【この記事を読むとわかること】
- プレゼン資料の基本構成
- シンプルなプレゼンの構成
「パワーポイントで資料を作成する手順は?」
「パワーポイントを使うシーンとは?」
「わかりやすいパワーポイントを作るコツを知りたい」
プレゼン資料の構成をインターネットで調べてみると色々と出てくるはずです。
SDSとかPREPとかFABEなど、どれを使えば良いのか迷う方も多いでしょう。
しかし、シンプルで理解しやすいプレゼンの構成で覚えるべきパターンは、実はたったの2つだけ。
本記事ではパワーポイントの基礎的な作り方と、2つの構成パターンについて解説します。
2つの構成パターンを活用すれば、あなたはもう資料作りの最初でつまづき、時間を無駄にすることがなくなります。
2つのパターンとは
社外プレゼン用の『提案パターン』と
社内プレゼン用の『報告パターン』です。
プレゼン資料の作成で困っている会社員の方、2つの構成パターンをうまく活用したい方は、ぜひ最後までご覧ください。
誰でも簡単にきれいなプレゼン資料が作れる
↓↓↓
わかりやすいパワーポイントを作るコツ
まず、わかりやすいパワーポイントを作るコツを網羅的に解説していきます。
コツは以下の11個です。
- ➀スライドの書式を統一する
- ②1枚のスライドにつき伝えたいことは1つに絞る
- ③左上から右下への流れを意識する
- ④視覚的にも読みやすくする
- ⑤文字の大きさを変えてコントラストをつける
- ⑥色は極力少なくする
- ⑦必要以上に装飾しない
- ⑧文字とオブジェクトの関係をわかりやすくする
- ⑨一度決めたルールを全てのスライドに適用する
- ⑩スライド番号と合計のスライド数を入れておく
- ⑪改行・行間・配置・余白を調整する
それぞれ解説していきます。
コツ①スライドの書式を統一する
スライドの書式を統一することは、パワーポイントをわかりやすくするための重要なポイントのひとつです。
フォント、文字サイズ、テキストボックスの配置、色合いなどを統一することで、視覚的に整ったスライドに仕上がります。
また、レイアウトやテーマの設定によっても一貫性のある資料を作成できます。
コツ②1枚のスライドにつき伝えたいことは1つに絞る
複数の情報を詰め込んだスライドを作成すると、情報の整理が難しくなり、伝えたいメッセージが伝わらずに混乱してしまいます。
1スライドには1つのテーマやアイデアを絞り込み、強調したいポイントを明確にすることで、聴衆に情報を伝えやすくなります。
コツ③左上から右下への流れを意識する
スライドを見る人が情報を受け取る際の視覚的な導線を意識することも重要です。
スライドの配置や文章・画像の配置を工夫し、左上から右下にかけて情報が自然に流れるようにすることで、スライドの見やすさと理解しやすさを向上させることができます。
コツ④視覚的にも読みやすくする
スライドのレイアウトやデザインにも配慮し、見やすさを意識した作り方をすることも意識しましょう。
フォントの色や大きさ、背景の色などは読みやすさを左右する大切な要素です。
また、グラフや表を使う場合は、鮮やかさよりもわかりやすさを重視することが大切です。
コツ⑤文字の大きさを変えてコントラストをつける
部分的に文字の大きさを変えて強調することで、スライドの中で情報の優先順位をつけ、視認性を向上させられます。
見出しや重要なポイントの文言には大き目の文字サイズを使用し、詳細な説明や明示的でない情報には小さめの文字サイズを使用することが効果的です。
コツ⑥色は極力少なくする
スライド内で使用する色を限定し、過剰な配色を避けることも重要です。
無駄な色使いは視覚的に混乱を引き起こし、情報伝達の障害になるため、必要最小限の色を使いわけることで、スライドの見やすさを向上させることができます。
コツ⑦必要以上に装飾しない
スライドに不必要なグラフィックや装飾を加えず、要点を明確にすることも大切です。
過剰な装飾は誤解を招き、メッセージの伝達を妨げます。
シンプルで前提に沿ったスライド作成が大切です。
コツ⑧文字とオブジェクトの関係をわかりやすくする
テキストや図形の配置によって情報の関連性や階層性を視覚的に示すことにより、聴衆が簡単に内容を理解し、記憶できます。
たとえば、テキストボックスの周りに影や枠線を配置することで、重要な部分を強調できます。
また、アイコンやグラフなどのオブジェクトを使って、グラフィカルな情報提示を行うことも有効です。
コツ⑨一度決めたルールを全てのスライドに適用する
フォント、色、レイアウト、アニメーションなど、一度決めたデザインのルールを、すべてのスライドに適用しましょう。
統一されたデザインは、視聴者が視覚的に情報を理解しやすくなり、スライドのまとまり感を高めます。
コツ⑩スライド番号と合計のスライド数を入れておく
プレゼンテーション全体を把握しやすくするため、各スライドにスライド番号と合計のスライド数を表示しましょう。
これにより、聴衆がどの程度のペースでプレゼンテーションが進んでいるか、どこまで進んだかが一目でわかり、集中力維持につながります。
コツ⑪改行・行間・配置・余白を調整する
「改行・行間・配置・余白調整」は、文字や図形の配置を整え、見やすくするための作業です。
改行や行間を調整することで、文章の読みやすさが向上し、図形の配置や余白を調整することでスライドのデザインが整い、プレゼンテーション全体の見栄えが良くなります。
適切な調整によって、聴衆に訴えかけるプレゼンテーションを作成できます。
⇒参考:「見やすいパワーポイントを作成するコツは色・フォント・配置!」
プレゼン資料の構成は3幕構成を意識する
ここからはパワポを使った資料に共通する構成方法を解説します。
プレゼン資料は「3つの要素」で構成されています。
普段、私たちは「起承転結」の4つの構成に慣れていますから、「3つ」と聞くと少なく感じるかもしれませんね。
なぜ3つの要素で構成するのかといいますと、
古代ギリシャの哲学者であるアリストテレスによって「物語」は
「始まり、中間、終わり」
の三幕で構成されているとされました。
現在では、映画や舞台などは「設定」「対立」「解決」の三幕構成で成り立っているものが多いと言われています。
物語の場合、
現在の状況や目的、人物像などを把握してもらい、感情移入をさせることで、物語にひきこみます。
葛藤や対立を描き、物語を膨らませます。
結末や解決が描かれ、感情が最高潮に達します。
もっとも重要なことは、物語もプレゼンも観客や聴き手に変化を与えることです。
良い物語とは、物語に触れることでそれまでの自分の考え方が変わったり、モノの見方が変わったりすること。
そしてプレゼンの目的とは、聴き手の心境に変化を与えることで、聴き手に提案を承認してもらったり、商品を買ってもらうことに尽きます。
そのため、聴き手の心を揺さぶるこの三幕構成をプレゼンにも応用すべきといえるでしょう。
シーンに合わせたパワポの構成パターン
先述の2つのパターンは、パワーポイントを発表するシーンに合わせて使い分ける必要があります。
- 社外プレゼン用の「提案パターン」
- 社内プレゼン用の「報告パターン」
それぞれ解説していくので、パワーポイント作成時はどちらに該当するか考えながら進めてみてください。
社外プレゼンは『提案パターン』で商品を売れ
社外プレゼンとは、取引先や顧客に向けて自社商品・サービスを販売することを指します。
最終的に聴き手になにか行動を起こしてもらうセミナーなども、この『提案パターン』を使うとよいでしょう。
逆に、社内で上司などに報告するパターンのプレゼンには向いていませんので、気をつけてくださいね。
『提案パターン』の最も重要な役割は、あなたの目的を達成するための構成だということです。
商品やサービスを購入してもらいたいのか、資料やパンフレットを請求してもらいたいのか、業種や目的によって達成すべき目的は様々ですが、あなたの商品・サービスがどのようなものか知ってもらうことで終わりではなく、行動を起こしてもらうことを目的としたプレゼン構成となっています。
そのために重要なポイントは聴き手の感情をいかに刺激するか、ということになります。
人は論理や合理性だけでは、行動を起こしません。
なぜなら、私たちは論理的な思考だけではなく、感情の働きによって物事を判断するからです。
脳科学では、脳の中にある扁桃体が人の感情をコントロールしているといわれています。
扁桃体の働きに制限をかけると、感情がうまくコントロールできなくなり、物事を決められなくなってしまうんです。
だからこそ感情を刺激することが、聴き手に行動させるために必要なことなんです。
提案パターンで必要な3つの構成要素
それでは、提案パターンでの具体的なプレゼン資料の作り方についてご説明していきます。
『提案パターン』の構成は
「導入」「提案」「行動喚起」
の3つです。
構成は3つのみですが、中身はもう少し細分化されますので、
これから説明していきます。
1.「導入」:聴き手の心を掴む
「導入」とはいわゆる「つかみ」のことです。
最初に聴き手の心をつかむことができなければ、そのあとに話を聞いてもらうことが難しくなってしまいます。
反対に、しっかりと心をつかむことができれば、スムーズにプレゼンを進めることができます。
「導入」を成功させるためには、聴き手であるお客さんの共感を得て、ただの傍観者にさせないことが大切です。
お客さんが、現在抱えている悩みや、取り除きたい苦痛に対して、「こんなことでお困りではないですか?」と的確に伝えることで、「あっ!そうそう、それに困っているんだ」というように共感してもらえるのです。
このとき、「こんなことでお困りだと思います」と言い切るよりも、「お困りではないですか?」と質問形式にすることで、聴き手は自分なりの考えを導き出そうとします。
この、「考える」という行為が聴き手をプレゼンに参加させることになり、ただの傍観者としてそこにいるだけではなくなるので、ぜひ、質問形式でプレゼンに参加してもらえるようにしましょう。
例えば、化粧品の場合であれば、「最近シミに悩んでいませんか?」とか「冬になって肌の乾燥に悩んでいませんか?」と具体的に質問することで、そのことに悩んでいる聴き手はもっと話を聞きたくなります。
2.「提案」:聴き手のメリットを伝える
「提案」ではベネフィットを伝えます。
ベネフィットとは、お客さんが商品やサービスを購入することで得られるメリットのことです。
たとえば、掃除機であれば、連続運転時間や軽さ、デザイン、吸引力、メンテナンス性、などの機能部分を説明するのではなく、その掃除機を使うことでお客さんにはどんなメリットがあるのかを伝えてください。
この場合であれば、
といった感じに、掃除機を購入したあとにお客さんにどんな価値を提供できるのかを伝えることがベネフィットです。
失敗するプレゼンにありがちなのが、ベネフィットが語られていないことです。
特に素晴らしい機能を備えた商品では、優れた技術や機能を多く語りがちになってしまいます。
例えば、パソコンはその代表格と言えるでしょう。
第8世代インテル® Core™ i7-8700 プロセッサー
メモリ:8GB DDR4 2666MHz
ハードドライブ:1TB 7200 rpm
という高い技術力が詰まったパソコンになります!」
といったスペックの説明を受けても詳しくない人にはさっぱりわかりませんから、興味をひかれることもありません。
・・・だからなに??
と言われるのがオチでしょう。
それよりも
と購入することで得られるメリットを伝えられた方が、魅力的に感じますよね。
ベネフィットはあくまでも聴き手目線で考え、どうすれば商品やサービスを購入してもらった後のことを想像できるかを考えて、伝えるようにしましょう。
2.「提案」:詳細を伝える
ベネフィットを伝え、興味をひくことができたら、その商品やサービスの具体的な使い方や、機能・特徴を伝え、より深く理解してもらえるようにします。
最初に機能や特徴をたくさん伝えられても、「なんかよくわからない」と思われてしまったり、「自分ではあまり使わなそう」と思われてしまうこともあるので、最初ではなく途中で伝えるようにします。
あなたがその商品の開発者の場合「この商品はここがすごいんだぞ!」「こんな機能がついているんだぞ!」と熱が入ってしまうのは、よーくわかりますが、そこは少し我慢してもらい、まずは聴き手にとってのメリットを伝え、興味を持ってもらってから、具体的な機能や特徴について伝えるようにしましょう。
2.「提案」:根拠を伝える
そして、ベネフィットを伝えたら、その根拠を伝えなくてはいけません。
根拠がなければ、どんなに良い提案も信じてもらえないからです。
根拠は、利用者の声(口コミ)や科学的根拠、これまでの実績や受賞歴など、聴き手が信用できる内容を伝えていきます。
ここで気をつけて欲しいのは、根拠はたくさんあった方がよいですが、細かく伝えすぎないことです。
あまりに細かく伝えすぎてしまうと、聴き手は飽きてしまいますので、どうしても細かい根拠を伝えたい場合には、補足資料として、質問が出た時のためにとっておきましょう。
3.「行動喚起」:聴き手にとってもらう行動を明確に
聴き手の悩みを提示し、共感を得て商品のベネフィットを伝え、その根拠を伝えたら、最後は「行動喚起」です。
最後には必ず何をして欲しいのかを明確にしてください。
人は怠惰な生き物なので、自分から進んで行動することに抵抗を感じます。
誰かに強制されることを待っているんです。
なので、どう行動してもらいたいのかを明確に伝えるんですが、その前に必要なことが「まとめ」です。
行動喚起の前に「まとめ」を伝えよう
これまでに順番に全てを伝えたから、全てを覚えてくれているだろう、と思ったら大きな間違いです。
全てを詳細に覚えている人はいません。
だからこそ最後にもう一度、あなたのプレゼンで最も伝えたいことを伝えるようにしましょう。
これは「親近効果」といって最後の印象が強く記憶に残るという心理効果がありますので、聴き手にとってのメリットやその根拠をもう一度最後に伝えて、より強く記憶に残すことを心がけてください。
行動喚起を伝えよう
例えば家で仕事をしていると、思うように仕事が進みません。
なぜなら、上司や同僚の監視の目がないために仕事に対する強制力が弱まってしまうからです。
また、与えられた仕事に期限が設けられていなければ、その仕事を完了させるためには恐ろしく時間がかかることでしょう。
私たちが自分の意思で行動するためには、強い意志が必要になってくるのです。
ですから、プレゼンの最後にはあなたが聴き手にとって欲しい行動を伝えてください。
無料サンプルを試してもらいたいのか、資料請求してもらいたいのかは、業種や目的によって変わってきますが、『どうですか?弊社の商品はとてもいいでしょう』だけで終わってはいけません。
そのあとに聴き手にどのように行動してもらいたいのか明確にしてください。
たとえば、
「すぐに電話してください。」
「今週中にもう一度伺いますので、それまでに検討してください」
「このアドレスにアクセスして、パンフレットをダウンロードしてください」
など、行動してほしい内容を明確にして、相手にとって欲しい行動を促しましょう。
セールスのカリスマとして知られるジグ・ジグラーは、「注文を求められるかどうかが、高給を取れるセールスマンと最低の基本給しか稼げないセールスマンとを分ける」と言っています。
ですから必ず行動を求めるようにしましょう。
では、これまで見てきた『提案パターン』について簡単な例とともにおさらいしていきましょう。
【1.導入】
聴き手の悩みにフォーカスすることで、聴き手は自分のためのプレゼンであることを理解する。その結果、共感が生まれプレゼンテーションをスムーズに進めることができる
【1.導入】
提示した「悩み」についての原因を探し、改善すべき点を明らかにする。
(ここでは、新築アパートの増加とともに、既存のアパートは個性がなく、競争力がないということを説明ししている。)
【2.提案】
悩みや原因を伝え、感情を高めていったところで、自社提案をインパクトが残るように工夫しながら伝える。
(ここでは背景に画像を差し込むことで、話の内容が今までと切り替わったことを示している。)
【2.提案】
機能や特徴などを伝えることも必要だが、この提案を受け入れることで、聴き手であるお客さんにどのようなメリットがあるのかをわかりやすく説明する。
【2.提案(詳細)】
サービスの具体的な内容や、商品の機能・特徴を伝える。
【2.提案(根拠)】
さらに、聴き手からの信頼を得るために、メリットの根拠となるデータを示す。
根拠となる数字があるのであれば、数字を明確に伝える。
【2.提案(まとめ)】
最後の一つ前には必ずこれまでの「まとめ」スライドを用意する。最後にインパクトを残すことができれば、検討してもらえる可能性がグンと高まる。
【3.行動喚起】
プレゼンを聞いたうえで、聴き手にどうして欲しいのか、最後には必ず行動して欲しい内容を伝える。
保証制度や割引特典などがあればそれらも伝えることで、さらに「行動喚起」を誘発する材料となる。
報告パターン
(社内プレゼン)の構成
社内プレゼンは『報告パターン』で承認をとれ
社内プレゼンとは、新しい事業の提案や業務改善報告など、社内で報告するプレゼンを指し、その際に活用してもらいたいプレゼン構成が『報告パターン』です。
社内プレゼンで承認を得るために必要なことは、「なぜ、その提案をするのか」「結果、どうなるのか」ということを順序立てて説明していくことが大切です。
『報告パターン』では、間違っても無理やりインパクトを狙うことはしないでください。
例えば、スティーブ・ジョブズのプレゼンを学んで、実行しようとする人がいますが、ジョブズのプレゼンは、多くの人にアップルの製品を知ってもらうことを目的としていますので、インパクトあるプレゼンをする必要があります。
ですが、社内プレゼンの場合では、インパクトよりも、提案をしっかりと理解してもらい検討してもらわなければいけません。どれだけ自社のためになり、効果がありそうなのかを伝えることを念頭に置きましょう!
報告パターンで必要な3つの構成要素
それでは、ここから報告パターンでの具体的なプレゼン資料の作り方についてご説明していきます。
『報告パターン』の構成は
「問題」「解決案」「効果」
の3つです。
社内で報告する場合に、詳しく説明しようとして結果的にダラダラとした説明になってしまいがちです。
わたしも会社員時代には、上司に「もっと簡潔にわかりやすく」「結局何が言いたいの?」などと注意されていました・・・
ダラダラとした説明になってしまう原因の多くは、「自分の考えがまとまっていない」や「わからないと言われるのが怖くて、事細かく説明しようとする」などが考えられます。
情報を取捨選択して伝えることは難しいことですが、
5分で伝えるなら何を伝えるか?
3分で伝えるなら何を伝えるか?
自分で時間を絞って考えてみると、必ず伝えなければいけない内容が見えてきます。
細かい説明は、最後に質疑応答などで対応すればよいので、詳しく説明しようとするよりも、簡潔かつシンプルに伝えるように意識しましょう。
1.「問題」:具体的に把握して伝える
社内プレゼンでは、問題提起を最初に伝えることがセオリーなんですが、実はその前にもうひとつ大切なスライドがあるんです。
それが表紙スライドです。
表紙のタイトルは期待感を与えることが大切
例えば
というありきたりで意味のないタイトルではなく、
のように期待感を高めながら、何を目指したプレゼンなのかがすぐにわかるタイトルをつけるようにしましょう。
このようにタイトルで明確にゴール(結論)を示すことで、聴き手の興味を引くことができますし、まどろっこしい説明にならず、シンプルなプレゼンを展開することができます。
スライドの最初は問題点を伝える
問題提起こそがプレゼンの始まりであり、問題提起がなければ何についてのプレゼンなのか分からなくなってしまいます。
問題点を示す際には、何が問題なのかを具体的に伝えていくことを意識してください。
たとえば、全国展開している小売店の店長が上層部に店舗の現状と改善点をプレゼンするとします。
その場合「問題点は売り上げが悪いことです」では、問題点があやふやすぎて、上層部は、「そんなことはわかっている、もっと詳しく伝えろ」となってしまいます。
さらに、これでは、「売上がなぜ悪いのか」がわからないため、具体的にどのような施策を立てていくべきなのか、対策を練ることが難しくなってしまいます。
ですから、問題点は具体的にしてください。
「客数が少ない」「客単価が低い」「リピート率が悪い」など、どういった原因によって店舗の売り上げが伸びないのか、問題点を具体的に把握して伝えるようにしなくていけません。
2.「解決案」:複数案用意する
具体的な「問題点」を明確にしたら、次は「解決案」になります。
「解決案」を提示する際には2つから3つ用意し伝えることをおすすめします。
人は少ないものより、多いものに反応します。
ただし多すぎると、聴き手の脳に負担がかかり、ストレスを感じさせてしまうため、多くても3つぐらいまでにしておきましょう。
解決案がひとつだけでは、本当にそれがベストなの?と聴き手が疑問に思ってしまうかもしれません。
なので、いくつか解決策を提示し、そのなかで一番効果的である解決案を伝えることがスムーズにプレゼンを行うためのコツなんです。
解決案をいくつか用意することの利点は他にもあります。
他の案をつぶすこと、いわゆる捨て案を用意することで、本当に提案したい案が、より素晴らしい案であると強調することができます。
さらに「こんなに色々な案を考えた結果、オススメする案はこれです」と伝えることで、あなたが深い考察のうえで、この解決策にたどり着いたことも同時に示すことができるんです。
もちろん、時間をかけて全ての案を説明する必要はありません。
「この問題の解決方法としてはA案、B案、C案がありますが、今回はこのC案を採用します。なぜなら・・・」
といったようにいくつか案があるということだけを伝えて、その他の案の詳しい説明は、質問がでたときに答えるだけにしておくだけでもいいでしょう。
3.「効果」:根拠を示す
ここまできたら、「それによってどのような効果を得られるのか」と「想定する効果の根拠」をできるだけわかりやすく伝えましょう。
たとえば、先ほどの例で、店舗の売り上げが伸びないのが「リピート率の低さ」だったとします。
「ですので、リピート率を上げれば売り上げが上がります」
と言ったところで、だれがそれを信じてくれるのでしょうか?
その解決案に素晴らしい効果があったとしても、根拠がなければ信用してもらえません。
リピート率を何%上げることで何%の利益が見込めるのか。
さらにその数字の根拠はどこから来ているのかをあなたには説明する責任があります。
根拠は他社の事例や、科学的根拠であったり、統計的根拠であったり、お客様の声であったり、さまざまです。
もちろん、得られるであろう効果は、あくまでも推測ですから、その通りにはいかないこともあるでしょう。
ただし、そのことに恐れて、曖昧な言い方で逃げ切ろうとすることはやめましょう。はっきりと自信を持ってプレゼンしてください。
もし、そのあとに上手くいかなかったとしても、気にすることはないです。
だって、世の中に「絶対」はありませんから。
言ってしまえば、
全ての提案が必ずうまくいくはずないんです。
どんなに経験を積んだ経営者も経営判断を間違えることがありますし、
どんなに優秀な投資家も判断ミスで資産を大きく減らしてしまうこともあります。
未来は誰にもわからないのですから、自信なさげにプレゼンするよりも、自信を持ってプレゼンしたほうが、あなたのプレゼンに対して好印象を抱いてもらえます。
もちろん提案が通ればそれでよい、というわけではないので、プレゼンのあとに努力することは必須ですよ。
では、これまで見てきた『報告パターン』について簡単な例とともにおさらいしていきましょう。
『報告パターン』の全体の流れ
【0.ゴール設定(表紙)】
一番最初にこのプレゼンは何を目的としたプレゼンなのかを明確にし、聴き手にかかるストレスを取り除いてあげること。
【1.問題】
まずは大まかな問題点を簡潔に伝える。こうすることで、聴き手は今回のプレゼンの枠組みを理解し、プレゼン内容に入っていきやすくなる。
【1.問題(具体的)】
問題点がどのような原因によって引き起こされているのか、深掘りし、問題点を絞り込むことが重要。
【2.解決案】
解決案をいくつか用意し、それぞれのメリット、デメリットを挙げたうえで、今回提案する解決案が目立つようにする。
【2.解決案】
解決案に対して、具体的にどのような施策を行なっていくのかを伝える。
【3.効果】
解決案とその施策を実行することで、具体的にどのような効果が見込めるのかを示す。
【3.効果(根拠)】
見込める効果には、必ずその根拠を示すことで、現実的に可能な提案であることを強く印象付ける。
今回、例として挙げたこれらのプレゼンは要点だけスライドにして伝えていますので、実際にはもっと具体的にして、聴き手にわかりやすくする必要があります。
ですが、流れとしてはこのような形になりますので、今度プレゼンがある、という方は是非これらの構成パターンを使ってプレゼン資料を作ってみてください!
プレゼン資料の作り方について詳しく知りたい方はこちら↓↓↓
⇒参考:「これを読めばマスターできる!プレゼン資料の作り方とコツ」
プレゼン構成についてのまとめ
今回はプレゼンの構成パターンについてお伝えしました。
商品やサービスを販売している場合には『提案パターン』を活用し、聴き手の悩みを把握して顕在化してあげることで、共感してもらえることができます。
『提案パターン』の構成は
「導入」「提案」「行動喚起」
の3つです。
人は理屈だけではお金を払ってくれません。感情を刺激する必要があるんです。
感情を刺激するためにも、常に聴き手目線での資料作りを心がけるようにしてくださいね。
社内で報告をする場合には『報告パターン』がよいとお伝えしました。
『報告パターン』の構成は
「問題」「解決案」「効果」
の3つです。
こちらは、感情面に訴えかけるプレゼンではなく、論理的に組み立てていく必要があります。
論理的なプレゼンはダラダラと説明が長くなりがちなので、シンプルに簡潔に作ることを常に頭に置いて資料作成をおこなってください。
ぜひ、これらの構成パターンを試してみてください。
きっと今までとは違ったプレゼンをすることができると思います。
もしも、この記事を読んでもプレゼン資料を作るのが難しい。。。
と思っている方は、デザインだけではなく、構成も作り込まれている「秘密のテンプレート」を使ってみてはいかがでしょうか?↓↓↓
最後までお付き合いいただきありがとうございました。
また、資料のクオリティ・作成時間でお困りなら資料作成代行サービスのプレサポへご相談ください。
ビジネスのさまざまな現場で使われる資料を高品質かつ短納期でご提供いたします。
監修者
<略歴>
武蔵野美術大学卒業後、東京都港区赤坂の設計事務所にてプレゼンテーション業務に従事。数億円のオフィスビルから数百億円の都市開発事業などの提案書およびプレゼンテーション資料の作成を手がける。
2016年より会社を設立し、2018年よりマーケティング、セールスライティングを取り入れたプレゼンテーション資料制作、コンサルティング事業を開始。
現在はプレゼンテーション資料を中心に広告やチラシ、営業資料などの様々な資料を手がけ、資料制作講座も開き、資料制作の方法なども伝えている。
⇒主な制作事例はこちら