ビジネスでは新規顧客獲得が大切なのはもちろんですが、すでに商品やサービスを購入してくれている既存顧客を大切にすることも重要な仕事になります。

なぜなら、今後、人口が減少していく日本においては新規のお客さんを獲得することより、既存のお客さんにどれだけ満足してもらえるかが、ビジネスをより安定的に成長していく上での鍵となるからです。

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既存顧客はどのように扱えばいいのか?

既存顧客を甘く見ない

私は以前、自分の所有している車の車検を通してくれるところを探しており、自宅近くの小さな整備工場に依頼することになりました。
そのとき対応してくれた整備士さんは物腰が柔らかく、とても丁寧な接客で好感が持てたので、それ以来2度、車検を通す時にはそこの整備工場にお願いしていました。

3回目の車検の時には、顔なじみ程度にはなっており、プライベートな話もするようになっていました。

3回目の車検が終わったとき、車の作業内容の説明をうけるため、整備士と一緒に車の前まで行きました。
いつものように説明を受けながら、ボンネットが開けられた車のエンジンルームを覗いているとき、違和感を感じたんです。

私は若い頃、中古自動車店で働いていましたから、車に関しての知識は多少なりとも持っていました。

エンジンルームにはバッテリーがあり、バッテリーからはプラスとマイナスのコードがそれぞれ1本づつ配線されているのですが、普通これらが間違って接触してショートしないように、プラスの配線部分に絶縁カバーがしてあるんです。

しかし、私の車にはそれが付いていませんでした。

それを整備士に指摘すると、
「あっ、それは今、説明しようと思ったのですが、実は作業中に壊してしまいました。すみません。」
と少し苦笑しながら説明されたのです。

いや、直せよ!

つい、心の中で突っ込んでしまいましたが、どうやら彼は直す気はないようでした。
絶縁カバーなんて、数百円で買えるはずなのに・・・

「これ、直してくれないんですか?」
「直したいですか?そしたら部品発注するので、数日後にまた持ってきてもらえますか?」

いや、お前が部品持ってウチに来い!

と、喉まででかかった言葉を飲み込み、
「じゃあいいです」
と言い、それ以降そこの整備工場に車を持っていくことはありませんでした。

もしかしたら初めてのお客さんだったら、もう少し誠意ある対応をしたのかもしれませんが、顔なじみになっていたからか、ちょっと笑って謝れば許させると思ったのかもしれません。

たった数百円の部品だから、気を悪くしないだろうと楽観視していた彼は、そのおかげで年間数万円の顧客を失ったのです。
もちろん私は誰かに紹介するはずもありませんし、もしそこの整備工場に車を持って行こうとする友人がいたら全力で止めるでしょう。

何回も来てくれているお客さんだから、ちょっとした間違いがあっても許してくれて、これからもずっと来てくれるだろうと思うのは大きな間違いです。

友達や家族じゃないんだから、どんなに親しい関係になっても、そこにお金が発生している以上、精一杯対応していかないといけないんです。

ビジネス-顧客満足度.002

買ってくれたお客さん安心させる

商品を買った後に、
「これを買って正解だったのかな?」
「本当にこの教材で、英語がマスターできるんだろうか?」
などと不安に思ってしまうことはありませんか?

アメリカのマーケティング界の大御所であるダン・ケネディはこのように言っています。
「あなたから商品を買うことが間違いではないということを伝え続けなければいけない。
お客さんが商品を購入してくれた直後からあなたの商品を買ったことを後悔させないように接触し続けなければいけない。」

この商品をあなたから買ったことが間違いでないと安心させるためには

  • 質問はないか?
  • 困ったことはないか?
  • 他にもこういった使い方ができる
  • これを使ったお客さんでこんな口コミが届いた
  • お得な情報がある

などお客さんにメールや電話、手紙で接触してお客さんを安心させなければいけない、というのです。

お客さんとの接触回数が増えると、良い効果を得ることができます。
それが、「単純接触効果」というものです。
接触する頻度が高いと、それが良いこと、安心できることだと錯覚してしまい、親近感を感じる効果があるのです。

買ってくれたお客さんをほったらかしてしまわないようにすることが、顧客満足度を高めることにつながり、あなたのビジネスに良い印象を受けてくれるようになるんです。

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顧客満足度を高めるために

私は大きな家電を購入する際には、昔からお世話になっている町の小さな電気屋さんと決めています。

自宅の近くには、最新の家電から日用品も売っている店舗面積の大きなヤマダ電機があります。
それでも冷蔵庫やテレビといった大きな家電は、町の小さな電気屋さんで購入しています。

店舗面積はヤマダ電機の1/20以下で、ポイントもつきませんし、大幅な割引もありません。品揃えだってもちろん少ないです。それでもそこで買います。
なぜなら、アフターサービスが非常に素晴らしいからです。

家電に不具合があった場合、すぐに駆けつけてくれます。
エアコンの電源が入らない、石油ヒーターのエラーが点灯している、洗濯機の調子が悪い、など特に夏場のエアコンの不調や洗濯機の故障は、生活に大きな支障をきたしてしまい大変だ、ということで、朝でも夜でも休日でも、できる限りすぐに来てくれます。

果てには、そこで買った家電でなくても、見に来てくれてその場で直してくれます。

しかも、これらはすべて無料なんです。

持ち帰って修理する場合を除き、出張料も、その場での修理費も請求されません。

もしもあなたの自宅の近くに、ここまでサービスが徹底された電気店があったらどうでしょう?

ここまで徹底されたサービスを提供することができれば、あなたと顧客との間には、決して他の競合が入る余地がないほど、強いつながりと信頼が生まれ、顧客満足度が高まります。

顧客満足度を高めることは容易ではありません。
だからこそ顧客満足度を高めることに意味があると思うんです。

お客さんを満足させるために必要なことは、アフターサービスだけではありません。
例えば、顧客だけに特別な特典を用意したり、顧客専用のイベントを開催したり、誕生日割引きをするなどして、お客さんに価値を与えていくことが必要なのではないでしょうか。

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まとめ

お客さんのことを考え行動する、といったことを続けていくことは難しいです。
なぜなら、仕事である以上、利益を出さなければ存続していけないからです。

存続できなければ、お客さんのことを考えることすらできなくなります。

京セラの創設者である稲盛和夫さんの著書に
「儲けると言う字は、信じる者と書く。
信じてくれる者が増えることによって、 利益が上がるということが古から言われている。 」
と書いてありました。

つまり、利益を上げたいなら、信用してもらう努力が必要だということですよね。

信頼してもらうということは、顧客満足度の向上に直結すると私は考えています。

それには、新規のお客さんも大切ですが、すでに商品を買ってくれている既存のお客さんを喜ばそうとすることも、とっても重要なのではないでしょうか?

あなたのビジネスで、今いるお客さんをさらに喜ばせるために、なにかできることはないか、ちょっと考えてみるのもいいと思います。

この記事があなたのビジネスのヒントになれば幸いです!

監修者

監修者の写真

Null Japan株式会社 代表取締役

高村 勇太

プレゼン資料クリエイター/プレゼン資料の専門家

Microsoft® Officeスペシャリスト 認定

<略歴>

武蔵野美術大学卒業後、東京都港区赤坂の設計事務所にてプレゼンテーション業務に従事。数億円のオフィスビルから数百億円の都市開発事業などの提案書およびプレゼンテーション資料の作成を手がける。
2016年より会社を設立し、2018年よりマーケティング、セールスライティングを取り入れたプレゼンテーション資料制作、コンサルティング事業を開始。
現在はプレゼンテーション資料を中心に広告やチラシ、営業資料などの様々な資料を手がけ、資料制作講座も開き、資料制作の方法なども伝えている。
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