プレゼンの極意知りたくないですか?

プレゼンに正解はありません。

唯一正解があるとすれば、それは聴衆が行動(商品を購入)したという事実が証明してくれるだけです。

そのためであれば、たった一言のプレゼンでもよいですし、延々と自分の商品を語るプレゼンでもいいわけです。

だからこそ、皆さんはどうやってプレゼンを行えばよいのかわからず悩んでしまうんです。

そんななか、どんなプレゼンであっても、ひいてはビジネスの場でもこれだけは知っておいてほしいことがあります。

そして、それこそがどんなプレゼンに共通するたったひとつの極意なんです。

まずは結論からお伝えします

どんなプレゼンでも使える極意。

それは情報を捨てる勇気を持つことです。

プレゼンを行うということは、まずは多くの情報を集めることから始めます。

そして得られた情報や、与えられた情報を整理していると、すべての情報がとても重要なことのように感じ、すべてをスライドに詰め込もうとしてしまいます。

ですが、それでは本当に伝えたいことが曖昧になってしまいますし、たくさんの情報を伝えられた聴衆はプレゼンに疲れてしまいます。

そうならないためにも、不要な情報を削る作業がとても重要になってくるんです。

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プレゼンの極意!情報を捨てること

プレゼンの極意は情報を捨てること

では、さっそく私がお伝えするプレゼンの極意である、情報を捨てることについてご説明してきます。

情報を捨てるとはどういうことか?

情報を捨てるとは

「選択と集中」とよく言われるが、大事なのは単に「集中」することではなく、「あれかこれか」と選択した上で、選ばれなかった事業や機能を「捨てる」ことなのである。

冨山和彦「選択と捨象」より

あれも言いたい、これも言いたい、必要だと思えることを全部言いたい。

ですが、それでは結局中途半端なプレゼンになり、プレゼンを終えた後に聴衆は「結局何が言いたかったんだろう?」と首を捻る結果となってしまします。

数学者のパスカルは友人にあてた手紙の最後にこのような言葉を添えました。

「すみません、もっと時間があればもっと短い手紙が書けたのですが」

これはどういうことかと言いますと、手紙を書く時間がもっとあれば、伝えたいことだけを抽出し、余計な部分を削除する作業ができたけど、今回はこんな長い手紙になってしまってごめんね。
ということです。

言いたいことを要約せずに、すべて伝えることは誰でもできます。
ただ、ダラダラと話したいことを話せばいいだけですからね。

難しいのは、必要だと思える情報の中から本当に必要な情報のみを取り出し、その他の情報を全て捨ててしまうことなんです。

余計な情報を与えられて喜ぶ人はいません。特にインターネットが発達した現代では、常に多くの情報に触れているため、余計なことを聞きたくないんです。

今、目の前にあるたくさんの情報の中から、不要なものを選別し捨てることで、わかりやすくシンプルなプレゼン資料を制作することができます。

選ぶことは捨てること

選ぶことは捨てること

ちょっと偉そうですが、不要なものを捨てるというのは、人生においてもビジネスにおいても大切なことです。

日々多くの選択に迫られながら生活しています。
そして何かを選ぶということは、何かを捨てるということなんです。

長澤まさみとガッキーに求婚されたらあなたはどちらを選びますか?
吉沢亮と山崎賢人に求婚されたらどちらを選びますか?

めちゃくちゃ難しい選択です

どっちかを選ぶということは、どっちかを完全に捨てなければいけないんです。
両方選ぶことは無理なんです。

そして、選ぶ方だけを考えてしまいがちですが、捨てる情報も同じぐらい真剣に考える必要があります。

本当に重要ではないのか。本当に必要ではないのか。なぜ重要ではないと思えるのか。

プレゼンにおいては両方の情報を載せてしまうということも可能です。
ですが、可能だからこそ、本当に伝えるべき情報なのかを十分に考察していただきたいんです。

不要な情報の見つけ方

不要な情報を見つける方法

世の中の大半のものはノイズである。本質的なものはほとんどない。
私の仕事はそうしたノイズを丁寧に取り除き、貴重な本質を取り出すことだ。

商業デザイン界の巨匠 ディーター・ラムス

デザインに関して、ほとんどが不要な要素であるとディーター・ラムスは言っていますが、多くの人はひとつのプレゼンでたくさんの情報を詰め込んで伝えようとしてしまいます。

その原因としては2つ考えられます。

  • すべて必要だと勝手に思い込んでいる
  • 自信がないために全てを伝えようとしている

すべて必要だと勝手に思い込んでいる

集めた情報は、すべて必要だからこそ集めたわけで、ちゃんと全部を伝えることが正しいことだと思いこんでいるかもしれません。

自信がないために全てを伝えようとしている

何が必要で、何が不要なのかの判断がつかず、取捨選択することに自信がないためにすべてを伝えようとして、結果的に散漫なプレゼンになってしまうんです。

不要なものを見つける方法

不要な情報を見つけるために

ここまでで、不要な情報を削除することの大切さは、なんとなくわかっていただけたでしょうか。

ここからは実際に、どうやって不要な情報を見つけるのか、について説明していきたいと思います。

不要な情報を見つける方法は3つあります。

  • 絶対と絶対じゃないものに選別する
  • 時間を制限する
  • その情報をいくらで買いたいと思うか

絶対と絶対じゃないものに選別する

あなたは、自分で制作したプレゼン資料内の情報を、すべて平等に扱うべきでしょうか。

きっと、そんなことはないはずです。
必ず、特に重要ではない内容も入っているはずです。

まず最初にやることは、その情報が”絶対に必要”か、それとも”絶対ではない情報”なのかを判断し、選別してみることです。

そして選別したら、実際にその情報やスライドを抜いた状態で、プレゼン資料を読み返してみてください。

驚くほど、何事もなかったかのようにスムーズにプレゼン資料を読み進めることができるはずです。
なぜなら、それは無駄な情報だったからです。

ここで気をつけていただきたいのは、必要な情報というのは、あなたにとって必要な情報という意味ではありません。

聴衆にとって必要な情報ということです。
聴衆が知りたがっている情報、聴衆が喜ぶ情報、聴衆が驚く情報のことです。

ここを勘違いしてしまうと、聴衆にとって特に知りたくもない情報、例えばあなたの会社の偉大な創業者の、栄誉ある功績を延々と話し続けてしまうかもしれません。

ですから、聴衆の立場に立って、必要な情報と不要な情報に選別してみましょう。

時間を制限する

必要な情報と不要な情報に分けるのがうまく行かない場合には、時間に制限をかけてみてください。

例えば20分のプレゼン時間であれば、それを10分で伝えるなら、何を伝えるのか。
限られた時間の中で伝えるべき情報を見つけ出しましょう。

20分のプレゼンなのに10分のプレゼンでは、実際にプレゼンをやったら、10分余ってしまうじゃないか。
と思われるかもしれません。

この方法は不要な情報を見つけ出すための方法なので、重要な情報も見つけ出すことができます。
そして余った時間には、その重要な情報をより深く、よりわかりやすく伝えられるように肉付けしていくようにしましょう。

その情報をいくらで買いたいと思うか

情報を捨てられない人は、なんらかの役に立つ、と思いこんでいる場合があります。

例えば、まったく着ていないコートを「いつか着る時が来るかも」「もったいない」という認知バイアスにより、いつまでも捨てられず、着ない洋服が溜まっていくように、情報もいざ捨てるとなると、ためらってしまうんです。

この事態を回避するため、「エッセンシャル思考(グレッグ・マキューン=著、高橋璃子=訳)」の中に書かれている方法を紹介したいと思います。

「どれくらい価値があるか」と考える代わりに、「まだこれを持っていないとしたら、手に入れるのにいくら払うか」と考えるのだ。
「このチャンスを逃したらどう感じるか?」と考える代わりに、「もしもまだこのチャンスが手に入っていなかったらどれだけのコストを払うのか」と考えるのだ。

エッセンシャル思考(グレッグ・マキューン=著、高橋璃子=訳

あなたの目の前に「A」という情報と「B」という情報を持ったX氏が現れ、こう言ったとします。
「この2つの情報を、あなたはいくらで買いますか?」

あなたはそれらの情報に、お金を払ってまで手に入れたいと思うでしょうか?

それとも「A」にはお金を払うけど「B」はお金を払う価値がないと感じるでしょうか?

もしも情報の取捨選択に迷ってしまったら、お金を払ってまでプレゼン資料に盛り込みたい情報なのかを、一度考えてみると良いかもしれません。

情報を捨てる勇気を持つこと

情報を捨てる勇気を持つことが大切

私達は、自分が持っていないものを得られないストレスよりも、すでに所有しているものを失うことに強いストレスを感じ、損をすることをとても嫌がります。

これを「損失回避」といいますが、実はプレゼン資料を制作する上でもこの性質によって、不要な情報を破棄できないことがあります。

多くの時間と労力をかけて集めた情報。
同じように時間と労力をかけて制作したスライド。

これらを今さら削除するなんて、これまでに使ってきた時間はなんだったんだ!

残業して、朝早く会社に来て用意したスライドの一部を削除するってことは、これまでの努力と時間を一切無駄にして、過去の自分を否定することになるんだぞ!!

という気持ちはよーくわかります。
というか、私はいつもこのストレスと戦っています。

最初は必要だと思ったのに、よく考えたらあまり必要ではないと思えるスライド。
余計なグラフ。不要な情報。意味をなさないイラスト。

一度制作したこれらを、削除するのは本当に気が滅入ります。

でも、あえて厳しいことを言わせていただければ、あなたや私の苦労は聴衆にとっては全く関係ないんですよね。

どれだけ時間をかけて苦労したスライドも、聴衆にとって必要な情報でなければ、聴衆に伝える必要はないんです。

「そっか!そんなに苦労して時間をかけたスライドなら、多少意味がわからないけど我慢して最後まで聞くよ!」
なんて言う、聖人のような人はいないからです。

ですから、私達は過去の自分の労力や、時間を無駄に感じたとしても、勇気を持って取捨選択する必要があるんです。

最後、あなたのプレゼン資料を至高のものにするのは、あなたの捨てる勇気なんです!

プレゼンテーションの極意のまとめ

プレゼンテーションのたった一つの極意は情報をする勇気を持つことです。

ただし、むやみに情報を捨てることは望ましくありません。
そのため、本当に不要な情報を見つける必要があります。

ということで、最後にまとめたいと思います。

  • 不要な情報を見つけ捨てることで、よりわかりやすいプレゼン資料を制作することができる
  • 集めた情報全てを必要だと思わないこと
  • 聴衆の立場に立って、絶対に必要か、必要じゃないのかを考察する
  • 時間に制限をかけて、不要な部分を見つけ出す
  • その情報は、お金を払ってでもほしいと思える情報か問いかけてみる
  • 情報を捨てる勇気を持つこと

私の好きな芸術家にジャン・ロレンツォ・ベル二ーニという彫刻家がいます。

彼が彫刻した大理石は、まるで本物の布を被せられているかのような質感で、見るものを圧倒する美しさがあるのですが、彫刻は余計な部分の石を削って形を掘り出していきます。

プレゼン資料制作は、イメージとしては粘土のようなものです。

最初に様々な情報(粘土)で肉付けしていき、ある程度のボリュームになったら、ちょっとずつ余計な部分を削ぎ落としていき、本当に伝えたいメッセージを削り出し、聴衆を圧倒するプレゼン資料を制作することができるんです。

是非これを機会に、不要な情報を勇気を持って捨ててみることにチャレンジしてみてくださね!

監修者

監修者の写真

Null Japan株式会社 代表取締役

高村 勇太

プレゼン資料クリエイター/プレゼン資料の専門家

Microsoft® Officeスペシャリスト 認定

<略歴>

武蔵野美術大学卒業後、東京都港区赤坂の設計事務所にてプレゼンテーション業務に従事。数億円のオフィスビルから数百億円の都市開発事業などの提案書およびプレゼンテーション資料の作成を手がける。
2016年より会社を設立し、2018年よりマーケティング、セールスライティングを取り入れたプレゼンテーション資料制作、コンサルティング事業を開始。
現在はプレゼンテーション資料を中心に広告やチラシ、営業資料などの様々な資料を手がけ、資料制作講座も開き、資料制作の方法なども伝えている。
⇒主な制作事例はこちら

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