BtoB企業では、マーケティングから営業、顧客サポートまで幅広い部署が連携し、見込み顧客から実際の受注、そして継続的なサポートに至るまでの一連の流れを作り上げます。

その中で重要となるのが、各段階で役立つ資料の用意です。それぞれの部署が必要な資料を揃えているかどうかが、顧客への提案内容やアピール力、意思決定をサポートする効果に直結します。

資料作成の目的を見失ったまま闇雲にページ数を増やしても、社内外で使いづらくなるだけです。むしろ、部署ごとに必要とされる資料のポイントを明確に把握し、ターゲット読者にわかりやすく訴求できる構成を考えるのが鍵となります。

本記事では、マーケティング、インサイドセールス、フィールドセールス、カスタマーサクセスという4部門を例に、それぞれが用意すべき資料の種類と使い方、作成の際に押さえておきたい要点を解説します。

BtoB企業が資料を作成するときのポイント

BtoB企業がどのような資料を作成すればよいかを検討する際には、いくつか共通のポイントがあります。特に意識したいのは資料を使うフェーズと、コンテンツセールスの考え方です。
これらを整理することで、企業全体で資料活用を最適化し、重複や過不足を防げます。

ポイント①フェーズごとに資料を用意する

BtoBの購買プロセスはリード獲得から商談・受注、そして導入後のサポートまで段階が分かれています。見込み顧客がまだ製品・サービスを比較検討中なのか、あるいは最終的な導入判断を迫られているのかによって、必要となる情報が異なります。

初期段階では製品の概要や導入メリットを把握できる資料が重要ですが、商談が進んだ後には具体的な導入事例や費用対効果を示す資料が求められるでしょう。 また、顧客企業の社内で意思決定者や実務担当者など立場の異なるステークホルダーが存在すると、彼らが求める内容も多様になるため、目的や閲覧者の属性ごとに資料を揃えることが肝心です。

ポイント②「コンテンツセールス」から資料を展開する

「コンテンツセールス」とは、有益な情報をコンテンツとして提供することで、見込み顧客に自社の強みやノウハウを認識してもらい、購買意欲を高めるアプローチを指します。

具体的にはホワイトペーパー、導入事例集、技術レポートなどを制作し、ダウンロードや閲覧を通じてリードを獲得する戦略です。 この考え方をベースに、各部署がそれぞれ必要とする資料を一貫したブランディングや内容で作成すれば、顧客がどのフェーズであっても情報に矛盾が生じにくくなります。

たとえばマーケティング部が作った資料と、営業が配布するパンフレットの内容がかみ合わない事態を防ぎやすくなります

BtoB企業のマーケティング部が用意すべき資料

マーケティング部門はリード獲得から育成(ナーチャリング)までの入り口となる資料を作り、広く潜在顧客に情報を届ける役割を担います。見込み顧客の興味を引きつけるためのコンテンツ制作や、ブランドの認知度・信頼度向上に向けた資料が中心です。

サービス紹介資料

自社サービスや製品の概要や特徴、メリットをまとめた資料で、潜在顧客が最初に受け取る可能性のあるコンテンツです。一般的にはPDF形式で、ホームページの資料ダウンロードページに設置されることが多いでしょう。あまり専門用語を多用しすぎると初期段階の顧客には伝わりづらいため、分かりやすい言葉で要点をまとめるのがポイントです。

事例ホワイトペーパー

実際の導入事例を深掘りし、課題解決のプロセスや導入効果を紹介するホワイトペーパーです。マーケティング部では、広報担当や営業担当と連携して顧客の許可を取り、成功事例をレポート化します。

具体的な数値や顧客の声があると、同様の課題を抱える見込み顧客が「自社にも適用できそうだ」と想像しやすくなります。

お役立ち資料

業界の最新動向や業務効率化のヒントなど、顧客が抱える一般的な疑問や課題を解決するために役立つ情報をまとめた資料です。

業界研究レポートやTips集などが典型的な例で、ダウンロード時にリード情報を獲得する仕組みが作りやすいです。純粋な課題解決型コンテンツであるため、多くの見込み顧客に活用される可能性が高く、リード数を増やす効果が期待できます。

ウェビナー資料

マーケティング施策としてウェビナー(オンラインセミナー)を開催する場合、その内容を資料化して配布したり、アーカイブとして公開したりすると、見逃した人にも情報を提供できます。

セミナー配布資料に加えて、講演スライドや解説ページをまとめた形でのダウンロードを設置することで、セミナーに参加できなかった潜在顧客にもリーチが可能です。

BtoB企業のインサイドセールス部が用意すべき資料

インサイドセールス部門は、電話やメール、オンライン会議などを使って見込み顧客との関係を継続的に築き、商談化のタイミングを見極める役割を果たします。
そのため、比較的軽めの資料や状況に応じて送付できる柔軟なコンテンツが必要になります。

サービス紹介資料(送付用)

マーケティング部が作成した「サービス紹介資料」を、インサイドセールス向けに短縮・再編集して送付しやすくしたものです。電話やメールで簡単に説明したあと、さらに詳細を確認してもらうときに活用します。タイトルや小見出しを見ただけでも概要が分かるレイアウトが好まれます

業界別・課題別 サービス紹介資料

見込み顧客の業種や抱える問題によって、必要な情報やアピールすべきソリューションが異なります。

そこで業界別や課題別にカスタマイズされたサービス紹介資料を用意しておくと、インサイドセールスが顧客のニーズに合わせて最適な資料を提供できます。業界特有の用語や市場動向を含めると説得力が高まります

業界別・課題別 事例集

業界や課題ごとに成功事例をまとめた小冊子やPDFがあると、インサイドセールスの電話やメールフォローで「御社と同じような課題を解決した事例があります」と伝えやすくなります。

特に数字で分かる効果(売上アップ率、コスト削減率など)を強調し、視覚的に提示するレイアウトを採用すると効果的です。

BtoB企業のフィールドセールス部が用意すべき資料

フィールドセールス部門は、対面や訪問営業によって顧客との商談を進める役割を担います。実際に相手の状況や要望を聞き取り、提案資料を提示しながら交渉を進めるため、現場の声を反映した即戦力のある資料が必要です。

営業資料

フィールドセールスが初回商談やプレゼンテーションで使う資料です。会社概要、サービス概要、競合優位性などを簡潔にまとめ、商談相手が全体像を把握しやすい構成を目指します。デザインやレイアウトも意識し、紙ベース・タブレット両方で見やすい形にすることで臨機応変に対応できます。

商談後送付用資料

商談が終わった後に、追加の疑問やより深い情報を求められたときに送る資料です。特に質問の多かったテーマや競合比較のポイントなど、顧客が導入検討に進む際に知りたい項目を深掘りしてまとめます。商談メモを活かし、個別案件向けにカスタマイズすると成約率が上がりやすいです。

潜在課題 事例資料

顧客自身が明確に認識していない潜在課題を掘り起こし、導入の必要性を感じてもらうために、想定シナリオや事例を紹介する資料です。多くの顧客は「今のままでも問題ない」と感じていることがあり、実は潜在的なリスクや機会損失があるかもしれません。こうしたポイントを事例を交えて提案し、ニーズを顕在化させます。

業界別・課題別 営業資料

前述のインサイドセールス用資料と同様、フィールドセールスも業界や課題ごとに異なる切り口が求められます。顧客の業種に合わせて、現場目線のデータや導入効果の算出式などを盛り込み、説得力を強化する形が効果的です。

同じ資料を全顧客に配っても刺さらない場合が多いため、テンプレート化しつつ柔軟にカスタマイズできるようにしておくと便利です。

BtoB企業のカスタマーサクセス部が用意すべき資料

カスタマーサクセスは顧客の満足度や継続率を高める役割を担います。導入後のフォローアップや利用促進がメインとなるため、定期的な打ち合わせや振り返りで使う資料が必要になります。

顧客の成長を支援する立場として、アップセルや継続契約につながる情報提供をすることも大切です。

キックオフ資料

サービス導入直後に、顧客とのキックオフミーティングで用いる資料です。導入目的や成功イメージ、プロジェクト体制、各種連絡先、利用開始までのスケジュールなどを共有し、双方が同じゴールを認識するために活用します。これにより、導入プロセスでの行き違いを最小限に抑えられます。

定例MTG資料

継続的に顧客と打ち合わせる場では、使用状況のレポートや進捗管理シートなどが必要です。アクセス数や利用回数などのデータを可視化し、課題点や改善提案をまとめた形で提供すると、顧客の担当者が社内報告に活用しやすくなります。あらかじめフォーマットを整備しておくと効率的です。

定点 振り返り資料

契約期間中、3ヶ月や半年ごとなどの節目で成果を振り返る際に使う資料です。導入時に設定したKPIやKGIの達成度、想定外の障害がなかったかなどを整理し、次のフェーズに向けたアクションプランを提案する形でまとめると顧客の意思決定が進めやすいです。プロジェクト管理ツールの画面やグラフなどを交えて可視化すると説得力が増します

継続提案資料

契約更新や追加サービスの提案を行う際に用いる資料です。導入から現在までの成果や残っている課題、新たなソリューションを組み合わせた際のメリットなどを整理し、今後の拡張方針を提案します。顧客にとって追加コストを正当化できる根拠を示すために、事例や数値効果を盛り込むのがポイントです。

部署ごとに異なるBtoB資料を作成して売上アップにつなげよう

BtoB企業が扱う資料はマーケティング、インサイドセールス、フィールドセールス、カスタマーサクセスなどの部署ごとに目的や内容が異なります。

マーケティング部は幅広い潜在顧客に向けたコンテンツセールスをベースに、サービス紹介や導入事例を含むホワイトペーパーなどでリード獲得と育成を図ります。 インサイドセールス部は電話やメールでコミュニケーションを重ねるため、顧客の業種や課題に合わせてカスタマイズされたサービス紹介資料や事例集を準備し、効率的に興味度の高いリードを商談に導くことが重要です。

フィールドセールス部は対面商談で使う営業資料や商談後の送付資料など、顧客の具体的な疑問に即応できる資料を用意し、最終的な受注確度を高めます。そして、カスタマーサクセス部は導入後のキックオフや定例ミーティング、振り返り、追加提案などを円滑に進める資料が欠かせません。

資料作成の際は、フェーズごとに必要な情報を整理し、コンテンツセールスの視点を取り入れると統一感が生まれ、社内外で重複や混乱を防ぎやすくなります。最適な資料を適切なタイミングで提供することで、企業と顧客のコミュニケーションを円滑化し、商談から顧客満足度向上までのプロセスを加速させられるでしょう。

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