたてのジュースを飲んでいるような美味しさです。暑い夏の日にキンキンに冷やしたスイカはいかがですか?」
となります。

この文章を見ると、シンプルというより長い文章じゃないか!

と思われるかもしれませんが、シンプルとは、あくまでもひとつのツールであって目的ではありません。

1番伝えたいことがスイカの美味しさで、目的はスイカを買ってもらうことであれば、それを表現するために、相手の頭の中にその商品を使っているときやサービスを受けている時の映像をインストールさせる必要があります。

つまり相手に想像しやすくさせてあげるんです。

そのためには、余計な説明をすることなく、十分に想像しやすくするための説明が必要なんです。

プレゼンでシンプルに伝えるためのまとめ

攻撃目標一点に行動を集約せよ。無駄なことはするな
織田信長

伝えたいメッセージを絞り込み、無駄な情報を削ることで、相手の心に響くメッセージができあがります。

”シンプルメッセージ”と聞くと短く伝えないといけない、と思いがちですが、決してそんなことはありません。

もちろん短くてちゃんと伝えられるメッセージが作れるとよいんですが、無理に短くしようとして、意味のわからないメッセージになることだけは避けましょう。

もっとも気をつけて欲しいことは、”無駄を削る”ということので、無駄を削ってシンプルなメッセージを届けましょう!

監修者

監修者の写真

Null Japan株式会社 代表取締役

高村 勇太

プレゼン資料クリエイター/プレゼン資料の専門家

Microsoft® Officeスペシャリスト 認定

<略歴>

武蔵野美術大学卒業後、東京都港区赤坂の設計事務所にてプレゼンテーション業務に従事。数億円のオフィスビルから数百億円の都市開発事業などの提案書およびプレゼンテーション資料の作成を手がける。
2016年より会社を設立し、2018年よりマーケティング、セールスライティングを取り入れたプレゼンテーション資料制作、コンサルティング事業を開始。
現在はプレゼンテーション資料を中心に広告やチラシ、営業資料などの様々な資料を手がけ、資料制作講座も開き、資料制作の方法なども伝えている。
⇒主な制作事例はこちら

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