まだビジネスを立ち上げたばかりの個人起業家は、仕事を受注することがとても大切な仕事のひとつです。
今までのお付き合いの中から、仕事を受注できているけど、そのお客さんから紹介してもらった新しいお客さんや、自分で新しい取引先を見つけようと、たくさんの営業活動を行なっているかもしれません。
今回は営業活動用の説明資料の作り方に焦点を当てて、個人起業家が営業先でお客さまに期待してもらい、契約が取れる資料の作り方をお伝えしていきます。
誰でも簡単にきれいなプレゼン資料が作れる
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目次
個人起業家に必要な営業資料とは?
営業資料には、事業内容や、経験や実績を示し、信頼や期待感を与えることが大切です。
お客さんのところに営業に行くということは、もちろん商品やサービスを販売することを目的としています。
ですが、いきなりガンガン売り込みされたらあまりいい気はしないですよね。
商品・サービスを売り込む前に、大切なことは信頼を築くことです。
営業資料は、商品を売り込むための商品・サービスパンフレットというよりも自社の信頼を得るための媒体として捉えるべきなんです。
営業資料で信頼を得ると同時に、どんな会社なのかを知ってもらい、他社にはない魅力を伝えブランド化することが大切です。
営業資料で大切な3つのこと
営業資料を会社案内資料と混在してしまっている資料をたまに見かけますが、これはなるべくなら避けた方がいいかもしれません。
たとえば、会社案内に必要な内容は
・設立年月日
・沿革
・資本金
・従業員数
・住所
・事業内容
などが挙げられます。
これらの内容は必要なことですが、お客さんははたしてこれらのことを詳しく知りたいんでしょうか?
「2010年に設立しました」
「従業員は5人です」
「住所は東京都港区です」
といった説明を詳しく説明されても、お客さんはそれに感動することもなければ、共感してくれることもないですよね。
そこで、営業資料で大切な3つのことをお伝えしたいと思います。
その3つとは
- 強みとメリットを伝える
- 根拠を示す
- 物語を伝える
です!
1つめ「強みとメリットを伝える」
営業資料では、あなたに何ができて、あなたの商品やサービスを採用することでどんなメリットがあるのか?
ということを伝えることが大切な要素になってきます。
私は以前、イベント系マーケティング会社から営業資料の制作依頼を受けたことがあります。
お客さまからは、すでに作られた営業資料があるから、それをベースに作って欲しいということで、資料を見せてもらうと、マーケティングに関するサービスがたくさん書かれていて、確かにすごそうなんですよ。
「市場調査」「プロモーション計画」「ターゲット戦略支援」「シナリオ設計」「データベース運用管理」「PPC広告」「テレマーケティング」
ほかにも、たくさんのサービスが書いてありました。
こんなに色々なサービスが提供できるなんてすごい会社だな、と思いましたが、それと同時に「それで結局なにができるの?」となってしまいました。
できることはたくさん書かれているけど、そのサービスによってどんな効果があるのかが書かれていなかったんです。
大切なことは、それでお客さんにどんなメリットがあるのか、ということです。
その会社にできることがたくさんあっても、結局どんな強みやメリットがあるのかを伝えていなければ本当の価値は伝えられません。
実際、私はこの会社にしかできない強みを見つけ、それによってお客さんにどんなメリットがあるのかを伝えるページを追加しました。
ビジネスパーソンは皆、忙しいです。
それなのに、ダラダラと書いても後で全てを読み返してくれる保証はありません。
だからこそ、どんなことができるのか、それによってどんなメリットを得ることができるのかを明確に簡潔に伝えるようにしましょう。
2つめ「根拠を示す」
営業資料でもうひとつ大切な要素は「根拠」です。
どうして、そのメリットを提供することができるのかを具体的に伝えます。
どんなに良いことがたくさん書いてあって、すごい情熱を感じたとしても、それに根拠がなければ、まったく信用してもらえません。
化粧品を取り扱っている場合なら、
「石油系化学添加物を一切使わず、自然由来の原料を使っているので、敏感な肌でも使うことができます」
と、その理由をしっかりと伝えてあげます。
さらに、根拠となる実績や数字、顧客の声も示すことで、相手により信頼してもらう努力をしましょう。
実績がある場合には必ず記載するようにしましょう。
3つめ「物語を伝える」
ほとんどの人は「損」をするのが嫌いです。
そして、誰かが「得」する、というのは自分が「損」をしているじゃないか、と考える人もいます。
素晴らしい提案と根拠を示しても、「自分が得しようと思っているだけだろ」と相手に思われてしまっては成約することは難しくなってしまいますよね。
そこで必要なことが、「物語」を語り信頼してもらうことなんです。
その商品が生まれるまでに、どんな苦労があり、どんな壁を乗り越え、どうやって商品化されたのかを伝えてください。
そこで得た教訓や考え方、効果などを伝えることで、耳を傾けてもらい、あなたがどんな人間なのか、どんな会社なのかを理解してもらうことができるんです。
たとえば、オーガニック化粧品のラヴェーラは自らの経験を語ることで、品質の高さを示し、信頼を得ています。
きっかけは、私が幼少時より極度の敏感肌で苦しんでいたことでした。
既存の化粧品や医薬品がまったく肌に合わず、そのため化粧品の原料や、これまでのものに代わるスキンケアについて勉強を始めました。その後、私は友人と一緒に、ドイツで他に先がけてオーガニックフードショップを開きました。
そのかたわらで、多くのお客様からの励ましも受け、スキンケアの研究を続けました。
自分で植物を栽培し、ハーブエキスをつくり、化粧品の試作を繰り返し、そしてついに第一番目の化粧品を開発しました。1975年の夏に、私は最初の化粧品であるリップクリームを完成し、自ら使用しました。
そのときがはじめて、私の敏感な唇が日焼けすることなく、はじめて快適に過ごすことができた記念すべき夏になりました。
引用元: ラヴェーラホームページ
誰かに誇れるような物語がなかったとしても落胆しないでください。
もう一度あなたが売り込もうとしている商品を知るところから始めてみましょう。
必ず、語るべき物語が見つかるはずです。
物語の作り方についてもっと知りたい方はこちら↓↓↓
⇒参考:「感情を動かせ!プレゼンを成功させるためにストーリーを伝えることが重要!!」
伝える順番や構成方法
ここまで、営業資料には3つの要素が必要だとお伝えしてきました。
でも、「これだけじゃ作れない!!」
という方のために、全体の流れと構成方法をお伝えしていきます。
デザインに凝る必要はありませんが、イメージ画像を使うと表紙としての体裁が整います。
まずは、どんな強みがあって、他社とは何が違うのかを伝えましょう。
最初で相手の興味をひくためには、一番伝えたいことを先に伝える必要があります。
お客さんが悩んでいそうなことや、現状の問題点を指摘して、問題意識を顕在化させます。
商品・サービスの内容を伝え、それがお客さんにとってどんなメリットがあるのかを伝えましょう。
商品・サービスを使うことでお客さんに「こんな未来が待っている」という約束をします。
なぜ約束できるのか、その根拠を伝えましょう。
実はこんなこともできるし、こんなメリットもある、ということを伝えて、価値の高さを伝えます。
信頼してもらうために、実績や顧客の声を伝えます。
なぜこの商品・サービスができたのか、どんな苦労があったのかを伝えましょう。
資料にして語るの難しいなら、会話の中で自然と物語を語る形をとりましょう。
費用については最後に伝えるようにしましょう。
もちろん、費用の安さが一番の売りなら一番最初に伝えるべきですが、そうでない場合に最初に費用の話をして、相手の予算に合わなかった場合、その後の話を聞いてもらえなくなってしまいます。
ですから、この構成方法が絶対なわけではないのですが、要素はこれまでに紹介したことを盛り込んでみてください。
営業資料の作り方のまとめ
営業資料で大切なことは、会社の沿革や事業内容だけではなく、「強み」や「お客さんのメリット」、そしてそのことを裏付ける「根拠」、さらに「理念や情熱」を伝えることです。
ただただ、会社の歴史や従業員の数を伝えたり、いきなり売り込んだりせずに、お客さん自身や会社にとって、その提案を受け入れることで、どんな素晴らしい未来が待っているのかを伝えることができる会社案内を制作してみてくださいね。 監修者 <略歴> 武蔵野美術大学卒業後、東京都港区赤坂の設計事務所にてプレゼンテーション業務に従事。数億円のオフィスビルから数百億円の都市開発事業などの提案書およびプレゼンテーション資料の作成を手がける。
2016年より会社を設立し、2018年よりマーケティング、セールスライティングを取り入れたプレゼンテーション資料制作、コンサルティング事業を開始。
現在はプレゼンテーション資料を中心に広告やチラシ、営業資料などの様々な資料を手がけ、資料制作講座も開き、資料制作の方法なども伝えている。
⇒主な制作事例はこちら