プレゼンテーション資料を作成するうえで、適当に決めてしまいがちなのが『タイトル』です。
「いや、プレゼンのタイトルなんて悩むことないじゃん!」
「最初にちょっと見せるだけだし、そんなにこだわる必要ないでしょ」
いえ!そんなことはありません!
ちょっと考えてみて欲しいのですが、休日に自宅で映画を観るため、ツタヤでDVDをレンタルしようとしているとき、またはダイエットがしたくて本屋でダイエットに関する本を探しているとき、まず目にするのは?
『タイトル』じゃないですか?
もちろんタイトルが全てとは言いませんが、まったく知らない作品を探している場合には、タイトルが最初のきっかけになるはずです。
タイトルの付け方をマスターすれば、最初から聴き手の心を掴むことができます。
プレゼンでは、聴き手の感情を刺激することが大切です。
さらにプレゼンでは最初に聴き手の興味を引くことも大切です。
そのため、一番最初のタイトルスライド、つまり表紙はとても重要な役割を担っているんです。
効果的な表紙となるパターンは以下の4つになります。
- お客さんの得になること
- 新しい情報を提供する
- 簡単にすぐできる
- コストを抑えることができる
これらのパターンからあなたのプレゼンに合ったものを選び表紙に活用するようにしてみてください。
誰でも簡単にきれいなプレゼン資料が作れる
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目次
プレゼンタイトル(表紙)が重要なワケ
冒頭でもお話ししましたが、プレゼンタイトルはとっても重要なんです。
なぜか?
それは、プレゼンを始めるときお客さんが一番最初に見るスライドだからです。
しかも、場合によっては、プレゼンが始まるまでの数分間をタイトルスライドを表示させたまま待機している場合もあります。
そう考えると、お客さんがある程度の時間、タイトルスライドだけを見ていることになります。
しかも、最初の印象というのは、その後のプレゼンに影響してしまいます。
わたしたちは日々多くの情報の中で、常に大小の選択を迫られながら生活しているので、物事の判断を一つ一つ丁寧に時間をかけて考えているヒマはないんです。
そのため、脳の負担を減らそうと、直感や先入観が論理的な思考をシャットアウトし、事実が間違っていてもそれを正しいと認識してしまうんです。
ですから、最初の印象で、「つまらなそう」「あまり期待できなそう」と判断されてしまったら、そこでお客さんは考えることをやめ、真剣に耳を傾けてくれなくなるかもしれません。
こんな最悪な事態を避けるためにも、タイトルは時間をかけて考えるべきなんです。
【悪いタイトル例】
タイトルが長ったらしく、どんな内容のプレゼンなのか理解することが難しいタイトル例
効果的なプレゼンタイトルの付け方
タイトルをつけるとき、どんなタイトルをつけていますか?
もしかして、
『集客の改善提案』
『課題を解決するデジタルソリューションのご説明』
などといった、タイトルをつけていませんか?
かしこまってますね〜
確かにタイトルの役割は簡潔にプレゼンの内容を伝えるものですので、これらのタイトルでも決して間違ってはいません。
でも、これでお客さんの期待値を上げることはできませんよね?
ではどんなタイトルをつければいいのでしょうか?
タイトルをつけるときの4つのパターン
プレゼンはお客さんの感情を刺激して行動してもらうことが目的です。
そのためには最初に感情を刺激できるようなタイトルを考えなくてないけません。
お客さんの感情を刺激できるタイトルのパターンは4つです。
聴き手となるお客さんは、「自分にとって、どういったメリットがあるのか」といった視点でプレゼンを聞いています。
ですので、表紙でお客さんにとってのメリットを伝えることができれば、お客さんの興味をひくことができます。
2.新しい情報を提供する
なにか新しい情報があればそれを必ず伝えるようにしてください。私たちは新しいものに敏感に反応します。新しいものが好きなんです。
3.簡単にすぐできる
いくら良い提案だったとしても、「なんか面倒臭そう」と思われたら受け入れてもらえません。もしも他の類似サービスより簡単にできるのであれば、それを伝えましょう。
4.コストを抑えることができる
コンペ案件の場合、最終的にはコストで決まってしまうことが多くあります。それほどコスト=お金は大切な要素になってくるのです。具体的な数字をタイトルで言う必要はありませんが、コストを抑えることができるのであれば、それも伝えましょう。
以上がタイトルでお客さんの感情を刺激するための4パターンとなります。
もちろん全ての要素がタイトルに含まれている必要はありませんし、反対に全ての要素が入っても大丈夫です。
要するにこのタイトルパターンはすべてお客さん目線で考えることを前提としていますので、そこが意識されていれば、よいタイトルになります!
具体的にタイトル例をいくつか紹介します。
「社員の残業時間を減らすための画期的なシステム」
「売り込まなくても商品が売れる!営業トークの極意」
「ついに登場!これ一つで作業効率アップ」
「暗号通貨投資で知っておくべき新たな銘柄5選」
「今日からできる!旦那に家事をさせる魔法の言葉」
「たった3分でだれでも痩せられるダイエット法」
「業界最安値プランの登場」
「電気代を20%カットする高効率システム」
ここで気をつけて欲しいのは、提案内容をすべて言う必要はないということです。
あくまでも期待値を上げられるタイトルの付け方を、意識するようにしてください!
プレゼンタイトルを考えるためのヒント
タイトルを決めるためのパターンを知ったところで、なかなかアイデアが出てこないこともあります。
一生懸命、思いついたアイデアをスライドに書き込んでいっても、どうもしっくりこない・・・
そんな方にオススメする方法があります
それはタイトルは一番最後に考える、というものです。
プレゼンをするからには、伝えたいことや、提案、テーマが最初にあるはずです。
ですから、その提案やテーマを最初に表紙として作ろうとしてしまいがちです。
でも、実際にプレゼン資料の制作が進んでいくと思いもよらないアイデアが出てきたり、アウトプットしていくことで、自分の考えが整理されたり、矛盾に気づいたりと色々な発見があります。
こうしてプレゼン資料を最後まで作った頃には、最初に考えていたよりも、自身のプレゼンについてより理解を深めているはずです。
この状態の時にプレゼンタイトルを考えてください。
言いたいことやストロングポイントが明確にわかっている状態でタイトルを考えたほうが、よりわかりやすく、伝えたいポイントをおさえたタイトルが思い浮かぶはずです。
逆に、最初にまったくコンセプトやテーマが決まっていない場合には、ある程度、本番用のタイトルを考えておく必要があります。
なぜなら、タイトルがしっかりと決まっていると、プレゼンの内容を構成する上で、余計な話に脱線せず一貫性を保つことができるからです。
なので、理想的なステップは「仮タイトル決定」➡「プレゼン内容構成」➡「最終タイトル決定」という順番になります。
社内プレゼンのタイトルの場合
社内でのプレゼン、つまり上司への業務報告やプロジェクト提案などの場合には、感情を煽る必要はないのですが、それでも期待を感じさせ、簡潔でわかりやすいタイトルにしましょう。
例えば
「関西支店での新規プロジェクトの今期までの経過と今後の対応策」
だと、長いですし、あまり興味をひかれませんよね。
「関西支店 新規プロジェクトについて」
では、短すぎて何のプレゼンなのかわかりませんよね?
何度もお伝えしますが、タイトルはプレゼンに入る前の大事なスライドです。
どんなプレゼンなのかを簡潔に、しかもわかりやすく、そして興味が惹かれる内容にしましょう。
そのためには、社内プレゼンの場合、結論をタイトルにすることが効果的です。
例えば、
「福利厚生を充実させ、求人応募者を増やす」
「社内チャットの導入で、コミュニケーションを円滑にする」
など、社内プレゼンで最終的な提案をする内容をタイトルにしてしまうんです。
このとき、数字を入れると具体性が増し、より興味をひきやすくなります。
「いや、それはネタバレになるから嫌だな〜」
と思われるかもしれません。
でも、そもそも、ネタバレして興味を失うような提案なら、最後に伝えようが最初に伝えようが、結果はあまり変わりません。
それよりも最初にしっかりと興味をひいて、中身はその根拠や実現可能なアイデアを伝えていくようにしましょう。
YAHOO!の記事タイトルを参考に
私がいつも感心させられるのはYAHOO!のトップ画面に表示される、「経済」や「エンタメ」や「スポーツ」などのニュース記事のタイトルです。
約13文字というスペース的な制限があるなかで、多くの人の興味を引くためのタイトルを考えることは、まさにプロの仕事だと言えます。
ユーザーの関心を引くための言葉の選び方、言葉のリズムなどによって、普段は興味もないような記事なのに、思わずクリックしてしまうことがあります。
内容はハズレのときもありますが、とにかくタイトルだけでも見ていると勉強になるので、これからYAHOO!を使う際には、そういった視点からも見てみると、新しい発見がありますよ。
タイトルスライド(表紙)のデザイン
タイトルを読みやすくするには
タイトルスライドでは、
- タイトル
- 提案者の名前(会社名、団体名、氏名等)
- 日付
- サブタイトル(場合によって必要)
といった要素が必要です。
フォントの大きさは、もちろんタイトルが一番大きく、提案者名や日付はすこし小さく配置するのですが、タイトルの中でもひらがなを小さくしてみたり、助詞(てにをは)を小さくするなどの工夫をすると、タイトルにメリハリが生まれ、読みやすくなります。
そして、もう一つお伝えしたいのが、「漢字とひらがなのバランス」を考えることです。
漢字だらけだけでは、とてもカタイ印象を受けますし、ひらがなばかりでは軽い印象を受けてしまいます。
どちらもバランスよく入っていることで読みやすさも向上しますので、あまりに漢字が多すぎたら、一部をひらがなにしてみたり、ひらがなが多すぎたら、漢字で表現できる言葉を使うなどの工夫をしてみてください。
タイトルを簡潔に整理しようとすると、プレゼン内容を伝えづらくなる、といった場合にはタイトルを長くするのではなく、「サブタイトル」という形で、タイトルの上などにおいておくと、読みやすいうえに内容を把握しやすくなりますよ。
漢字だらけだとカタイ印象を受けて、読みづらい。
ひらがなだけだと、タイトルが長く感じて読みづらい。
ひらがなと漢字のバランスが良く、助詞のフォントサイズを小さくすることでタイトルにメリハリがでる。
サブタイトルをおくことで、今回のプレゼンの意図が明確になる。
タイトルスライドの背景の設定について
表紙でインパクトを与えるために最も効率的かつ簡単なのは画像を背景に差し込むことです。
ただし、画像を背景に差し込む場合には、文字が読みづらくならないように、背景写真とのコントラストに十分注意する必要があります。
そのほかにも、背景に色をおいたり、あえて無地のまま余白を残すことで洗練された印象を与えたりなどのパターンがありますが、特に凝ったデザインにしないのであれば、以下の3つのデザインパターンのみとなります。
- 文字のみ
- 画像を使う
- 背景に色を使う
どうですか?
簡単そうですよね!
このように少し、見せ方を変えるだけで、印象はガラッと変わりますので、ぜひ試してみてください。
デザインを意識しすぎるとダサくなる場合が多いので、あまり凝ったことをしないほうが無難。
テキストだけで表現する場合には、フォントサイズを少し小さくして余白を多めにとるようにすると、シンプルで清潔感のある表紙になる。
画像を背景に設定する場合には、文字が見づらくならないように、コントラストに気をつけること。
この場合では背景画像の上に半透明にした黒色をのせることで、文字が目立つように調整。
気に入った画像が見つからなく、文字だけでは寂しいと感じたら、テキストの後ろに色を配置すると、失敗することなく見栄えをよくすることができる。
この色を選ぶ時には、自分の選んだ色に少し「黒」を入れると落ち着いた色味になり、全体的にまとまったデザインになる。
まとめ
さて、いかがでしたか?
タイトルスライドだけでも、多くのノウハウがあるのは、タイトルスライドがそれだけ大事だということなんです。
ですからこれからは手を抜かずにタイトルを考えてみましょう!
では、簡単にまとめておさらいします。
2.タイトルをつける時には4つのパターンがある
・お客さんの得になること
・新しい情報を提供する
・簡単にすぐできる
・コストを抑えることができる
3.タイトルは資料づくりの一番最後に考える
4.タイトルはフォントの大きさ、漢字とひらがなのバランスに注意する
5.デザインは凝らなくて良い
いろいろと考えたり気を付けたりすることが多くて、面倒に感じるかもしれませんが、デザインやフォントの大きさについては一度作ってしまえば、それを使い回せるので、面倒臭がらずに作ってみてくださいね。
監修者
<略歴>
武蔵野美術大学卒業後、東京都港区赤坂の設計事務所にてプレゼンテーション業務に従事。数億円のオフィスビルから数百億円の都市開発事業などの提案書およびプレゼンテーション資料の作成を手がける。
2016年より会社を設立し、2018年よりマーケティング、セールスライティングを取り入れたプレゼンテーション資料制作、コンサルティング事業を開始。
現在はプレゼンテーション資料を中心に広告やチラシ、営業資料などの様々な資料を手がけ、資料制作講座も開き、資料制作の方法なども伝えている。
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