プレゼン資料を制作するときに悩んでしまうのが、プレゼンの構成方法ですよね。

何から順番に伝えていけばいいのか、特に初めて作るときや慣れていない場合には迷ってしまいます。

そんなとき、物語を構成する方法として「起承転結」が昔から親しまれてきました。
ですからプレゼンでも「起承転結」を使って構成していけば、わかりやすく聴きやすいプレゼンが出来るのではないか、と考えている人も多いみたいです。

実際にインターネットで調べてみると、「起承転結で構成したほうがいい」という意見と「起承転結はプレゼンではダメ」という意見が混在しています。

でも、ここでお伝えしたいのは、プレゼン資料に関しては起承転結では構成できない、ということです。
じゃあどんな構成で、プレゼン資料を作っていけばいいのかというと、それには2つの構成パターンが存在します。

それが「提案パターン」「報告パターン」です。
この2つのパターンを知っておけば、起承転結でむりやりプレゼンの構成を考えていく必要はありません。

まずは結論からお伝えします

聴き手の感情を刺激し、提案を受け入れてもらうためには、「起承転結」ではなく、3幕構成がオススメです。

スティーブ・ジョブズも3幕で構成することで、プレゼンが魅力的になっていますし、落語なども3幕での構成といわれています。

もしも起承転結にこだわっているけど、うまく伝わらなかったり、結果が出ない方は一度、構成を変えてみたらいかがでしょうか?

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起承転結とは?

起承転結は私たちには馴染み深いですよね。

小学校の時に書いた作文とかも先生から「起承転結」を使って書くように教えられました。

そもそも、起承転結とはどういったものでしょうか?

起承転結とは多くの場合、物語や作文なんかで使われてきた構成のことを指します。

  • 「起」:物語の始まり。
  • 「承」:物語が進む。
  • 「転」:物語が急展開する。
  • 「結」:物語が終わる。

といった構成ですね。

桃太郎ならば

  • 「起」:桃太郎が桃から生まれる。
  • 「承」:犬・猿・キジを仲間にする。
  • 「転」:鬼が島で鬼と戦う。
  • 「結」:村に平和が訪れる。

といった感じでしょうか。

桃太郎

4コマ漫画も起承転結で構成されています。
Wikipediaによれば、手塚治虫先生も4コマ漫画は起承転結が基本であると言っているようです。

でも、果たしてプレゼンでもこの起承転結は通じるんでしょうか?

⇒参考:「プレゼン資料の作り方の基礎をまとめて解説」

起承転結をプレゼンに当てはめてみる

たとえば、新しい掃除機を販売するプレゼンだったとして、起承転結で構成してましょう。

  • 「起」:新しい掃除機の発表
  • 「承」:掃除機の機能や特徴を伝える
  • 「転」:一般的な掃除機における問題点を伝える
  • 「結」:各問題をクリアしていて、掃除が楽になりハッピーになる

といったところでしょうか。
「転」の部分は、急展開というよりは、掃除機全般のマイナス面とかデメリットを伝えておいて、お客さんに不安を与えておいてから、この製品ならその問題をクリアしてますよ、って感じになると思います。

どうでしょうか?

構成としては悪くなさそうですよね。
聞き手であるお客さんの気持ちをだんだんと盛り上げていって、途中で一度不安にさせておいてから、でも問題ないからこの商品を買ったほうがよいですよ、と安心させることで最後はハッピーエンドで終わっています。

でもこの構成には問題点があります。

起承転結はプレゼンでは使えない

冒頭で聴き手の心をつかみ、プレゼンに興味を持ってもらうことはとても大切です。

なぜならプレゼンで最初に聴き手の心をつかめなければ、プレゼンを真剣に聞いてもらえないかもしれないからです。

じゃあ、どうすればよいのか?

一番好ましい方法は、最初に、
「なぜ、あなたはこのプレゼンを聞く必要があるのか」
ということを伝えなくてはいけません。

ということは、最初に
「新しい掃除機が発売になりました。」
と、伝えることは聞き手にとって興味をひかれますが、そのあとに「承」の部分で機能や特徴をたくさん伝えられても、よく理解できないかもしれません。

それよりもこの新しい掃除機で、私たちの生活がどのように変わるのかを伝えることが必要です。
聞き手にとってのメリットを伝えてあげることで、このプレゼンを聞く価値があることを示すのです。

つまり「起」の次は「結」になるんです。

じゃあ、順番を入れ替えちゃえばいいじゃん、と思われるかもしれないですけど、「結」を「起」の次に持ってくる時点で、もう「起承転結」の構成は崩れてしまっています。

このようにプレゼンでは「起承転結」の構成通りに作れないんです。
起承転結にこだわる必要はない、ということです。

プレゼンは起承転結ではない

起承転結以外のプレゼン構成パターン

起承転結がプレゼンでは作れないのだとしたら、他の構成パターンはどうでしょうか?

実はプレゼンにはたくさんの構成パターンが存在します。

この章では代表的なプレゼンの構成について一緒に見ていきましょう。

SDS(Summary Detail Summary)法

SDS法とは一番ポピュラーな方法で、聞き手にとって理解しやすく、どのような提案でも活用することができます。

要約詳細まとめ
提案内容のポイントを伝える提案内容の詳細を順番に説明する全体のまとめを伝える

SDS法使用例

【要約部分】
本日はSDS法についてお話しします。SDS法は「要約」「詳細」「まとめ」の3つのステップに分けることができます。

【詳細部分】
まず最初のステップである「要約」とは提案内容のポイントを伝えることです。
次に「詳細」では、各内容の詳細を伝えていきます。
最後に「まとめ」でもう一度SDS法についての要約を伝えて終了です。

【まとめ部分】
以上、SDS法についてお伝えしましたが、この方法を活用することで、聞き手にとってわかりやすい説明をすることができます。

PREP(Point Reason Example Point)法

PREP法とは先に結論を伝えたあとに、その理由などを伝えていく方法なので、説得力を増すことができます。

結論理由結論
結論・要点を伝える結論に対する理由を伝える事例や具体例を伝える繰り返し、結論・要点を伝える

PREP法使用例

【結論部分】
今回ご紹介するPREP法を活用することで、プレゼンにおける聴き手のストレスを軽減することができ、さらに提案のインパクトを残すことができます。

【理由部分】
なぜなら、ダラダラとしたプレゼンを聴き手は嫌う傾向にあり、早く結論を聞きたがっているからです。早く結論を聞いた上で判断をしたい思っているのです。
また、この方法では最後にもう一度結論を述べるので、1回しか結論を伝えないときよりも記憶に残りやすくなります。

【例部分】
実は今年よりPREP法によるプレゼンをしているのですが、好意的なアンケート結果をたくさんいただいております。

【結論部分】
このことからも、PREP法は聞き手にとって、ストレスなく聞くことができ、提案が記憶に残りやすいのです。

FABE(Feature Advantage Benefit Evidence)法

FABE法は、商品やサービスを販売する際などに、とても使いやすい方法です。

特徴優位性メリット証拠
商品・サービスの機能や特徴などを伝える競合とは何が違うのか、差別化された点を伝える聞き手にとって、どのようなメリットがあるのかを伝える科学的根拠や第三者の声で信用できることを伝える

FABE法使用例

【特徴部分】
今回ご紹介する布団用クリーナーの特徴は、軽量・コンパクトなボディと、低価格でUV除菌率99.9%、ハウスダスト除去率90%となります。

【優位性部分】
当社は布団クリーナーを日本で最初に作った歴史と技術力があります。これらのノウハウによって他社では実現できないほどの除菌率を達成しています。

【メリット部分】
赤ちゃんや小さな子どもはまだ免疫力が低く、睡眠中に体温が下がるとさらに低下します。そのため、睡眠環境を清潔に整えることは、健康を守るための重要な予防手段になります。
この布団クリーナーはあなたと、あなたの大切な家族の睡眠環境を守ります。

【証拠部分】
【UV除菌】(一財)日本食品分析センター調べ 、【ウイルス除去】(一財)環境科学センター調べ
また東京環境アレルギー研究所より認可もいただいております。

あなたにオススメする構成パターン

プレゼンの構成パターンは起承転結ではないことを先ほどお伝えしました。
そして、SDS法、PREP法、FABE法についても説明しましたね。

実は他にもDESC法、BEAF法など、構成パターンはたくさんあるんです。

その中で、自分のプレゼンにあった方法を選んで活用するのは大変です・・・
構成パターンを選ぶだけでも時間と労力をかなり消費してしまいます。

そこで、私がオススメする構成パターンをあなたにお伝えします。

それが、
『提案パターン』
『報告パターン』です。

『提案パターン』は、社外プレゼンで効果を発揮する構成です。

『提案パターン』は「導入」「提案」「行動喚起」の3つから構成され、
「導入」で聴き手の興味をひき、プレゼンを聞いてもらう体制を整えます。
「提案」でプレゼンする商品・サービスのメリットを伝え、さらにその根拠などを伝えていきます。
「行動喚起」でプレゼンを聞いた後に具体的にどのような行動をしてほしいのかを伝えます。

『報告パターン』は、社内プレゼンで効果を発揮する構成です。

『報告パターン』は「問題」「解決案」「効果」の3つから構成され、
「問題」は報告する事案の問題点とその原因を具体的に示します。
「解決案」は問題に対する解決案を伝えます。
「効果」は問題を解決することで得られる効果とその根拠を伝えます。

社外の人に対して、商品やサービスを販売するためのプレゼンと、
社内の人に対して、上司などに業務報告をするプレゼンでは目的が全く違うため、構成パターンも変わってきます。

この点に注意して、プレゼンを構成していくようにしてくださいね。
『提案パターン』と『報告パターン』については以前の記事で詳しくお伝えしていますので、是非、読んでみてください!

『提案パターン』と『報告パターン』についてもっと知りたい方はこちら↓↓↓

⇒参考:「プレゼン構成のならこれがオススメ!覚えるのは2パターンだけ」

プレゼンにおける起承転結についてのまとめ

起承転結を使うことは絶対にダメだ!
ということではありません。

実際、今回のこの記事は起承転結の構成に則って書いています。

  • 「起」:起承転結とは?
  • 「承」:起承転結をプレゼンに当てはめてみる
  • 「転」:起承転結はプレゼンでは使えない
  • 「結」:あなたにオススメする構成パターン

といった感じで、この記事を構成しています。

でも、聴き手の感情を刺激し、提案内容を受け入れてもらうには、「起承転結」ではなく、
『提案パターン』と『報告パターン』を使うことをオススメしておきます。

ぜひ、参考にしてみてくださいね!

監修者

監修者の写真

Null Japan株式会社 代表取締役

高村 勇太

プレゼン資料クリエイター/プレゼン資料の専門家

Microsoft® Officeスペシャリスト 認定

<略歴>

武蔵野美術大学卒業後、東京都港区赤坂の設計事務所にてプレゼンテーション業務に従事。数億円のオフィスビルから数百億円の都市開発事業などの提案書およびプレゼンテーション資料の作成を手がける。
2016年より会社を設立し、2018年よりマーケティング、セールスライティングを取り入れたプレゼンテーション資料制作、コンサルティング事業を開始。
現在はプレゼンテーション資料を中心に広告やチラシ、営業資料などの様々な資料を手がけ、資料制作講座も開き、資料制作の方法なども伝えている。
⇒主な制作事例はこちら

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