マーケティング活動を進めるうえで、多くの企業は社内外を問わずさまざまな資料を作成します。
具体的には商品やサービスの概要資料から市場分析レポート、プロモーション戦略書、セミナー用スライドなどが挙げられます。
このような資料は、意思決定や情報共有の場面で重要な役割を果たしますが、作り手によってクオリティに大きな差が出ることも少なくありません。
情報を一方的に詰め込むだけの資料だと、読む側が疲れてしまい、結果的にマーケティング効果や社内での合意形成を得にくくなる可能性があります。
そこで本記事では、マーケティング資料とは何かという基本から、資料の種類や作成のポイント、そして現状分析に使えるフレームワークまでを網羅的に紹介します。
クオリティの高いマーケティング資料を作ることで、社内外の理解を促進し、ビジネス成果へとつなげるヒントを得られるでしょう。
目次
マーケティング資料とは
マーケティング資料とは、企業が自社の製品・サービスの売上拡大やブランド認知向上など、マーケティング活動を推進するために作成するあらゆるドキュメントを指します。
内部的には戦略立案や情報共有のための資料、外部的には顧客への提案書やデモ資料など、多様な形態が存在します。
マーケティングの世界では、市場環境や顧客動向、競合状況など幅広い情報を扱うため、複雑なデータやグラフを整理し、戦略方針を明文化する資料が欠かせません。
また、商品やサービスをアピールするためのパンフレットや提案書もマーケティング資料の一種と考えられます。
これらの資料を使って社内外のステークホルダーと認識を共有し、次のアクションを確定する流れが一般的です。
情報を詰め込むだけでは読む側が理解しづらくなるため、要点を簡潔にまとめるスキルや読みやすいデザインを構築する工夫が必要です。
さらに、資料の目的(認知向上、商談促進、戦略共有など)に応じて、どの層に向けた内容にするかを明確にしながら作ると、より効果的なツールになると考えられます。
マーケティング資料の種類
マーケティング資料と一口に言っても、さまざまな目的や対象読者に合わせて種類が分かれます。
以下は代表的な形式の資料を簡単にまとめたものです。
資料の種類
概要
企画書・提案書
新商品や新施策のアイデアと実行計画をまとめる書類。予算、期間、狙い、効果予測などを含むことが多い。
戦略立案資料
市場分析や顧客動向、競合情報を整理し、それに基づくマーケティング戦略を示すドキュメント。
セミナー・勉強会資料
社内外のセミナーやウェビナーで使用するスライドやテキスト。参加者に配布して復習や検討に活用。
製品・サービス紹介資料
カタログやパンフレット、事例集など、顧客に向けて直接訴求する資料。
顧客向けレポート
実績報告や分析結果をまとめ、見える化するための報告書やアナリシス。
社内共有用レポート
マーケ部門が取得したデータを社内に共有し、次の施策に役立てるためのレポートやノウハウ集。
これらの資料は目的やタイミングによって作成されるため、共通点はあっても内容や構成が大きく異なります。資料のゴールや読む対象を明確にするほど、必要な情報を的確に盛り込みやすくなります。
マーケティング資料を作るときのポイント
マーケティング資料は、情報を集めて並べるだけでは効果を発揮しません。
読み手が意図を把握し、行動を起こしやすい形に整理する必要があります。
以下のポイントを意識しておくと、活用しやすい資料が完成します。
ポイント①ターゲットを意識する
まず誰が資料を読むのかを明確にし、その読者に合わせた専門用語のレベルや例示の仕方を考えます。
社内共有用であれば略語や社内用語でも通じますが、外部顧客向けなら専門用語の解説や図解が必要かもしれません。
意思決定者が読むのか、現場担当者が読むのかでも論点や強調すべき点が異なるため、想定する読み手の属性を事前に把握することが欠かせません。
ポイント②視覚要素に気を配る
文章だけでは伝わりにくいデータや概念は、グラフ・表・イラスト・写真などビジュアル化を行うと理解度が向上します。
特に、数値を一目で把握できる棒グラフや円グラフ、箇条書き・アイコンなどを活用することで、文章量を減らしつつ伝えたい情報を印象的に伝えられます。
レイアウトも重要で、適切なマージンや配色を使い、視線の流れを考慮したデザインに整えると読みやすくなります。
ポイント③タイトルや要約に注意する
特に長い資料の場合、タイトルや冒頭の要約部分でポイントを把握できないと、最後まで読まれずに終わることが多いです。
タイトルは短く簡潔に、しかし興味を引くキーワードを含め、要約で資料の結論や全体構成を提示すると読者が全体像を理解しやすくなります。
大事なことは結論や成果を最初に打ち出し、詳細を後段で補足する形が好まれます。
ポイント④独自性を持たせる
マーケティング資料には競合他社が持っていない独自の視点やデータを盛り込むことが価値を高めるポイントです。
自社オリジナルのアンケート結果やユニークな成功事例を含めれば、読む側にとって新しい発見や「ここだけの情報」が生まれます。
一般的な情報ばかりの資料は埋もれやすいですが、独自データがあれば関心を引きつけやすく、提案の説得力も上がります。
ポイント⑤余白をうまく使う
文章や図表を詰め込みすぎてページ全体が窮屈になると、読み手は疲れやすく理解しにくいです。
余白を意図的に設け、視線の流れを調整することで、資料のデザインが洗練され読みやすさが向上します。
スマートフォンやタブレットで閲覧されるケースも増えているため、サイズや配置に配慮し、余白を効果的に活用するのが大切です。
ポイント⑥細部を揃える
フォントサイズや見出しのスタイル、図表のレイアウトなどを統一しないと、資料全体がちぐはぐな印象を与えてしまいます。
ページごとに文字のサイズや行間、色使いに差があると、読む側は集中を削がれやすいです。
テンプレートやスライドマスタなどを活用して、全体のトンマナを揃えるとプロ仕様の仕上がりになります。
ポイント⑦フォントや行間を読みやすくする
文章が長文になる場合は、適度な行間や字間を設定し、フォントも視認性の高いものを選択します。
小さすぎる文字は避け、見出しやキーワードを太字や色で強調すると、目の流れが途切れにくくなります。
特にPDFなどで配布する際は印刷した場合の見やすさも考慮し、行間や用紙サイズを念頭に置くと印刷後のレイアウト崩れを防ぎやすいです
わかりやすいマーケティング資料の作り方
資料を作成するときは、以下のプロセスを踏むと構成が分かりやすくなり、完成度も上げられます。
最初に現状分析をし、次にゴールと目的を設定して施策を具体化し、最後にそれらを資料へ落とし込む流れです。
現状分析を行う
はじめに自社の現状や市場動向、競合状況、顧客のニーズなどを整理します。
ここで使用するフレームワークとしては後述の3C分析やSWOT分析が代表的です。
情報を網羅的に集め、どこに問題があるのか、どの領域に強みがあるかなどを可視化します。
明確に数値化できるデータを収集し、必要に応じてグラフや表にまとめることがポイントです。
ゴールと目的を設定する
マーケティング資料は何のために作るのか、目的を明確にしないと内容が散漫になりがちです。
例えば、新規顧客獲得のためにプレゼンを行うのか、それとも社内で予算を承認してもらうのかで強調すべき項目が変わります。
ゴールを設定し、それに沿ってKPI(指標)やKGI(成果目標)があれば合わせて記載すると説得力が増します。
具体的な施策を考える
現状分析とゴールを踏まえたうえで、マーケティング戦略や具体的施策をまとめます。
広告投下プラン、SNS運用方針、イベント開催など、多角的な施策を検討する段階です。
各施策ごとに期待効果とリソース配分、スケジュール感を入れることで、実行段階での迷いを減らせます。
定量評価できるようなターゲット数値を盛り込むと計画が具体性を帯びます。
マーケティング資料に落とし込む
最後に、上記で整理した情報をビジュアルとテキストで分かりやすく資料にまとめます。
見出し構成としては「背景(現状分析)→目的・ゴール→具体施策→期待効果→実行計画」の順にすると読みやすくなるケースが多いです。
適宜、グラフや写真などを挿入して視覚的にも理解をサポートします。
推敲段階では、冗長な文章を削り、要点を際立たせることを意識すると完成度が高まります。
効果的な現状分析を行うためのフレームワーク
マーケティング資料の基盤となる「現状分析」は、さまざまなフレームワークを用いることで客観性と網羅性を確保できます。
特に3C分析、SWOT分析、6W2Hが広く用いられています。
3C分析
3C分析は「Customer(顧客)」「Company(自社)」「Competitor(競合)」の視点から市場状況を整理する手法です。
顧客ニーズや購買行動を把握し、自社の強み弱み、そして競合他社がどんな戦略を取っているかをまとめることで、具体的な差別化策や機会を見つけやすくなります。
BtoBでもBtoCでも利用度が高く、シンプルかつ実践的なフレームワークとして人気です。
SWOT分析
SWOTは「Strength(強み)」「Weakness(弱み)」「Opportunity(機会)」「Threat(脅威)」という4つの要素で自社環境を分析するフレームワークです。
内部環境であるStrengthとWeakness、外部環境であるOpportunityとThreatを交差させる形で戦略立案を進めるのがポイント。
たとえば強みを活かして機会を最大化する戦略や、弱みを克服し脅威を抑える対策など、方向性を明確にできます。
6W2H
「Who」「What」「When」「Where」「Why」「Whom」「How」「How much」の8要素で構成される考え方です。
プロジェクトやタスクの整理に使われることが多いですが、マーケティング資料を作る際にも、施策の全体像と細部を漏れなく確認するために活用できます。
特にイベントやキャンペーンを企画する際、6W2Hを使って具体的な内容を詰めると資料に説得力が出やすいです。
マーケティング資料の作り方を学んで売上拡大・認知向上を目指す
マーケティング資料は単なる報告書や提案書という枠を超え、社内外の理解を深めたり、事業成果を左右したりする重要な役割を担います。
自社の状況や目標を把握し、ターゲットに合わせて視覚要素やフォント、余白の使い方を考慮しながら作成することで、情報が正確かつ分かりやすく伝わる資料を作ることができます。
まず資料を作る前に、現状分析やゴール設定、具体的な施策を考えるプロセスを踏むのが大切です。
その際、3C分析やSWOT分析といったフレームワークを取り入れると抜け漏れを防ぎながら客観性を高められます。
作り上げた内容を読みやすいレイアウトやタイトル、フォント設計でまとめることで、関係者や顧客が最後まで目を通しやすくなるでしょう。
マーケティング資料は一度作れば終わりではなく、市場や施策の変化に応じて随時アップデートを行う必要があります。
定期的に見直しを行い、追加データや新たな実績、改善点を反映することで、社内外の意思決定や提案活動に活かせる“生きた資料”となるはずです。
マーケティング資料づくりは資料作成代行のプレサポにお任せください。
監修者

<略歴>
武蔵野美術大学卒業後、東京都港区赤坂の設計事務所にてプレゼンテーション業務に従事。数億円のオフィスビルから数百億円の都市開発事業などの提案書およびプレゼンテーション資料の作成を手がける。
2016年より会社を設立し、2018年よりマーケティング、セールスライティングを取り入れたプレゼンテーション資料制作、コンサルティング事業を開始。
現在はプレゼンテーション資料を中心に広告やチラシ、営業資料などの様々な資料を手がけ、資料制作講座も開き、資料制作の方法なども伝えている。
⇒主な制作事例はこちら
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